慰謝料ってか・・・
なっまなましい話になってきたで、これ・・・（汗）
大体、慰謝料っていうのはさ～
離婚の場合は、一方が不貞や暴力を行って
相手に精神的苦痛を与えた場合の損害賠償請求で。
奥さんが慰謝料をもらおうとするならば、竹山さんに何らかの有責行為がないと
成立しないはずだけれども。
長い間離れて暮らしていて
暴力はないだろうし、
不貞だって私が知る限り
99.9％
な い！！
これは自信持って言える。
竹山さんには、そんな時間も、金も、度胸も、
な い！！
目の前の奥さんが、急にイキイキして見える。
なんだ、これ・・・？（疑）
変だな・・・
まさか・・・（汗）
奥さんが
スーザンとかリーリーとかメアリーとか言ってたのは
慰謝料を取る為のでっちあげ・・・？？
それだったら、納得がいくわ・・・（怖）
ただの妄想家だと思っていたけど
この奥さん
もしかしたら
かなりの食わせ者かも・・・？
等と
私も勝手な妄想をしながら
・・・竹山さんが可哀想になってきた・・・
私とは犬猿の仲だけれど
小心者で、要領悪くて、イライラするけど
人は悪くないもの・・・
他の者にやらせりゃいいのに、正月から会社に行ってるもの・・・
娘さんの写真とか、
財布に入れてるの見た事あるし。
ここ（中国）ではホント仕事しかしてないで、あの人・・・
それなのに
奥さんから離婚迫られて
慰謝料まで取られるなんて（そんな金、絶対ないし 汗）
気の毒の極みちゃうん？？？
・・・こんがらかってきた・・・
何が何だか分からんようになってきた・・・
で、
私の口から出た言葉は
「そ～ですよね～＾▽＾慰謝料くらい、もらわないとね～」
取り敢えず奥さんに話合わせとけ。
浮気してないって言うても、どうせ聞かんやろ。
所詮、他所の夫婦の事やもん・・・（ヤケ）
この後、慰謝料の金額の話で一しきり盛り上がった。
（多くて500万くらいらしい）
ささやかな抵抗として
「娘さんが将来結婚する時まで、離婚は待った方がいいのでは？」
という提案もしてみたのだけれど
奥さんは「もう、いいのよ」と頑固に首を振った。
離婚の意思は固いよう・・・
「そろそろ帰らないと・・・」
と奥さんが言った。
時間は9時半を回っていた。
スッキリせんけど、帰るしかないか・・・
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外に出た。
歩道を歩きながら、2人共黙っていた。
時々、タクシーがビュン！と通り過ぎる。
もう何も話す事はなかった。
奥さんの「離婚したい」という意思は確認したし、私に話す事で
奥さんも自分で改めて確認したことだろう。
私は説得するつもりも、止めるつもりもなかったし。
ふと
何で奥さんと、江蘇の街を歩いてるんやろか・・・
思った。
ホントなら
国慶節休みを満喫してるはずなのに。。。
世話かかる上司＞＜
・・・まあ、いいや。
竹山さんを上司に持った私の運ってヤツか・・・
とにかく、奥さんは落ち着いた。
後は竹山さんと冷静に今後どうするか話し合ってくれればいい・・・
ちょっと後味が悪いけど。
役に立てなくて竹山さんに悪いな、という気持ちもあったし
キチンと話できなかった不完全燃焼感も、あった。。。
難しいねんな、こういう話って・・・
ビジネスのネゴとは違って、
なかなか計算通りにいかんもんだと、改めて思った。。。
交差点まで来た。
赤。
信号待ち。
これを渡ったら、すぐ竹山さんのアパート。
二人、無言で信号を見つめていた時。
「あの人って・・・」
と奥さんが口を開いた。
「はい？」
「あの人って・・・はっきり言わないでしょ」
「・・・・・・・・」
すっかり気抜けしていたものだから、
とっさに反応出来なかった。
はっきり言わない・・・
そう。
仕事の事でも何でも、何回聞いても回答をくれない。
イライラする。
このまま言っていいのかな・・・
でも、奥さんも、分かってる事だから。
「・・・そうですね＾＾；；」
と答えた。
奥 「私、こんな性格だから、はっきり言わないあの人に、いつもイライラするのよね」
私 「ハハ・・・＾＾；；分かり・・・ます・・・。私もズバズバ言っちゃう方だから」
奥さんは、向こうを眺めながら
奥 「あの人・・・ちゃんと仕事できてるのかしら・・・
迷惑かけてないのかしら・・・」
私 「・・・・・・・・」
「仕事が出来ているか」と言われれば。。。（悩）
竹山さんは
中国語は日常会話くらいしか出来ないし
人もちゃんと使えない。（私と険悪）
だから中国で重要な情報収集が、スムーズにできない。
（私が独断で動いて、竹山さんに提出して、回答を迫るのが殆ど）
判断力もない。（状況が分かっていないので判断不可）
決断もできない。（日常業務もイチイチ本社にお伺い立てる）
実行力もない。（本社に言われた事だけしようとする）
超辛口だけど、これが私の竹山さんに対する評価。
だけど、それを私が奥さんに言うのは、違う気がした。
竹山さんは、奥さんを私に預けた。
いつも信用してくれてないみたいだけど
今回は私に預けた。
仕事じゃないけど、部下として、私ができる事は。。。
でも、
嘘はつきたくない。
どうする・・・（悩）・・・
そう一瞬思った後、
「・・・竹山さんは・・・
一生懸命仕事をしていますよ。
毎晩10時過ぎまで残業しているし。
（要領悪くて遅いだけだけど）
土曜日は毎週、日曜日だって、よく会社に行っているし。
（何かあるのが怖くて、自分で行くだけだけど）
従業員が皆、言っています。『あの人が一番勤労だ』って。
（みんな、呆れてるけど）
本当なら私に休日出勤させればいいのに、いつも自分が会社に行って。
（私を信用していないだけみたいだけど）
自分の時間なんてないですよ。気の毒になるくらい。」
一気に口から出た。
奥さんが私の顔を見た。
「竹山さんがいないと、会社は動きません。
（だって社判の引き出しのカギ持っているの、竹山さんだけだし）
皆、頼りにしています。
（一応、会社の責任者だから、何かあったら責任取ってもらわないと）
重要な人です。」
以上を
私は、何だか仁王立ちになって
奥さんに言い切った。
・・・嘘は言ってない（緊張）・・・
奥さんは
「そう・・・
安心した・・・＾ー＾」
と、笑顔になった。
信号が青に変わっていた。
「渡りましょうか？」と、奥さんが先に歩き出した。
つづく。
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この信号待ちの場面、今思い返してもとても不思議・・・
奥さんが一番素直だった気がして。
もしかしたら
私が喫茶店で色々企みながら話しをしていたのを
奥さんはチャント見抜いていて。
カマかけられてたのかな～
なんて、思ったり。。。
信号の前で仁王立ちになって竹山さんの事を話した私は
計算する余裕もなく
とにかく嘘を言わない事に必死でした。
結局、化かしあいをしていた？？？
・・・で、化かされたのはどっち？？？
日本のオバチャンは
難しいと思いました・・・（汗）
この話は【11】単身駐在上司の奥さんの続きです。宜しければ、どうぞ。別窓です。
