CHINA QUEST*中国にはまったOL⇒女性社長の人生修行
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大川さんは身じろぎせずに、前方の壁をにらみつけてる。 口元にも力が入っている。 長い沈黙。 大川さんの呼吸だけが、聞こえる。 私は、何も言わずジッと待っていた。 何て言うの・・・? 王小姐が理由なら、それはそれで私、受け止めますよ・・・ 更なる沈黙。 ・・・長いな?(~~)・・・もう一度、聞くか? そう思って口を開けた時に、 「逃げたと思われたくないんや・・・」 大川さんが口を開いた。 思ってもみない答えだった。 逃げたと思われたくない・・・? (~。~; 「・・・誰にですか?(~。~; 」 まさか王小姐・・・? 「みんなや。会社(江蘇側)の従業員や、本社・・・」 ・・・かいしゃ?(~~) ちょっと理解できなかった。 大川さんが事故に遭ったと知って、みんな本当に心配しているのに。。。 「みんな逃げたなんて思わないですよ・・・ こんな突然、不幸な事故に遭って、骨折して入院しているのに。 誰も、そんな事思いませんよ・・・」 「俺の気が済まんのや・・・。従業員の子らはな、ケガしても中国で治療するやろ? それを俺はケガしたからと言って日本に帰るって・・・逃げてるようで嫌なんや」 「それは逃げたとは言わないんじゃないですか?」 「そうかな?俺は、そう思わない」 「帰国して、より良い医療環境で治療する事と、逃げる事とは違うと思います」 「俺とあいつら(中国人従業員)は、同じ人間やないか・・・ 何で俺が、あいつらと同じ所で治療したらアカンのや・・・!」 悲しげな顔をして、私を見ながら大川さんは、言う。 ・・・・・・・・ 何となく、わかるような気はするけど・・・でもさ、大川さん。 なんか、誤魔化してない? ずれてる気がして、しようがないねんけど。。 仕事がうまくいってなくて、沢山お酒を飲んで、車に飛び込んで。 事故に遭って入院もしているのに、家族も呼ばずに、事を済ませようとする。 その方が逃げてると思うんですけど・・・現実から。 それとも・・・ 私に事前に「帰国希望」を言ってしまった事を取り繕おうとしているの? もしそうなら、私そんな事、全然気にしてないですよ。 そして・・・ 事故の直後、病院に担ぎ込まれた時の、あなたの言葉。 「日本に帰らせてくれや・・・」 大川さん、そう言いましたよ。 あれが、あなたの本音じゃないんですか・・・? でも、こんな事、言えやしない・・・ どう言えばいいんだろう・・・(考) 「お気持ちは分からないでもないですが・・・大川さんは、 彼ら(中国人従業員)と同じじゃないでしょう。」 「何でや!」 「大川さんは、外国人です。中国人ではないです。」 「・・・そ、そうや」 「だから彼らと同じでない事は、仕方のない事だと思います。」 「・・・そうかもしれん、そやけどな・・・!」 「それに・・・業務命令が、出ています」 大川さんが、次の言葉を失った。 言った・・・業務命令・・・ こんな形で出したくなかったのに・・・ 暫く、お互いの顔を見据えた後。 「平行線やな」 大川さんが目を逸らした。 ・・・え? 大川さんは 「もう、帰りや」 小さい声で言った。 急に交わされてしまった・・・(汗) ・・・仕方ない、帰るか。。 カバンを持って、ドアの方へ歩いた。 大川さんに、私の気持ちは伝わったんだろうか・・・? 何だか、ただ追い詰めただけのような気がする・・・ ドアに手をかけた時に、振り返って言った。 「あの・・・!生意気言って申し訳なかったですけど・・・ 私はただ、大川さんに、日本で治療を受けて元気になってほしいと 思っているだけですから!」 ・・・何か言ってほしかった。けれども、 大川さんは雑誌に目を落としたまま、何も言いませんでした。 つづく。 「早く続き~」と思われた方へ:是非上記バナーをですね、クリックして頂けると、 モチベーションが上がって「頑張って書こう!」と思いますので宜しくお願いします。 扉ページ←「ホーム」をクリック!で【今日の 小日記 (何それ、と言わないで^^;)】やってます。 私の日常の小ネタをチョコチョコ載せてます。そちらも是非!
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