とうとう帰国日の朝。
朝の8時。
病室のドアを開けると、大川さんが爽やかな笑顔で「お早うございます!」
経理部長に、ボストンバッグ(大川さんの身の回り品を入れてる)を持った竹山さん、
そして私が病室に入り、医療サービスセンターの出迎えを待っていました。
「どないや?大川」 と経理部長が言えば、
「なんとかかんとか生きてますわ、エヘヘ~」 と大川さん。
荷物持ちの竹山さんと私は、側で待機。
私、一人で頑張りました・・・!
・・・みたいな顔してるけどさ~大川さん。あんたの世話、大変やったで~
内心そんな事考えて立っていましたが、竹山さんにも同じ気配を感じたので、
恐らく別の所でワガママ言われてたのでは、ないでしょうか・・・
王小姐は勿論、部屋には居らず。
暫く和やかに雑談していたのですが・・・
廊下にコツコツ・・・と靴音が響き、誰かが部屋に入ってきました。
・・・王小姐!?(驚)
ものすごい無表情で・・・ゆっくり、こちらへ向かってくる。
「誰や、この子?」 と経理部長は我々の顔を見るけれども。
大川さん、竹山さん、私の3人は、「いや、あの・・・」と、しどろもどろ・・・(汗)
彼女は、大川さんに向かって
「NI 真 的 要 回 家 ロ馬?(あ な た、本 当 に 帰 る の ?)」
抑揚のない声で話しかける。
私と竹山さんは、動くに動けない・・・(大汗)
「NI 真 的 要 回 家 ロ馬?(あ な た、本 当 に 帰 る の ?)」
彼女はもう一度そう言った後、
手にキラリと光るモノが見え、大川さんが目をむいた・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・みたいな事も想定していたのですが
(この手の話は、何回も聞きましたので(--)
王小姐は現れませんでした。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
やってきたのは、医療サービスセンターの人達。
センターの王さん、日本の医師免許を持っている陸さん、そして搬送スタッフ。
いよいよ。
大川さんは、経理部長や竹山さんに
「すんませんでした。御迷惑お掛けしました」
「竹ちゃん、あと、頼んだで」
と挨拶をして、経理部長や竹山さんもそれに答えて
「日本でしっかり治療してこい」
「こっちの事は何も心配しないで」
等と話しをしていたのですが、その内、雰囲気がしんみりし始めて
「ホンマ有難うございました。世話になりました」
やや涙ぐむ大川さん。。
その時「時間到了(時間だ)」 という声が聞こえました。
・・・かと思うと。
ガーーッと素早く、ベッドごとドアへ移動(驚)
大川さんが 「あれ??ちょっと!!(汗)」 と叫び。
王さんと陸さんは 「今日は道路が混んでいます!」とベッドと共に
早足で去って行きました。
残った我々は一瞬ボーゼン、でもすぐ我に返り。
経理部長と竹山さんは「おい!ちょっと!」「大川さん!」と、
それを追いかけて走り。
私は 「部屋で待ってます!」と声をかけ、部屋に残りました。
廊下を、飛ぶように去っていくベッドの上の大川さんと、
それを追いかけ、走る経理部長と竹山さんを見送りながら、
コントかよ・・・!? ^▽^;;
余韻も何もあったもんじゃないな~・・・
一人、部屋で笑いころげました。
一しきり笑った後。
大川さん、私には 「有難う」 って言わなかったな・・・
ちょっと悔しかったけど・・・でも、そう思う自分が寂しいので、
さっきの場面を思い返して、もう一度一人で笑いました。
主のいない病室は、ガラーンとしてて、だだっぴろくて。
終わったな・・・
そう思いました。
そして、部屋にまだ残っている日用品を片付け始めました。
つづく。
「早く続き~」と思われた方へ:是非上記バナーをですね、クリックして頂けると、
モチベーションが上がって「頑張って書こう!」と思いますので宜しくお願いします。
王小姐は現れず、期待を裏切ってしまったでしょうか?すみません。^^;
しかしまあ、「拉致」さながらの搬送劇には、やられました^▽^;;
次回、部屋を片付けながら、私は王小姐に関して「ある事」を発見します。
・・・ちょっと切ないかも。
扉ページ←「ホーム」をクリック!で【今日の 小日記 (何それ、と言わないで^^;)】やってます。
私の日常の小ネタをチョコチョコ載せてます。そちらも是非!