夜7時。
日本料理屋の引き戸を開けた。
「歓迎光臨!田小姐^^」
店の子が出迎えてくれる。
ササッと店内を見て、
知った顔がいないのを確認して素早く中に入った。
「私の会社の人、来てないよね?(小声)」
「はい^^」
ここは、いくつかある日本料理屋のウチの一軒。
最初は大川さん達や本社の出張者と一緒に来ていたけれど。
大川さんが「まずい」「飽きた」等と言い出して
行きつけの店を替えたので、会社のモノは来なくなった。
だから、却って私の行きつけの店になった。
個人的な知り合いと会う時に、利用する。
会社の人に見られると、正直うっとおしい。
江蘇に来たばかりの頃、昔の知り合いとホテルのロビーにいた時に
いたのを見られたが、変な勘ぐりをされて相当頭にきたからだ。
ここの店は大川さんが言うほどまずくないし、
でも、それほど繁盛もしていないから(笑)
毎回コソコソと入ってくる私の事も覚えてくれて
数ある密会に協力してくれていた。
ちなみに「田小姐」は店の予約をする時に使っていた。
日本の名前だと、漢字の説明をするのが面倒くさい。
「田」なら「田野的田!」の一言で済む。
* * * * * * * * * * * * * * * *
「私の友達は来てる?」
「はい、こちらに^^」
と案内されたのは・・・
・・・・個室。
8人部屋。
2人しかおらんのに・・・^^;
こういうトコも、この店の便利な所。
戸を開けると、クネクネ社長が
「アコしゃおじえぇ~、にぃはお~^^」
クネりながら椅子から立ち上がったので。
対面に座り。
「日本料理で良かったですか?」
「大丈夫です~。私も食べてみたかったしぃ~」
「何か食べたいモノはありますか?」
「う~ん、全然分からないから、アコ小姐が頼んでくだっさ~い♪」
中国人の友人と来ると大抵そうなので、
刺身や天ぷらなど日本料理らしい、いつものメニューを頼んだ。
ビールを1本頼んで、乾杯をして。
日本料理の紹介、味付けの特徴や、刺身の食べ方やワサビの役割を説明。
ヨウ小姐の事を早く聞きたかったけど
いきなり切り出すのは野暮(やぼ)だ。
交流の機会でもあるから、先にこの場を楽しんでから。
一通り料理を食べた後、
「・・・今日は、何かお話があるんですよね?^^」
と振ってみた。
「ええ。」
「・・・何でしょう?^^」
「ヨウ小姐の事なんですが」
「ああ、はい」
クネクネ社長は、急に鋭い眼光になって
「彼女が市内に家を買ったという話は、ご存知ですか?」
「・・・・・・さぁ(--)」
表情を変えずに、話を促しましたが。
内心。
い え !!?? ( ̄Д ̄;)
愕然としていました。
つづく。
↑ 続きが気になる方は一回押してやってください。頑張って書きます。。
家買ったって~??マジで~??(汗) 私も買った事ないのに~(泣)
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