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CHINA QUEST*中国にはまったOL⇒女性社長の人生修行

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2008/04/02
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テーマ:中国&台湾(3303)
カテゴリ:中国旅行



スーツにネクタイ姿の男性が、手足を縛られて

向かいの席の女性が泣きながら男性の足を叩いている。


あまりに異様な光景に、思わず目を逸らしました。

行商の兄ちゃんの表情をチラと探ると
窓の外を見て無反応だったので、
私も気にしないでおこうと平静を装いました。


しかし、また。


「マリア~!!」


男性の絶叫。

その後に「エイ、ニ~!」と女性の声。


何人かの旅客が振り返ったのは感じましたが。

行商の兄ちゃんは、またチラと一瞬目をやっただけで
無表情だったので

私も反応するのはやめておこうと。。でも



「エリザベス~!!アイラブユー!!」



・・・何なんだ、アイラブユ~ってぇ!!(@@;



更に多くの旅客の視線が一斉に動いたのを感じて、
私も一緒に振り返りました。


男性は奇声を発しながら、既に椅子に座れてもおらず
手足を動かして暴れており。

しかし、その表情や動きを見て、やっと分かりました。



(精神を)病んでる人か・・・(・.・;



男性は色が浅黒くて、体格は並程度。

まだ若く見えました。20代前半・・・?

向かいの席の女性は黒っぽい服装でスカートを履いていて

周りの目を少し気にしていました。

また男性の様子にやりきれない風に、

懇願するように、力なく足を叩いては、ハンカチを目に当てていました。


何となく、2人は姉と弟だと感じました。


その向かい合ったBOX席にはもう二人、

初老の女性と中年の男性がいて、時々暴れる男性を制止していました。


恐らく親や親戚だろうと感じました。


彼らの身なりや物腰から、周囲の

麻袋を持ち込んでいる乗客とは違うと感じました。


こんな状態の中で「マリア」「エリザベス」「アイラブユー」

英語を叫ぶ男性はきっとインテリなのだろうと思い。


恐らく周囲の3人も、それなりの家の人なのだろうと感じ。

恐らく病院かどこかへ連れていくのだろうと思いましたが。


でもそれなりの身なりや物腰と、

手足を縛る、という荒々しい状況のギャップ。


そして、そんな彼を衆目に晒(さら)さねばならない列車で、

しかも硬座(一番安い)で移動せねばならない事情は

一体何なんだろうかと。



日本なら、自分の知っている範囲で何らかの推測を組み立てられますが

ここ中国では恐らく事情が違うのだろうと、

推測も落ち着きどころがありませんでした。


この時多分、私の顔は多少眉間にシワが寄っていて

「何なんだ・・・(~。~;」という

「困惑」等の表情が浮かんでいたと思うのですが、



周囲の中国人には

そう言った表情が見受けられない事にも

「困惑」を感じました。



でも、そうやって無反応でいる事が

あの家族にとって救いになっているような気がしたり。



でも、その無反応や無表情には、何となくですが

極端な状況に慣れすぎたような「麻痺」性を感じました。



ただ、込み合った列車の中で

この家族の周囲だけは、妙に空間が空いていました。
(皆、近寄らない)


この空間の意味・・・


周囲の人の表情に「恐怖」や「困惑」等は一切感じない中の

この空間の意味は、何なのだろう・・・・・。



・・・本能?




何かが私の背中に触れて。

振り返ると、行商の兄ちゃんでした。


彼は、小声で


「不要看(見るな)」


と心配そうに私に言いました。



つづく。



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16年前の中国列車旅の記憶です。


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最終更新日  2008/04/04 12:36:58 AM
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