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テーマ:中国&台湾(3303)
カテゴリ:上海留学時代
次の回の授業。 最初は授業に集中していましたが 終了時間が近づくにつれ、また気が重くなってきました。 今日はもう、断ろう・・・ 授業が終わり、いつものように皆でバス停で解散。 すると、 私と、そしてやはり苗(びょう)さん達が残りました。 「もう大丈夫です。一人で帰れますから^^;」 彼らの好意に気遣いながら、笑顔で断ったのですが 苗さん達も「大丈夫」と引きません。 結局また、同じ状態になりました。 ただ今回は、唐さんが「用事があります」と 参加せず護衛団は4人になりました。 少しホッとしました。 このまま、段々減って行けば その内解散するだろう・・・ それにしても1時間半の道中は 笑顔で話をしていても、 内心、申し訳ない気持ちで一杯で。 とにかく早くこんな事を止めなければと そう思うばかりでした。 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 三回目。 思った通り、次は3人になりました。 どうやら苗さん以外は大分熱が冷めているようで 疲れた表情が見られました。 しかし苗さん一人、やる気満々です。 満面の笑顔で「先生、今日も一緒に」と話しかけます。 そして、厳しい表情で若者に耳打ち。 途端に若者が笑顔になって「先生、カバンを持ちます」と 駆け寄ってくる。 苗さんの仕切りは明白でした。 しかし 苗さんの強引さに不満を持つ生徒もいました。 時折、不服そうな顔で渋々うなづいていたり またちょっとした言い争いになっている場面も 何度か見ました。 それは全て「しぇんしぇえ」に対する気遣いに 端を発していました。 ・・・どうして? 不安になってきました。 ただ私が先生だから、というだけで こんなに親切にしてくれるのは、おかしいよ。 苗さんに、警戒心が出てきました。 普通、ここまでしないだろ・・・ 何かないと、ここまで出来ないだろ・・・ 別 有 用 心(下心がある) ・・・苗さんもやっぱり 何か、私に日本人としてのメリットを期待して? 怖くなってきました。 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 外灘で、乗り換えです。 夜の暗さに、気だるい黄色の電灯光が交差。 そこに 無表情の見知らぬ人民達と、 私達4人はバスを待っていました。 バスを待ちながら、私はモヤモヤした思いのまま。 先ほど浮かんだ言葉と、今までの苗さんの言動の 整合性を探していました。 別 有 用 心(下心がある) 疲れた様子を見せまいとしている 苗さんの横顔をチラチラ見て やはり、そうなんだろうか・・・? 思いながら。 五角場行きのバスは、さっき行ったばかり。 もう暫く、時間がある。。 「苗さん・・・」 「はいっ、何ですか、しぇんしぇえ」 私の方に、急いで向き直る苗さん。 「あの・・・(ためらう)」 「はいっ?」 私に合わせて、腰をかがめる苗さん。 「NI・・・・・・ 為什麼対我這麼熱情?」 (あなたは・・・どうして私にそんなに親切なんですか?) 言ってみました。 ・・・いいから。 一緒に商売しよう、とか。保証人になって、とか。 さんざん言われてるから。 慣れてるから。 後で、やっぱり・・・と ガッカリするよりは 早いウチに聞いておいた方が 私も気がラクだから。 苗さんの顔をジィッと見上げました。 表情の動きを見逃すまいと。 そして どんな答えが返ってきても大丈夫なように 何の期待も、抱かないようにして。 つづく。 *このお話しは、1995年上海での出来事です。 ↑ 続きが気になる方は是非、一回押してやってください。。 扉ページ←「ホーム」をクリック!で【今日の 小日記 (何それ、と言わないで^^;)】やってます。 私の日常の小ネタをチョコチョコ載せてます。そちらも是非! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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