1141466 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

CHINA QUEST*中国にはまったOL⇒女性社長の人生修行

CHINA QUEST*中国にはまったOL⇒女性社長の人生修行

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

カレンダー

カテゴリ

お気に入りブログ

サンダーボルトファ… hasshi49さん

妻の入院 安東堀割南さん

台北行きピーチ予約… みん1001さん

アラフィフおやじの… 高島平さん
ケンボーの中国アク… 在中日本人ケンボーさん

サイド自由欄

設定されていません。
2008/07/11
XML
テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:上海留学時代


通り過ぎる車のライトと

道路のランプや街灯が混ざり合い。



夕方のような、セピア色のような、気だるい光景でした。





「NI・・・・・・

 為什麼対我這麼熱情?」


(あなたは・・・どうして私にそんなに親切なんですか?)






私は、ジイッと苗(びょう)さんの顔を見つめ、


それを受けた苗さんは少し微笑んで。






かがめていた体を起こし

前方に向き直り、少し遠くに目をやりました。







「我・・・這麼想的。」

(私は・・・こう考えているんですよ)







いつも聞く「しぇんしぇえ」とは違い

上海訛りの普通話(標準語)で苗さんはゆっくり話します。







「NI是一個人来中国的ロ巴。

(あなたは、一人で中国に来てるでしょう)」



「対(はい)」







「也・・没有親戚朋友。 (親戚や知り合いも、いない)」


「・・・対(はい)」







日本語の時と違い、自分の言葉で話す苗さん。


私はジッと苗さんの顔を見上げたまま。







「私には娘が一人います、15歳です。」


「はい」







「だから私は、

 あなたのご両親の気持ちが、よく分かります。」







急に


鼻の奥が熱くなって。





私は苗さんの顔から、

前方の景色へと視線を移しました。






「・・・はい」









「ご両親は、あなたの事がとても心配です」




「・・・はい」








黄色い光景は、段々ぼやけてきました。








「だから私は、あなたのご両親の代わりに

 できる事をしたいと思いました」







「・・・・・・・」








次の相槌は、なかなか打てませんでした。








涙は静かに、頬を伝い始めていました。








「・・・是嘛(そうですか)」







やっとの事で言葉が出たら、

声が震えてしまいました。








・・・しまった








苗さんが、フッと振り返ったので、私は





「すみません…恥ずかしい」





慌てて下を向き。


カバンの中から、

ハンカチを取り出して涙を拭き、鼻を押さえました。








苗さんは、何も言わずに私を見ていました。







その目はとても、素朴で優しかったです。








つづく。








*このお話しは、1995年上海での出来事です。






バナー  ←苗さんの優しさに。





扉ページ「ホーム」をクリック【今日の 小日記 (何それ、と言わないで^^;)】やってます。
私の日常の小ネタをチョコチョコ載せてます。そちらも是非!





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008/07/14 12:30:31 PM
コメント(16) | コメントを書く
[上海留学時代] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X