苗(びょう)さんが寮に勉強しに来た頃の様子。
もう嬉しそうに来てましたよ・・・
「おおっ!大変女の子らしい、いい部屋です。」とか言いながら。
入る時に私が「苗さん、そこで靴を脱いで下さいっ!」と止めて。
「おおっ!ここで靴を脱ぎますね(驚)」
あたふたと靴を脱ぐ。
(中国の人は基本、靴を脱がない。最近は土禁の家も増えましたが)
そして私がお茶を淹れて苗さんに出し、苗さんが
「先生と勉強できて、とても嬉しいですね。有難うございます」
嬉しそうに言って、とても礼儀正しかったです。
勉強は大体、苗さんが教科書で分からない所を質問して
私が回答する問答形式でした。
そして私も中国に関する事を尋ねて苗さんが答えてくれる形。
他には苗さんがガイドブック持って来て
杭州やその他、紹介してくれたり。
私は日本のファッション雑誌を見せて
「今は日本では、こういうのが流行です」と紹介したり。
苗さんは内容もさる事ながら、印刷工場勤務だったので
「おおっ!(驚)やはり日本の印刷技術は素晴らしい!!」と
紙質や色合いに感心していました。
何冊かプレゼントしました。
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体調が良くなかったので健康に関する話題も多く出ました。
消化が悪い、疲れる・・・相談すると必ず「草薬(漢方)」が出てきました。
苗さんの基本はやはり「中医(中国医学)」のようでした。
面白かったのは、血圧の話題の時。
ひどい頭痛があったので、相談したのです。
私 「苗さん。私いつも頭が痛いです。血圧が低いのが
原因かもしれません。何か良い方法はありませんか?」
苗 「血圧が低いですか(驚)私もそうでした!」
私 「どのくらい?私は高いのが90で、低いのが50くらいです」
苗 「私は30でした!」
私 「30!!??(驚)それは・・・低い方ですよね??(汗)」
苗 「いいえ、高い方です!!」
私 「それは、低すぎますね・・・(・・;」
苗 「そうです!フラフラして大変でした!!」
危篤じゃないの・・・??
ちょっと信じられなかったので、スルーしました(汗)
私 「何か治す方法はありませんか?」
苗 「あります!私は治りました!」
私 「本当ですか!教えて下さい!!(嬉)」
苗 「分かりました!」
さすが中国人。
きっと中国ならではの治療法が・・・
私はとても期待しました。
苗さんは、おもむろに胡坐(あぐら)をかいて目をつぶり。
両手のひらを上に向けて、ゆっくり持ち上げ。。
苗 「血圧上がれ~ ┐( ̄0 ̄)┌ 」
そして手を下ろし、パチッと目を開けました。
私 「・・・それで(・・;」
苗 「これだけです(真面目)」
私 「えええ~~~???(疑)」
胡坐かいて、手を上に持ち上げただけやん・・・(大汗)
それでも苗さんが大真面目で
「本当です!本当です!」と言うので・・・
一緒にやってみる事にしました。
先ず、胡坐をかいて目をつぶり。
手のひらを上に向けて
私・苗 「血圧上がれ~ ┐( ̄0 ̄;┌ ┐( ̄0 ̄)┌」
唱えながら、繰り返し手のひらを肩の高さ以上に持ち上げる。
(気持ちを入れながら唱えるそうです)
これを1日20分くらいやると、効果があるそう。
気功の治療法だという事でした・・・
私 「苗さん、いくらなんでもこれは・・・(疲)」
私があまりにも信じなかったので、苗さんは翌週に本を持ってきました。
確かに書いてありました(!)ので
暫く一人で
私 「血圧上がれ~ ┐( ̄0 ̄;┌ 」
真面目に1日20分やってましたが、
その内、何だかアホらしくなって止めてしまいました^^;
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苗さんは中国医学一押しで、それは新鮮に感じました。
他にも他の中国人からを含めて教わった生活常識の違い、は面白かったです。
1) 傷のある時に醤油を使った料理を食べると、傷跡が残る。
2) 生ものを食べると体毛が濃くなる。
(なので刺身好きな日本人は毛深いらしい)
3) 衣類の色落ちを防ぐには洗濯水に「塩」を入れる。日本は「酢」ですね。
同じアルカリ性だから理屈的には合ってますよね?
■ (1)(2)は、ちょっと迷信くさい気がしますが・・・
4) 風邪引いた時に背中を「刮■(クアシャー)」する。
*■は、病だれの中に「沙」です。
「刮■(クアシャー)」とは中国医学に基づく民間療法で
牛の角や玉(ぎょく)、茶碗等道具を用いてガーガー関連部位を擦り、
毒素を抜いて血行を良くする方法とか。
家でやってるみたいでした。
話に聞くだけでも痛そうでした!(私は怖くてやった事ないです)
抜缶も同じ理屈ですね。
5) 軽い頭痛の時は、手のひらのどこか(忘れた)をツボ押しする。
(これは確かに効果ありました)
■ (4)(5)は中医の奥深さを感じました。
こういう普段見えにくい違いを知るのは、とても楽しかったです。
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焼き芋の話。
私 「私、中国のサツマイモ大好きです!甘くて美味しいです」
苗 「サツマイモ・・・?」
私 「え~っと、よく道で売っています。大きな缶の中で焼いて」
苗 「??」
私 「えーと(辞書を引く)甘薯、白薯って書いてます」
苗 「・・・あ~!それは「紅薯(ホンシュー)」と言います」
私 「ホンシュー(紅薯)・・・へぇ~」
苗 「先生はホンシューが好きですね!分かりました!(喜)」
その次から苗さんは、
必ず焼き芋を手土産に持って来るようになりました。
内心・・・
またイモかっ(汗)
と思っていました^^;
つづく。
この話は1994-1996年の上海での体験談を書いています。
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苗さんの性格が、何となく伝わりましたでしょうか?
医療はね、やはり独自のものを感じましたね。江蘇でも薬は「草薬(漢方)」
が常識でした。西洋薬は体に良くないらしい。
サツマイモを「紅薯」と教えてもらいましたけど台湾の人や他所の地方の人は
「地瓜」と言っていたり、単語は地域で言い方が違う事が多々あります。
次回は苗さんの家を訪問した時の話です。
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