檳榔西施事情
檳榔西施については色んな論議や意見をネット上に見る事ができますがその就業形態や待遇、また彼女らの個人的背景を詳細に述べたものは少なかったです。そんな中、南華大学の応用社会学科の学生が2002年に台湾中南部で調査した研究結果(全て中文)を見つけたので参考にさせてもらいます。少し古いですが。* * * * * * * * * * * * * * * *研究対象・・・台湾中南部の檳榔西施、17名。【年齢】16~25歳。内、18歳が最も多い。理由は恐らく、18歳未満は昼間しか仕事ができない規定があるから、との事。既婚者、子持ちもいる。【学歴】高卒6名、中卒3名、小卒1名。中学、高校中退者6名。【檳榔西施になった理由】各人それぞれの理由があるが共通点は、年齢や学歴で職業選択に制限があり、待遇の良い仕事に就けない事。その中で檳榔西施は仕事も楽で比較的高い給与を得られる。【給与】固定給と歩合制がある。固定給は1万5千NT~2万5千NT/月の給与(店の方針や経験により上下ありか?)。店主が出資し、檳榔西施が販売を受け持ち収入は半々という場合も。*2007年、大卒の平均初任給は約28,000NT(約9万円)、平均給与は44,279NT(約13万5千円)…バストイレ共用の住居であれば月の生活費は1万NT(約3万円)で暮らせるそう。【服装】制服として店が提供する場合もあるし、檳榔西施が自分で用意する場合もある。肌の露出が業績に大きく関わるので店主の要求のみならず檳榔西施も自主的に過激な服装を選ぶ事が多い。【仕事内容】檳榔の加工、及び販売。(販売のみも多い)【身近な人が知っているか】両親に絶対に告げない、告げても恥になる事はしないと説得、告げて家族が慣れるのを待つ、の3パターン。彼氏や旦那には大抵話すそう。【いつまで続けるのか】年齢的な事から長く続けられるとは思っていない。自分で檳榔店を興す資金集めや、大学進学費用に当てたり、将来的にオフィス仕事に就けるまでのつなぎと考える等。いずれにしろ、次のステップへのつなぎと考えている。他に17名個別のインタビューもあり、全部読んでみたのですが。大陸でよく聞く家族への仕送りや借金の返済の為、という理由はなく。(そういう人もいるかもしれませんが)両親の経済的状況も良くはないが生活に困るほどでもなく。独身者は経済的自立の為、既婚者は自分の家族の生活費の為、と。成績が悪く勉強が嫌いなので学校を中退したり進学しなかったり。それ故、条件の悪い仕事しかなかったので始めたのが動機。どれも水商売の接客仕事より気楽で、学歴の割りに高収入を得られるから、との事でした。この仕事が気楽で結構好きだ、プライドを持ってやっている、という意見も。* * * * * * * * * * * * * * * *思ったんですけど、台湾はある程度成熟した地域。高学歴化は進んでいて、競争社会から振り落とされた女の子達。家でも落ちこぼれ扱いでよくは思われず、良い仕事にも就けない。そんな中「若い」「綺麗」「露出」があれば良い職業が「檳榔西施」。■人々の視線を浴びる→存在意義を感じられる。■露出が高くなれば売り上げが上がる→成果を感じる面白さ。■一種のコスプレ?→普段の自分ではない「檳榔西施」というキャラクターへの「変身」気分が、彼女達がためらわずに過激化できる一因では?■元々の文化…台湾には気質や文化的に(結婚式や葬式でのストリップがある)元々受け入れやすい土壌がある程度あるのでは??職業選択肢の制限部分では、何だか…日本に似た閉塞感すら感じてしまいました。(勝手に感じただけです)救いは、開放的に明るくやっている所でしょうか。社会的に議論されている部分では、臍(へそ)出しはダメだの、胸を露出するな、など禁止事項も出ましたが、服装は「個人の自由」の声に何度か内容が変わっています。そして女性を人ではなく「モノ(観賞対象)」としてしか扱っていない風潮は如何か?という意見もありました。下の写真は最も過激な「檳榔西施」の画像ですが、発見した時に大笑いしてしまった私も、今は複雑な思いです。ま、当人達はそんなに深く考えていないのでしょうけど・・・ →スタイルいいな、この人。この衣装↓はビキニの枠だけ(若しくは枠以外透明?)、です。こちら↓が「行くとこまで行っちゃった」 ←マッパ(まっぱだか)です。・・・ふう。これで、マギーさんと見に行った「檳榔西施」について、締めにしたいと思います。マギーさん・・・(~~; 何考えてんねん。【追記訂正】08年8月5日に、CPKOさんから下記コメント頂きました。最後の全裸の女性に関しては、私の早合点です。申し訳ありません。=========この全裸の女性は西施ではなく、kiko wuというアメリカ在住のポルノ女優で、左奥でびっくりしているのが本物の西施です。この女優は何年か前にこういう撮影をするために台湾を訪れ、ちょっとした社会問題を引き起こした挙げ句国外退去処分になりました。詳しくは以下をご覧下さい。http://en.wikipedia.org/wiki/Kiko_Wu #画像は1枚も無いのでご安心を。私も今年の3月に台北~新竹を周り、西施についていろいろと取材してきたのですが、規制がいろいろと厳しくなって来た時期とkiko wu女史が台湾で大暴れした時期はほぼ同時期のようです。彼女が引き起こした事件が直接の原因であるというソースはどこにもありませんが、何らかの関係性はあっても不思議ではないかなと思いました。(2008/08/05 07:13:44 PM)===============CPKOさん、御指摘本当に有難うございました!そして皆さん、すみませんでした。申し訳ないです^^;;;これから早合点しないよう慎重に調べたいと思います。。【08年8月7日AM0:06】つづく。 ↑よろしければ上記バナー3つ、クリックしてやって下さい…こんなかじった程度で私個人の意見まで書いてしまいましたが、あまり気にしないで下さい。この時点の認識での感想ですので。さて、これで台南とはお別れです。次回は台南高鉄駅まで、タクシーの運転手さんとお話しです。扉ページ←「ホーム」をクリック!で【今日の 小日記 (何それ、と言わないで^^;)】やってます。私の日常の小ネタをチョコチョコ載せてます。そちらも是非!