朝
毎朝、電車のホームで見かける人だが、髪型が気になる。
大まかな概要は、ノック（てっぺんがハゲ、周りを囲むように毛が残っている）の様子を呈しているが、残っている毛がわりとロングである。
さらに、その毛にも勢いがないというか、必死の思いで頭皮とつながっているというか…何だかひな鳥の産毛のようである。
そのフワフワと漂うようにウェービーな髪が（髪質はバサバサ）肩のちょい上まで伸びている。
変にその産毛風なセミロングヘアに、「残った髪への執着心」が感じられ、「盛者必衰の理をアラワス…」なんて、人生の悲哀まで映し出すようだ。

夕方
これも帰りの電車を降りたホームで。
カーテンみたいな生地のワンピースを着ているおばさんを見た。
一面ピンクの柄々模様で包まれていたが、どう考えても洋服の生地にしては、分厚すぎる。
スキンヘッドに黒いベルベットのベレー帽、足元はブーツでコーディネイトされていた。
ピンクのスーツを独自のセンスで着こなす「い～わき～」（←ドカベン風に）議員を彷彿とさせた。

夜
友達とご飯を食べた後、帰りの電車で。
べろんべろんに酔っている、おっさん（50歳強）二人。
以下、便宜上、彼らを「おっさんＡ、Ｂ」とする。
Ａ：「電車の中でも、飲んだらあかんね～」
Ｂ：「お酒飲んでるの～？」
Ａ：「お酒じゃないよ～」

どうやらＡが手にしているのは、缶紅茶（温）である。
Ａ「これ、おいしいから飲んでみ～」
Ｂ「え～、ほんまに～……あ、おいしいわ～」

――このように字ズラにして見てみると、まるで女子高生のそれである。
念のため確認させて頂くが、おっさん（50歳強）二人組の会話だ。
何だかクネクネしながら言っていたので、気持ち悪さ倍増だったな～。
　←ラブラブの人は、このカップで紅茶飲んでね♪