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我が家の愛犬の散歩コースに、ホームレスのおじさんが住んでいる場所がある。
なぜか父はこの人と仲良しで、よく雑談などをしているらしい。 先日突然転がり込んできて、一冬を同じテントで過ごし面倒を見てあげた別のホームレスに現金を持ち逃げされるという、何ともキモチのやり場のない事件に遭った彼であるが、心の友として数匹のネコを飼っている。 しかしこのネコたちが、なかなか侮れない存在で、とてもじゃないが『野良猫』とは思えない。 野良特有のコソコソした警戒心の塊みたいな風情は漂わせておらず、かといって飼いネコのように可愛く媚びるような様子もない。 多少のことには動じない。 道の真ん中に、ドッシリと肝の座った様子で薄目を開けて箱座りしているところなど、完全に堅気ではない。 うちの犬(柴犬)程度のチンピラが近寄っても動かないし、誤って吠えたりでもしようもんなら、これ以上ない迫力でギロリと睨まれたりする。 うちの子だって、近所では勝気でお転婆娘と評判だが、所詮彼らとは、器が違うというものだ。 しかし、ここに一枚上手の奴がいた。 カラスだ。 このカラスは元気がなかったらしく、他のカラスからつつかれたりして虐められていたらしい。 カラスの世界にも弱いものイジメは存在するのか、もしくは共食い…。と気分を暗くしていたのだが、このカラスめちゃめちゃ頭がよかった。 なんと、このヤクザネコ軍団にかくまってもらったのだ! ネコたちは、いわゆる『堅気の皆さんには手だししませんぜ』みたいな気概あふれる奴らばかりなので、傷ついたカラス一羽が自分たちの近くにうずくまっていても気にしない。 逆にそいつを虐めようと騒がしくなったときには 『お前さんら弱いもんイジメはよくねぇな』とか 『ちょっと騒がしいねぇ』とか言ったとか言わないとか…とにかくうるさいカラスを追っ払っていたのだ。 おかげで傷ついたカラスは、ネコ軍団に守られ、ネコ軍団のご飯を食べ、すっかり元気になって飛び立って行ったらしい。 ここのカラスも根性入ってて、時折仔猫を襲ったりしているとのこと。 いつか、このカラスが軍団の仔猫を守るような場面に遭遇しないかと、少しだけ期待している。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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