驚愕する遅刻の理由 ~会社編~
前回、「思わず許してしまう遅刻の言い訳」を紹介したが、今回は「驚愕の遅刻の言い訳」をご紹介したいと思う。以前勤めていた会社の人だ。背が高く、ペラペラの薄い身体に、目がギョロリとした、濃い~顔立ちの男の人だった。簡潔に表現すると、ヒョロリとしたインドネシア人といったところか。その人は、総務で経理を担当していたので、営業部にいた私とは、ほとんど接点がなかった。中途採用で転職してきた人だったが、彼が入社して1週間も経たない頃だっただろうか…。いきなり無断遅刻してきた。総務の同僚が「今度変わってきた人、いきなり無断で遅刻やで」と、早速チクリにきてくれたが、人の入れ替わりの激しい会社だったので「じゃ~、すぐ辞めちゃうかもね」と冷たい感想しか抱かなかった。◆翌日◆また同僚がチクリに来てくれた。「昨日の遅刻の理由何やったと思う?」「体調不良じゃないの?」「金縛りにあって動けんかってんて」寝坊を体調不良や通院と偽る例はいくらもあるが(というか、それが大人の常識)金縛りとは、新しすぎた。朝礼(部署ごとに行われていた)で、いきなり挙手し「昨日はすいませんでした。遅刻の理由ですが…」と、いきなり金縛りにあった過程を語りだしたらしい。もちろん、総務一同「呆然」だったらしいけど。 ←金縛りの正体が知りたい人はクリック♪後に、彼はバンド活動をしていることも発覚した。(決して民族舞踊ではない)CDも制作していたらしく、オリジナルCDが社内に流出したこともある。歌詞カードに至っては、秘密の回覧経路を通じて、営業部まで回ってきた。どんな事が書いてあったかは忘れてしまったが、愛だの恋だの、人生だの…がドラマチックに書かれていたような気がする。普段は、全く地味で(顔は派手だが)経費の書類なんかを持っていっても、必要最小限の会話しかしてくれなかった彼だが、実は奥の深い「するめ人間」(噛めば噛むほど味が出る)だったのだろう。今となっては、もっと接触しておけばよかった…と後悔している逸材の1人である。