■商品名:フィリップ・リヴェラ ブルゴーニュ・ルージュ [2008]750ml
■レビュアー:姉男
■レビュー内容
昼間は暑くても、朝晩涼しい北海道。
こんな時はやっぱりブルゴーニュの赤だな~。
とチョイスしたコチラ。
生産者は「フィリップ・リヴェラ」。
全く知らない生産者さんながら、ショップの説明によると、
このドメーヌは1930年創業し、1976年にフィリップ・リヴェラが継承。
伝統的な長熟型ワインを造っていたものの、2005年に息子に代替わりをし、別次元のワインに生まれ変わらせたそうな。
ここ数年、ブルゴーニュでも世代交代の時期に入っているらしく、
「代わってからすごく良くなった」、あるいはその逆も結構あって、面白いんですよね。
このブルゴーニュは、ジュヴレ・シャンベルタン村内のACブルゴーニュ区画からのもの。
平均樹齢40年のVV(ヴィエイユ・ヴィーニュ→古木)。
16ヶ月の樽熟成。
ワクワクの初お手合わせ
色は、濃いガーネット(グラスの底は見える程度)。輝きあり。粘性は中の上。
香りは、抜栓直後、ボトルからふんわり香る果実香。
ブラックベリー、ブラックチェリー、コケもも、黒コショウ、ピンクペッパー、クローヴ、カルダモンなどのスパイス。黒い土、森の下草、鉄、ジビエ。少し経つと、ブーゲンビリアなどの赤系の花の香りがどんどん膨らむ。
重心の低い、ACブルゴーニュにしてはどっしりした印象。
果実香よりも、花とスパイス、ミネラル、旨み系の香りがとっても心地良いもの。
ブルゴーニュグラスに変えてあげると、顕著に花と土の香りが倍以上に増幅。
味は、熟しかけた白桃やチェリーなどのベリー系の爽やかさある果実味。
「濃く甘い」という派手さはないけれど、「薄い」ということもなく、中庸で魅力的。
タンニンは細やかでザラツキなく、柔らかめ。
酸は太めで、しなやか。アフターにチーズを食べた後のような旨味を連れてきてくれるもの。
酸とミネラルが秀逸。ドライで余韻は長め。
冷んやりした、暮れかけの深い森の中のような印象。
ACブルゴーニュなのに、きちんとジュヴレ・シャンベルタン村の特性をまとめあげていて、実直な造りが伝わってくるような味わい。
特に、難しい2008年のヴィンテージ特徴(※1)までしっかりと表現しているのは、素晴らしい。
どこか暗さを秘めていて、寡黙で力強く、実直で内向き。
高倉健の若いころみたいなワイン。
R.パーカーばりの分かりやすい美味しさが好きな方よりも、芯のしっかりしたジワジワ旨み系がお好きな方におススメします。
「自分、不器用ですから」
ホントに、これから凄いことになりそうな生産者さん。
上のクラスもぜひ飲んでみたくなりました。
※1 2008年のヴィンテージ特徴~2008年は難しい年。
6月下旬~8月雨が多く、日射量も少なくて気温も上がらず。9月中旬から北風が吹いて、天気の良い日が続き収穫。清涼な気候だったそう。
誰が造っても美味しいワインができるようなグレートヴィンテージではないからこそ、生産者さんの技量が問われる年です。
そんなヴィンテージのワインは、果実味は抑え気味。緻密な口当たりで、余韻に酸味を感じることができるもの。ミネラルが素晴らしかった2001年あたりと似ているようです。
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