■商品名:ドメーヌ・ローラン ブルゴーニュ・プルミエ・キュヴェ [2008]750ml(赤)
■レビュアー:姉男
■レビュー内容
調子に乗りやすい姉男。
昨日のワインが美味しかったものだから、
2008年ヴィンテージお伺いのために、またブルゴーニュの赤。
造り手は「ドメーヌ・ローラン」。
ここはブルゴーニュでは既に有名となっている元洋菓子職人のネゴシアン(※1)、ドミニク・ローラン(※2)が息子のジャンとともに興したドメーヌ(※3)。
●太っちょドミニク
ブルゴーニュ地方のコート・ド・ニュイ地区にあるニュイ・サン・ジョルジュ村とジュヴレ・シャンベルタン村の所有畑から各50%ずつのブレンド。
樹齢は8~40年の混合。
ドメーヌ・ローランはリリースしたての2006年を飲んだっきりだから、
今回、3~4年ぶりくらい。
「今開けるのはちょっと早いかな」と思いつつも、
ジュヴレ・シャンベルタン村の2008年ヴィンテージのブドウを使用しているということで、
昨日飲んだ、同じジュヴレ・シャンベルタン村のブドウを使ったブル(フィリップ・リヴェラ)と比べたくて
お手合わせ。
色は、少しオレンジ系のニュアンスのある、ホワリとした濃いルビー。
エッジから少しグラデーションあり。透明感あり、粘性は中。
香りは、ラズベリージャム、ブラックチェリー、丁子、シナモン、山椒のニュアンスのあるスパイス、森の下草、黒い土、タバコ。
鼻を刺激するスパイスをまとった甘い果実香中心。
ドミニク・ローランらしい分かりやすい印象。
ブルゴーニュグラスに移すと、香りがまとまって、ふんわり華やかで深み出る。
味わいは、ドミニク・ローランの昔のポテッと入ってくるような印象とは違う、スルスルとした口当たり。ドライでミディアム。
香りよりも熟し過ぎなていない赤ベリー系の果実味のすぐ後を、辛味を伴った少しざらつくようなタンニンが追いかけてくる。
ただタンニンは、肉が欲しくくなるくらい乾き気味で多少ざらつくものの、堅いということはなく、しなやかさはあり。
甘渋辛(焦げた焼栗の殻のような風味)と、一体感なく時間差でやってくるイメージ。
柔らかな甘さがある割に酸は豊富で、旨味が詰まっていず、
何となく空洞感がある印象だが、ブルゴーニュグラスに移すと、こじんまりまとまる。
アフターは軽く梅の風味とほの青さ。
抜栓3時間、香りは多少深くなったものの、味わいの深さはあまり変わらず、旨薄とはちょっと違う軽やかさ。
2日目もあまり変わらず、
食事と合わせて美味しいレストラン向きタイプかな。
実際、白老牛の絹挽き仕様のハンバーグと合わせてみると、
ケチャップを練り込んだ肉の甘さがワインの果実味、酸味とピッタリ
R.パーカーはこのワインに、ACブルとしては珍しく90点をつけているというけれど、
今の段階ではまだ、香りと味わいのギャップがあり、味の一体感が少しゆるい印象。
2008年ヴィンテージ、樹齢が若いものも混合ということもありそうだけれど、
久しぶりに飲んだら、
以前の濃いめの印象とはずいぶん違って軽やかで、ちょっと驚き
変革しているんですね~
とはいえ、香りはいつも通り華やかです。
...とはいえ、姉男の幸せ感、2008年ヴィンテージ並みに薄っ?
※1ネゴシアン~基本的に、自社のぶどう園は持たず、ブドウや果汁、樽詰めワインなどの形で生産者から仕入れたものを、自社で醸造または貯蔵・熟成させ、それらをブレンド・瓶詰めして自社ブランドのラベルを貼って販売するワイン商。
※2ドミニク・ローラン~フランス・ブルゴーニュにある、ニュイ・サン・ジョルジュ村が本拠地のネゴシアン。
ネゴシアンとしてはブルゴーニュでもトップクラス。
生産者から買い取るワインへのこだわりは、「古いブドウの木(ドミニク・ローランの基準は50年以上)、手摘み収穫」など厳しく、代名詞ともなった「新樽200%(2回も新樽に入れて熟成させるもの)」や自作の樽(樽製造会社所有)、ノンフィルターなど近代的な技術に頼らない自然で伝統的な醸造法にもこだわる。
ただし現在は新樽比率200%ではなく、樽の材質にこだわり、旧樽も使用。
ちなみに「ドメーヌ・ローラン」では、樹齢の高いブドウの樹を有機栽培、基本的に除梗せず全房発酵。樽での熟成もネゴシアンのものに比べると約半分の10~12ヶ月と短め。
※3ドメーヌ~生産者が自らブドウを栽培し、ワインを造る、ワインの醸造所のこと。
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