天使の小部屋

「オーストラリアはあんまり雨が降らないんですよ。」
バスの運転手さんは言った。

確かに私達の滞在中でも雨が降っていたのは
弟の結婚式の日だけだった。

また運転手さんはこうも言った。
「風が吹くと天気が変わるんです。」

教会へ続く道のりを
柔らかな雨が降る中バスは走る。
花嫁さんの日頃の行いがよかったのか
その間に風で雲は流れ
少しの晴れ間が見えてきた。

教会に着く頃にはすっかり雨はやみ
芝生はしっとりと雨を含んでいたが
外を歩く分には申し分なく
新しい門出を迎える二人を祝福していた

挙式の最中
花嫁さんが手をお腹にあてて
まるで赤ちゃんに誓約を聞かせるかのような
しぐさが印象的だった。





式といえば特に花嫁の父も泣くわけでもなく
ごく普通に滞りなく行われた。

海外ので挙式
どんなもんかなー
と思っていたが
外国人の神父さんがカンペを持ち
（聖書とかじゃないのよっ！
コピーの紙束＠ホチキス止めなのーっ）
そばに控えるワタベウェディングの人が
淡々と翻訳をしていく。。。。


泣けねー


・・・・と思っていたのに
二人がチャペルで写真撮影を
はじめたあたりから
涙が出てきた・・・・


よく私の後ろをついていたあの弟が
こんなに立派になって・・・


花婿の姉というのは
みんなこんな心境になるのだろうか？

花嫁の父でさえ泣いてないというのにっ！？


ぽろぽろぽろぽろ・・・・


よく後ろをついて回る弟がうっとうしくて
「ついてこないで！目をつぶってここで１００数えなさい」
と言ったまま走り隠れて様子を見ていた頃を思い出す。



ああ、子供の頃いじめてごめんよーっ
後悔でいっぱいの私は心の中で懺悔したのだった



あれですね、さすが海外というか
写真やビデオ撮影の為
やたらカメラマン二人にキッスをさせたがります。
親族が見ている中あれは恥ずかしいなー
ちょっと見たことない弟の別の一面が見れて面白かったけど。


明日弟の結婚披露宴があります。
披露宴の際にはオーストラリアでの
挙式のビデオを流すそう。
挙式後にも撮影の為に色々な所に行っていたみたいなので
どんなビデオが流れるのか楽しみです。



仲良く二人で歩く姿はほほえましかったよ