【愛犬の疑問一問一答】　ペットの健康美肌研究家 渡部ナミのブログ

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少し前のニュースですが・・・
「イヌが首つり自殺？　飼い主を書類送検」

これ、今のペット業界のいろんな問題を総括したような事件だと思います。


まずは、法整備の遅れと、行政・警察の対応の鈍さ。

明らかに飼い主の管理不行き届きなのに、動物愛護法では明確な虐待じゃないから裁けない・・・
（狂犬病予防法での書類送検は、よくある別件逮捕みたいなモンですね）

これが、犬が死んだのではなく、ベランダを乗り越え隣の家に侵入し人に怪我をさせた、というような場合だと、「ベランダを乗り越えられる大型犬をベランダに容易に出られるドアノブにつないで放置するのは飼い主の管理不行き届きで、飼い主に賠償責任がある」となりますよ。
動物愛護法にも「適正飼育をしなければならない」という内容はありますが、どこまでが飼育でどこまでが虐待か、明確に区別できないですよね。
（エサを規則正しくあげるだけで”かわいがっている”とはいえないと思いますが…）

司法や行政が後手後手にまわるのは、その性格上、仕方ないことではあるし（だから私は法律の世界にすすまなかったワケです）、動物愛護法は、当初の予定通りちゃんと5年ごとに見直して、そのたび規制が強まっているのは分かっていますが・・・

どんな事件でもそうですが、もう少し事前に指導とかパトロールとかがフレキシブルにできないものかなぁと思います。

そう思っても、行政や司法はなかなか動かないので、昨日も書きましたが、自由に動ける民間人が「できる範囲で」社会に貢献していけば良いんでしょうね。


それから、記事の最後のほうに

　　　当初はペットショップで売れ残っていたこの犬を
　　「このままでは保健所に連れて行かれてしまう」と、
　　格安で買い取ったという女性は「仕事が忙しくて
　　なかなか面倒をみられず、散歩にもいけなかった」
　　と話しているという。

こういうのを見聞きすると「はぁぁぁ～」と大きな溜息をついてしまいます。

こういうのがあるから、ショップでの子犬子猫（生体）の展示販売はリスクが大きすぎるんですよね。

大体、純血種の繁殖・販売を誠実にやろうと思ったら儲けなんて出るハズがないんです・・・・って、これを書き始めると終わらなくなるので（苦笑）、今日はこれだけにしておきます。

でも、ご存知ない方は、ことのことは覚えておいてください。
「その犬種・猫種の基準に沿い、遺伝性疾患がなく、肉体も精神も健康な純血種を生み出し、誠実に新しい飼い主に届けることは、どんなにうまくやっても利益は出ません。繁殖・販売(ペットショップでの通常価格での)で利益が出るということは、なにかを軽視した（命だったり健康だったり）“それなり”の商売なんだ」
ということを。


犯人（といわせていただきます）の女性のキモチは分かります。
ペットショップで売れ残った動物は、ほぼ処分ですから。

でも、人の愛情を知る前に保健所で二酸化炭素で数十秒で命を絶つのと、リードで首がしまって(私の勝手な想像ですが)飼い主のことを思いながら何分ももがいて死ぬのと、どっちがこの子にとって苦痛が少なかったでしょうね。

もし、私の昨日のブログを読んで、「保護活動をせずに啓発だけなんて、なんて甘チャンなんだ！」と思った方もいるかもしれません。

この記事の女性は忙しくて面倒が見られなかったそうですが、団体で保護活動をする場合、資金が尽きるというものすごいリスクがあります。
このリスクをクリアせずに保護してしまうと、広島ドッグパークのような大量飼育破綻になりかねません。

残念ながら私は資産家ではありませんし、利息を生み出す基金も持ち合わせていません。
（これから作っていく可能性はあると思いますが）
命ある存在に対して、無責任なことはできないんです。

だから、今、私にできること＝「捨てられる＆殺処分される犬猫を減らすこと」をできる範囲でやってます。


最新号のワイヤードマガジンで、小坂獣医師がおっしゃっているように、自分で責任が持てないなら「見捨てる」ことも愛情です。
あなたの手を借りなくても、その子たちは“その子たちの寿命”を全うします。
避妊・去勢ができないのに野良猫にエサをやるのは責任を放棄してるだけ。ある意味虐待です。
この女性がしてることと変わりません。
「かわいそう」という感情だけで動いてしまうと、悲劇を繰り返してしまうんです。


亡くなったバーニーズちゃんはかわいそうだけど、この子の死によって浮き彫りになった問題を解決することが、生きているものの勤めだと思います。
バーニーズちゃんのご冥福をお祈りします（涙）



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里親探しができるかどうか探っていた矢先に分かったことで、
里親に出すには検査・治療が必要になってきました。
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