東京タワー リリーフランキー
遅れながら、やっと話題の「東京タワー」を読みました。ずいぶん前に友達から、貸してもらってて、なぜか1ヶ月くらい読まないで置いてました。本を読むのも出会いやタイミングがあって、ブームに押されて読んでしまうものと気になりつつも、時間を経て、何かの意味を持って読まされるような『縁』があると思います。わたしにとってはこの本がそうです。リリーさんの自伝的な要素を持つ作品ですが、時代的にもわたしと共通したものがあるし家族のあり方も、すごく似ている。わたしの場合、父母は離婚こそしていませんが、いわゆる別居結婚です。うちは母子家庭ではないけど、小学生の頃、先生たちからそういう扱いを受けて悲しかった。だから父親を憎んだりしたこともありました。というか最近まで、自分がうまくいかないのを育ってきた環境にせいにしていたところがあります。普通と違う家庭環境だったから、自分はゆがんでるとこがあるんだ、なんて自分勝手に理由をつけてごまかしていたんですね。今はやっと、そんなことはないと気がついています。なんといっても血のつながった家族です。お互いの幸せを願わないはずがありません。そんな主人公の心の変化が、わたしにも共通している気がします。親は自分の欲はがまんして、子どものために尽くすことを何ともないようにすることができますね。それを当たり前のように受け止めてきた、今までの自分を恥ずかしく思いました。今、この本を手にとって読むようになったのは、「早くそれに気がつきなさい」という天からのメッセージだと思えました。大人になると、周りには敵がいっぱいです。仕事にでたら、なおさらそうです。でも、大丈夫。家族はどんなことがあっても、あなたの味方。あなたの泣き顔は見たくない。そう考えると、ちょっと楽になりませんか?オカンが亡くなるまでの病院でのやりとりは、涙が止まりませんでした。絶対に考えたくないけど、絶対に来る最愛の人との別れ。今、生きていることの幸せを考えてしまいます。今を大切にしますね。リリーさん、オカン、ありがとう。