梅木水晶の日常

私が実家にいた頃から、月に一度だけ、家族みんなで出掛ける日があるのですが、その日が、丁度私が帰省した日と重なったので、牛角に行って参りました。

小さい頃、焼肉と言えば、食べ放題の店にしか連れて行って貰えなかったので、その食べ放題のお店が潰れたお陰で(という言い方もちょっとおかしいですが)、食べ放題でない、石焼ビビンバのあるお店に行けるようになったのは嬉しいです。

しかし、金を払うのは父なので、けちんぼな父は、終始ぶつぶつ言っています。「何で、肉がこんなちょっとしかのってなくて、値段がこんなにすんだよ…」結局この日は、父があまりにぶつぶつ言い過ぎるので「もういいわよ、私が払うわよ」という事で、母が支払ったのですが…。父は最初からこうなることを目論んでいたのでしょうか。だったら父は卑怯者です。でも、うちの父はそこまで計算高くはありません。

終始ぶつぶつ言っていた父は、お会計が５桁になるのを恐れ、食べる量をセーブしておりました(焼肉屋の帰りに、寿司を買っていました。何か意味ねえ)。私と姉は「金払うのはうちらじゃないもんね～。ぎゃははは」てな感じで、次から次に運ばれてくる肉類を、ひたすら食べ続けておりました。肉の嫌いな母は、ひたすら肉を焼いては、私と姉の取り皿に肉を分配するのに徹しておりました。小さな子供二人は、料理についてくるデカレンジャーのカードさえ手に入れば出てきた料理はどうでもよいらしく、落ち着きなく過ごしておりました。

私は、彼らのおばさんらしく「お兄さんが熱い鉄鍋を持って歩いています。せわしなく動くんじゃない。あなたがお兄さんにぶつかり、お兄さんが火傷をしたら、治療費はこちら持ちになってしまうのだ。一生かかっても払い切れない治療費で、あなたの人生ぼろぼろ」と諭したら、姉の息子は静かになりました。こんなに小さくても、私の言ってる事はわかるのだなあ。凄い。

大人４人と、子供２人で牛角のテーブル１台は非常に狭く、終始「この皿、どこにのっけりゃいいんだよー」といった感じでした。そして、ぶつぶつ父ちゃんのせいで、姉も私も「何か、こうもぶつぶつ言われると、全然食べた気がしないよね!!むかつくよね!!」と言いながらも、父ちゃんのぶつぶつは無視して、むしろそれに反発すべく、どんどん頼んで食べまくりました。このように、我々は、楽しい時間を過ごす事が出来ました。みんなでああだこうだ言いながら御飯を食べるのはやっぱり楽しいなあ。

結局、お会計は、大人４人と子供２人で、9500円でした。安い!!父のスーパーセーブと、母の、焼きに徹した結果と思われます。それでも父は「回転寿司の方が安かったんじゃねえか？」とぶつぶつ言っておりました。いや、そんな事はないんじゃないの？どうやら父は、姉や私が「あれと、これと」と次々ものを頼むので「今、いったい会計はいくらぐらいになってるんだよ?!」というのがわからないのでイライラしていた模様です。回転寿司だと、今、自分が食べているのはいくらぶん、というのがわかるので安心する模様です。

けちんぼうな父の話でした。こんな父と30年弱も一緒にいる母は偉いなあ。

それでは皆様、今日も元気にお過ごし下さい。