梅木水晶の日常

男と暮らしていた頃は、
毎日の仕事の忙しさから、
勤務中に休憩をとれない事も度々あり、
尚且つ、男が豆腐ダイエットというものをしていた事もあり、
私は食べられるものが制限されていました。

私、もとい男が食べてもいいとしていた食べ物は、
豆腐・もやし・納豆でした。

そんな食生活でしたので、当時の私の体重は、
45～48kg台をうろうろしていました。
ちなみに私の身長は163cmです。

一日中家の中にいて、
運動も散歩もしないでコタツに入って、
ゲームしてるか、テレビ観てるか、パソコン触ってるかしかしてないから、
太って当然の男がダイエットをしていて、
なぜ私までも食べるものを制限されなければいけないんだという話ですが、
そこは男の理屈によると、
「僕と水タンは一緒に生きてるんでしょ！！
　ダイエットしてる僕の目の前で、
　水タンばっかり食べたいものを食べてたら、
　一緒にいる僕に悪いな、とかは思わないの?!
　一緒にいる人が、辛い思いで食べたいものを我慢してるんだから、
　一緒に頑張ろうとか思わないの?!
　それが僕に対する優しさじゃないの?!
　水タンには、優しさってもんがないの?!」 と言うのです。

それでも私は、毎日朝から晩まで働いてるのに、
食べてもいい物が、豆腐ともやしと納豆だけなんて堪らんと思い、
「それでも私は、朝から晩まで家の中にいる犬ちゃんとは違って、
　朝から晩まで動きっぱなしなんだ。
　忙しくて、休憩だってとれない事もあるんだよ。
　豆腐だけじゃ力が出ないよ!!」
と、半泣きになりながら男に怒りをぶつけたら、
「水タンのその怒り方、可愛い!!」
とだけ言われ、まともに取り合って貰えませんでした。

可愛くても可愛くなくてもどっちでもいいわいと思いながらも、
私が言葉に詰まり、静かに涙を流していると、
「わかった、わかったよ。ごめんね、水タン。
　でもね、豆腐には全ての栄養素が含まれてるから、
　栄養価的には全く問題ないんだよ。
　だから、一緒に頑張ろうね。
　他の人が、一緒に歩いている僕たちを見て、
　ああ、あの２人素敵だな、って思われるような、
　素敵なカップルになろうね。
　僕たちは、これからずっと一緒に生きてくんだから。」
と、全くわかっていない様子でした。

ただし、2人で外に出た時など、
男がラーメンを食べたいと思った時は、
ラーメンを食べてもよく、
男が甘いものを食べたいと思った時は、
甘いものを食べてもよく、
男がピザを食べたいと思った時は、
ピザを出前で頼んでもよいという、変なルールでした。

当然、会計は全て私もちです。

私が１人だけ、美味しいものを食べる、というのが駄目だったようです。

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