童話「アッシュさんの秘密 」
<頑張ったアッシュさんにこの童話を捧げましょう♪>アッシュさんのお庭には、とても不思議なものがあります。それは、木の上にエリザベスカラーが付いているのです。「なんでこんな所についているの?」みんなは、不思議がってアッシュさんに聞きました。それはね。エリザベスカラーの先に、見えるかな? 去年の春にキジバトの新米夫婦が巣を作ったんです。なぜ新米かというと、その場所は人の出入りも多いし、葉が茂ればなんとか隠れるけれど、2階からは丸見えだったのです。「おまけにこの辺りは、ノラ猫も、カラスもいるんだよ~ベテランさんなら、こんなところで子育てしないよ~~昇りやすい傾斜がついてるから、すぐにノラ猫が狙うよ~」新米夫婦は、しばらくして3つの卵を授かりました。それから新米夫婦は力を合わせて、一生懸命卵を温めました。ようやく、何とか可愛い3羽の雛が産まれました。そこで優しい「お子達守り隊」隊長アッシュさんの出番です。隊員は、アッシュさんが飼ってる飼い犬達ワンズと飼い猫達ニャンズでした。皆で一生懸命に考えて、以前、飼い犬の小麦隊員が使ったエリザベスカラーを猫返しとして木に着けてみました。思い通り、大成功!!それからも何度も訪れた台風の度に、アッシュ隊長と隊員達は枝を縛って揺れないようにしたり、夜中に見回りしたりと大活躍しました。そのお蔭で、巣の中で無事にお子達もすくすくと大きく育ちました。もう新米夫婦と変わらない位、大きく成りました。巣立ちももう直ぐかも知れません。ある夜、アッシュさんが寝てたら、窓の外からコツコツと言う音がしました。「ん~?もう朝なの~?」アッシュさんが目を擦りながら起きると、まだ早朝なのか薄くらがりでは有りませんか。「なんだ、まだ早いじゃない。」アッシュさんはちょっと損をした様な気に成って、また寝ようとしました。すると、また窓の方からコツコツと音がするのです。「どうしたのかしら?」アッシュさんが不思議に思って窓を見ました。いつもなら騒がしい筈のワンズもニャンズも静かなままです。「変だわ」そう思ったアッシュさんは、仕方なく窓の方へ身体を向け、起き上がりました。こうなったら原因を調べようと勇敢にもアッシュさんは思ったのです。と言うのも、アッシュさんは今、「お子達守り隊」隊長さんだったからです。何だか急に、心配に成ってしまったのです。窓をあげて見ますと・・・何とあのノンキなキジバトの新米夫婦がまだ若羽の子供達を連れているでは有りませんか?「どうしたの?」キジバトの新米夫婦達は一生懸命に頭を下げ下げします。どうも御礼を言ってる様でした。子供達まで親バトに付いて、一緒に頭を下げていました。何度も頭を下げて気がすんだのか、キジバトの新米家族達は飛び立っていってしまいました。後に残されたアッシュさんは、想像もしなかった出来事にびっくりしてしまいました。「なんだったの、あれ?夢を見てたのかしら?御礼を言いに来てくれたのかなぁ~?」思わず、ブツブツ呟いてしまいました。ふと気がつくと、アッシュさんの周りにはワンズとニャンズが来てくれていました。アッシュさんにはそれが「隊長。お疲れ様」と言って呉れてる様な気がして、とても嬉しかったのでした。「これで、やっとゆっくり眠れるわね!皆もご苦労様。」アッシュさんは隊員達を労いました。それから少し早い朝御飯を作って、皆で食べました。 (おしまい)この童話は(June 30, 2006 16:00:46)「アッシュのしっぽとシッポたち」のアッシュさんに捧げたものです。前半は、アッシュさんの日記とのコラボレーションに成ります。