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カテゴリ:CLASSIC
現在、角松さんはおいらの中で、ちょっとお休み中でして、またDVDの
発売頃に火が付くと思います・笑 今日は、久々にクラシックカテゴリーです。 ですが、クラシックと言うカテゴリーでは収まらないかもしれません。 と言うのは、本日ご紹介するギタリスト山下和仁さんは、おいらの中で 世界一のギタリストと思っているからです。 ちょっと大袈裟に聞こえるかも知れませんが、本人結構まじめです・笑 この世界一は、音楽業界のあらゆるギタリストの中でと言うことになります。 ですので、ジャンルも関係ありません、ジミヘンもベックもペイジもクラプトンも ヴァンヘイレンも、そしてフュージョン・ジャズ・フラメンコ・ボッサなど含めて、 ありとあらゆるギタリストの中でナンバーワンではないかと思ってます。 まあねえ、ジャンルが違うと、同じギターでも思いっきり違う部分もあるので 比較出来ないのはわかっている上での、いつものおいらの勝手な一存と 言うことで、受け流してください・爆 そして、今日は大変長い文章になりそうなので、2本に分ける事になると 思いますが、どうかゆっくりお付き合いください。 ----------------------------------------------- ちょっと話しをそらしますが、おいらが普段、大変好きで良くお邪魔して いるサイトの一つに<kaz-shin>さんが運営しておられる"MUSIC AVENU" というサイトがあります。角輪のみなさんの中にもご存知の方がいらっしゃる と思いますが、これまたわたくし、勝手にkaz-zhinさんの事を「音楽大王」と 心の中で命名させて頂いており、その音楽への造詣の深さや、知識の豊富さ、 そして何よりも、アーティストや音楽そのものへの愛情の大きさに感心しつつ ほぼ毎日の様に、繰り出されるそのエントリーを楽しく拝見しています。 おいらの様に、稚拙な文章ゆえに、実際の音源を紹介しないと成り立たない様な サイトとは大違いで、kazさんの様に、紡ぎ出す文章のみで、多くの読者を惹き付け るサイトというのはおいらの憧れでもあり、目標でもあったりします。 (追いつくなどと言うのは、どう逆立ちしても無理ですが・笑) お時間のある時にでも、ゆっくりご覧になられては如何でしょうか? 本当に、音楽評論家さんでもいけそうな方ですよん♪ で、ここの所、おいらのサイトでは角松さんはお休み中で、パンクやら15~16才 のアイドルやら、渋谷系とあちこち飛びまくってたので、どうせなら飛びついでに ジャンル違いのクラシックの山下さんをアップしようかと準備していたら、kazさんも ご自身のギター観をぶち壊し、ギターを上手く弾きこなしてやるという野望をもぶち壊しに してくれた(爆)、アル・ディメオラというギタリストを丁度、昨日ご紹介されてたんですね。 今回、おいらが山下さんを準備していたのと時期を同じくして、偶然にも衝撃を 受けたギタリストのご紹介をされていたと言う事、そして、その紹介されている一枚の アルバムが生涯忘れる事の出来ないアルバムと言う事で、こりゃ、アーティストこそ 違えど同じ様な事が誰にもあるなあと、僭越ながら急ぎ後追いでアップさせて頂こうと 思った次第です・笑 (kazさん、勝手にすいません) 儚い希望ですが、kazさんとおいらのエントリーでみなさんにも必ずあるであろう 「衝撃の一枚」や「衝撃の出会い」を思い出して頂ける、或いは教えて頂けると 嬉しいなと思っております。(あ、角松っつぁんは別ね・笑) -------------------------------------------------------------------- さて、山下和仁さんです。この天才ギタリストとの出会いは、おいらが14才の頃 ですから、今から約28年前と言うことになります。当時、おいらはクラシックギター を習い始めて6年目くらいの頃でした。これでも結構、頑張ってまして、有名な曲 「アルハンブラ宮殿の思い出」あたりが、ようやくちゃんと弾け始めた頃でしたかねえ。 その頃、オーケストラでティンパニもやってましたから、毎日クラシック漬けだった 時期です。フォークギターにも手を出し始めていたりして、そのうちエレキなんかも 買っちゃって、バンドなんか出来たら最高じゃあん!位に思ってた時期です。 あ、打楽器やってたからドラムもやりたかったなあ。 そんな時、ギター教室の先生、つまり、師匠から、「ちょっと、いついつ教室に集まれ」 みたいな号令が門下生に下ったんですね。そこで、教室の仲間5~6人がわらわらと 集まってきた所で、師匠が、「これから一枚のレコードをかけるから聞いてごらん」 とおっしゃるのです。その一枚のレコードというのがこれ↓ 【山下和仁/展覧会の絵】(ジャケットは改訂版) まず、ジャケット見て、帯見ての、みんなの反応は、「山下和仁」って誰さ?っつー感じ。 当時、日本人のクラシックギタリストと言うと、荘村清志さんか福田進一さんくらいしか 知らず、この世界では、神様と呼ばれていたアンドレス・セゴビア、「禁じられた遊び」の ナルシソ・イエペス、映画ディア・ハンターのテーマのジョン・ウィリアムス、それから ジュリアン・ブリーム、マヌエル・バルエコと言った大御所達だけが有名な世界でした。 これらの人達くらいしか、世に知られていなかったと言っても過言ではないかもしれません。 そんな中で、師匠に提示された「山下和仁」などと言う名前は、僕ら門下生には、「は?」 と言う以外にはなく、しかも「展覧会の絵?」 「何をご冗談を?」てな感じだった訳です。 それまで、展覧会の絵というと、セゴビアが編曲した「古城」のみギター界では知られた 程度で、全曲をギターで、なんつーのは悪い冗談と言うか、あり得ないでしょ?としか 思えないシロモノでした。もともと、ピアノ用に書かれたこの曲は、ラヴェルのその神業と も言える編曲のおかげで、オーケストラの一大定番曲へと変貌を遂げたのですが、 その音楽は、色彩の玉手箱と言っても良いくらいの華麗な、そしてオケの力量が問われる 難曲でもあります。 それを、あろうことかギター一本で・・・などと言うのは、夢のまた夢だった訳です。 そんな半信半疑の門下生の動揺を尻目に、師匠がレコードに針を落としてしまった その瞬間からの約35分間は、正に悪夢の様な時間でした・笑 レコードを聞き終えたおいら達、門下生はおろか、師匠までもが、無言。 数十秒間は、教室が正にお通夜の様な状態。 そして、誰かが「これ、ギターやる気無くすよね(苦笑)」が第一声。 それからは、あれはどうやって音出してる?どう弾いてる?の大討論会。 師匠すら、「どうやって弾いてるのか分からないところが何カ所もある」といった始末。 そりゃ、そうなんです。全くそれまでの常識が通用しない、まさに悪魔の様なテクニックを 駆使した演奏だったんです。このレコードが発表されてからの28年もの間、このギター版 展覧会の絵をレコーディングでもライブでも弾いたギタリストが居ると言う話しは聞いた事が ありません。世の中は広いので、そういう人がいたという事実がありましたら是非教えて 頂きたいのですが、恐らくほぼ98%の確率で、この曲は、山下さん以外には世界で誰一人 として弾く事が出来ないハズです。彼が生み出した多くの演奏法というのは、どうあがいても、 簡単にマスター出来るものではないと言う感じなのです。 説明しだせばキリが無いので今回は止めますが、一つだけ言いますと・・・。 本来クラシックギターは、エレキの様にピックやボトルネックといった道具は使わず、 人の手だけで演奏されます。弦を抑える左手は親指を除いた4本、弦を弾く方の右手も 親指、人差し指、中指、薬指の4本なのですが、山下さんはこの右手の4本に小指も プラスして演奏します。(結局、左手も親指使うので、全部で10本の指を使うのですが・・) この小指を使うと言うのが、まず当時の我々の発想にはなく、今も基本的にはありません。 そしてこの小指が悪魔なのですが(笑)、彼の生み出した演奏法で、小指のトレモロ(弦を 指で往復させて弾く)をしながら、残りの4本指でハーモニーを弾く、というテクニックが あるのです。 みなさんは右手の、例えば中指を前後にどの位の速さで動かせますか?笑 ちょっとやってみていただけます?それでは、どーぞ!! 爆 中指は、まあまあ速く動きますよね? ところが、それを薬指、小指と順番にやっていくと、小指が一番動きが鈍くありませんか? また小指を前後に早く動かそうとすると、薬指まで一緒になって動いたり・笑 これは人間の持っている機能性の問題で、大体の方が小指の運動能力が低いはずなのです。 訓練で、多少は変わるでしょうが、ちょっとやそっとの訓練では、一定のスピードを保ちながら 速く動かすのは至難の業ですよね。これを下手したら、他の指より速く動かすのが山下さん なのです。このテクニックは最後の映像でご案内しますが、とにもかくにもまず山下さんの 映像を見てみましょう。 現在はライブで演奏されることが、ほぼ無くなったこの「展覧会の絵」がYOU TUBEに 海外からの発信であがっているので、有名なオープニングのプロムナード~小人~プロムナード を見てみましょうか?彼の演奏しているDVDは、後にも先にも普通の曲をやってる1本しか流通 していないので、この映像は正に奇跡的です。何十年前の映像かわかりませんし、 6分ほどあるのに加え、音も映像もグダグダですが、見て損はないと思いますよ。 可能ならば、音量は大きめでどうぞ。 ♪♪♪展覧会の絵 Vol1 (:D)l ̄l_ その髪型はどうにかならんのかっ? と言ったツッコミは無しでお願いします。 っつーか、山下と名のつくアーティストは髪型に無頓着なのですな・笑 柔らかい音、硬い音、音量の大きさ、そして速さ・・・・ どうやったらこういう事になるんでしょうねえ・笑 とにかくテクニックが取り沙汰されがちの、山下さんですが、おいらが世界一と信じて 疑わないのは、テクニックだけでなく、その音楽に取り組む姿勢なのです。 クラシックギターの世界には大作と呼ばれる曲がほとんどありません。 ロドリーゴという作曲家兼ギタリストが書いた「アランフェス協奏曲」というのが唯一の 大作かも知れません。 いわゆるクラシック音楽の大家と言われる、バッハやベートーヴェン、モーツアルト、 チャイコフスキー、ドヴォルザーク、ブラームスなどにギターの曲がほぼ皆無なのが、 その表れです。 発売されているレコードに、これらの作曲者の曲もありますが、全てギター用に編曲された もので、大家のオリジナルギター曲は無いに等しい状況です。 小さなオーケストラと呼ばれる位、豊かな音色と表現力を持つギターなのに、こういった大家達が 曲を書かなかった理由は、ギターの持つ致命的な欠点のせいなのです。 では、Vol.2へ続きます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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