マナーとお婆ちゃん
夏休み前の、帰りの電車の中での話です。私の乗る電車の優先席付近は吊革の色が変わっており、そのオレンジ色の吊革付近では携帯の電源を切るようにと注意書がされておりました。しかし、そんなものキッチリと守る人は少なく、その日もメールやらネットゲームを携帯で楽しんでいる人が何人もいました。すると、お婆ちゃんが一人一人に注意をはじめました。最初に中年女性に「ホラ!携帯使うなって書いてあるでしょ!」次に若い女性に「あんたも!携帯使わないでよ!」隣の中年男性は鞄を開いて鞄の中でデジカメの画像チェックをしている様子でしたが・・・「あんた!携帯使わないで!!鞄の中で隠れてやってもわかるんだからね!!」中年男性はペコリと頭を下げて鞄を閉めていました。携帯使ってないのなら反論しろ~・・・なんで、言い返さないのだと少し寂しい気分になりましたが・・・そして、大きなバッグを持って肩に掛けて吊革につかまっている高校生の鞄を引っ張り「あんたも携帯使うな・・・・あ、あー・・・いいのよ、いいの、おばさんの勘違いだったわ」高校生の手には携帯ではなく、本が握られていました・・・注意が終わって満足げに本を読み出したお婆ちゃん。しばらくするとバッグからお菓子を出して先ほどの高校生に渡した。「さっきは勘違いしてごめんなさいね」と言ってお婆ちゃんは電車を降りました。降りてからも携帯を出す人はいませんでした。強烈なお婆ちゃんだったなと思いながらも、ふと考える。優先席付近で携帯を使わないのは誰もが知っている当たり前のことなのだ。夏休みに娘と息子を「恐竜博」に連れて行ったときも、会場に向かう通路にたくさんのペットボトルや袋などが捨ててあり、それを見た娘に「どうして、道にペットボトルを捨てるの?」と聞かれました。あちこちに設置されているゴミ箱に何故捨てないのか理由がわからないようでした。子供からしてみたら、ゴミはゴミ箱に捨てる。そんな、簡単なことも何故できないのか疑問だったのでしょう。当たり前のことを当たり前にやる。そんな姿を子供たちに見せなければならないと感じました。子供はよく見ているものです。