新着記事一覧 | 私の好きな詩

『一年間』

はじまる前のあの頃から一体どれだけのものを手にいれただろうそして新しい一年がはじまるまたどれだけのものが手に入るのか限りなく続いていく可能性に期待している　→ 　　

2006.03.31

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『愛してるで』

「ナナちゃん、早よー早よー！」彼があたしを呼んでいる。「ちょっと待ってよ、えっと・・・。」あたしはバタバタと走りながら、用意してきた書類をあわててさがしていた。籍をいれるのだ、信じられない。印鑑を落としそうになりながら、封筒から紙を出し、うるさく催促する彼に渡した。「そうそう、この字ぃ。俺が惚れた字や。」たったその程度の、数少ないあたしの情報で、彼はあたしをつかまえに来てくれたのだ。この距離でこの期間で。嫁にくる決心をしたあたしもどうかしている。「愛してるで。」まっすぐにあたしを見る力強い瞳に揺るぎのなさを感じ。「それはどうも。」あきれたふりをしてため息をついた。もちろん心の中では、あたしもよ。なんて思いつつ。　→ 　　

2006.03.31

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『メル恋』その後

「わ～すごいことになっちゃったねぇ。」毛だらけのお風呂場を覗き込んで、あたしは彼がちゃんと掃除してくれるのか心配した。「あなたの息子さんの毛でしょ？」床屋のプライドを傷つけられたのか、彼はすこしムッとしながら嫌味をいっている。一緒に入ったついでにと、はじめた散髪だったけど、裸で暴れる二歳児のカットは相当大変だったようだ。「でも、髪型かっこよくなってるよ、ありがと。」湯船ではしゃぐ子供の頭なんて、本当のところはよくわからないけど、とりあえずそういってお礼をのべた。「またやらそうと思ってんな～。」すこし唇をとがらせて、彼がとびちった髪をシャワーで流しはじめる。独身のはずの彼なのに、そうやって一緒にお風呂なんてはいってると、すっかりお父さんみたいに見えるからすごい。「”アイ”?」ぼんやりと湯気の中を覗いていたあたしに、彼が懐かしい名前を口にした。「・・・なに？”ボス”。」誰も知らない暗号のようにときおりそんな風に呼びあう。奇跡のような偶然が重なって、運良く出会えたのだとあたしは思っているのだけど、そんなことはないという彼の、根拠のない自信は一体どこからくるのだろう。　→ 　　

2006.03.31

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『結接蘭・破接蘭』その後

広いお城の庭。テスがゴテゴテしたドレスを手でたくし上げながら、塀を登ろうとしていた、忌々しげな様子は、今にもそれを脱ぎ捨ててでもしまいそうだ。「テス！なにやってんだよ！」王子のタイミルがちょうど馬にのって帰ってきて、その彼女を見つけた。あわてて馬からおりて、塀にぶらさがってしまっている彼女を両手で抱きとめる。「離してよ！」タイミルは王子なのに、テスに足蹴にされ、もっというと顔面にも蹴りをいれられてたりしていた。「と、とりあえずおりろって！」もみあっているうちにテスの手が壁からはなれ、二人はもつれ合いながら草むらに転倒する。「ちょっと！なにすんのよ！」せっかく乗り越えようとしていたのを止められたので、ただでさえ機嫌が悪そうだったテスは、ますます怒りがましたようだった。あばれる彼女を抑えようとしたタイミルの胸をつきとばし、するどい目で睨むと、「“なにが刺繍やねん！ダルーてやってられるかいな！”」すっかりマスターした彼の国の言葉で言い放った。発音すらも完璧だった。建物のほうからゲラゲラと笑う声が聞こえて、タイミルの父である王様の声で、“尻にしかれとんかー”なんて聞こえている。「別に刺繍なんておいとけよ、服も、好きな服着ればいい。」つぶやくような声で頭をかきながらタイミルが言った。「”絶対やな？”」彼女が聞くと。「ああ。」タイミルは答えたあとで、「お前、俺より地元言葉だな。」と続けたので、今度は顔面でなくハラに一発、グッと堪えて息が出来ないほどの蹴りをテスに食らわせられていた。　→ 　　

2006.03.31

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『嘘つきな彼女』行きたい場所

夢の中であたしは、どこか遠くへ行こうとしている。荷物はもう持ち出さずに、会社も無断で辞めた。いつもそれでばれてきたから、今回はさすがに大丈夫だ。誰にもみつからないように、いい天気の青空の下、どこまでも、ただひたすら遠い場所へと向かう。やがて電車をおりて、これほどまで離れたのだから、もういいだろうと思っていると、「クレハ。」と呼ぶ声がして、「忘れてるよ。」なんていいながら、カズくんがなにか持って走ってきた。（ハンカチとかそういうものだった。）「・・・・・。」あたしがジッとみていると、あたしの”行方をくらませたい”という意思を尊重してくれて、「じゃあ。」と手をあげて、どこかへ立ち去ってくれたのはいいけど、植垣に隠れたところでワン蔵の吼える声が聞こえていて、シンとの話し声なんかもしている。あたしは仕方がないので、もう一度電車に乗ろうと思って、駅のベンチに座ると、隣には新聞を広げて読んでいる諌山さんが先に座っていた。「クレハ、せっかくだから今日はこの辺で泊まってくか？」穏やかな口調。あたしはおかしくなってしまって、少し笑った。これではちっとも行方不明にはなれない。「どうしたの？」目を開けると、カズくんがあたしの顔を覗き込んでいた。諌山さん家のベットの上、もちろんワン蔵の声もしているし、シンと諌山さんも向こうにいるようだ。「クレハ、今笑ってたんだよ？」カズくんの口から自分の状況をもう一度説明された。もちろんわかっている。あたしは夢の中でまた、いつものように、ややこしくなってきて、逃げようとしていたのだ。外は夢と同じとてもいい天気で、まだ少し寒いけれど、どこにだって行ける。あたしは自分が行きたい場所にいくのだ。誰にどう思われようとも。「なんか楽しかったの？」カズくんの優しい口調を聞きながら、わざわざ立ち去らなくても、もういいのだと思った。「・・・あのね。」少しまどろみながらも、彼の顔がどう変化するのか確かめていた。「ん？」言葉を切ったあたしに、シンも近くまでやってきてくれる。ますますおかしくなってくる。諌山さんは？彼はどんな顔をするだろう。遠くのソファーで、夢の中と同じように新聞を読んでいる諌山さんをさがす。「どうした？」目があうとすぐに立ち上がってきてくれた。あたたかくて居心地のいい場所に包まれながら、あたしは、「赤ちゃんできたみたいだよ。」と言った。あたしが居たい場所は、わざわざ移動しなくても、もうここにあった。　→ 　　

2006.03.31

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『邪魔』

今絶対寝てる夢にはいって邪魔してやるんだからあたしもその胸で眠りたいのに　→ 　　

2006.03.30

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『あれもこれも』

ビーズとクロスステッチとお裁縫とジグソーパズルとロジック模様替えもしたいし友達にも会いに行きたいんだけど駄目かも部屋片付けないといつまでたってもあなたにたどりつけそうにないな　→ 　　

2006.03.30

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『歌詞』

あなたに教えてあげようと思ってさがしまわってしまって寝る時間がなくなって眠いよそんなこといいから寝ろって多分思われそうだけど　→ 　　

2006.03.30

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『疑問符』131

あんまり時間がないんですがいいですよ伺いましょう死神ですどうもごぶさたしてますそれでなんでしたっけまたなにか迷っておられるご様子ですねう～んそれは・・・そういう個人的なことはご自分で考えられたほうがええあとでなにかあった場合そのほうが納得いくんじゃありませんか？裏切られたり失敗してみたり幸せになれなかったりいえそうじゃありません僕のせいにしたほうがいいのであればいくらでもそのように考えてくださって結構ですだってもともと僕ってそういう用途のために存在しているようなもんですからどうかお気遣いなくいえいえどういたしましてではほんとにすいません時間がなくて急いでますのでこれでまたいつかお会いしましょう絶対ですよ？元気だしてがんばってくださいあなたの死神でした　→ 　　

2006.03.30

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『所詮水瓶の底』

見上げる空はとても綺麗ね大きな大きな金魚鉢の私達は底にいる　→ 　　

2006.03.30

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『かわいいな』

うらやましいのはあたしのほうだよ男冥利につきるでしょ？　→ 　　

2006.03.29

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『気になる』

そのセリフはきっと他のコにも言っているあたしはちゃんと一番かわいく出来ただろうか　→ 　　

2006.03.29

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『嬉しいような寂しいような』

暗闇の中一人出ない言葉を待つこんなことも今日で終わりあっけないもんだね　→ 　　

2006.03.29

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『消える』

今がすぎれば誰も覚えてないのならやっぱり自分の好きにしたほうがいいよね　→ 　　

2006.03.29

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『わかったことは』

結局は辞められない離れることは出来ても生きてるかぎり続くのでしょう　→ 　　

2006.03.29

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『同じ趣味』

あたしが指輪嫌いだってどうして知ってるの？ピアスもあなたの考えてることなんとなくわかっちゃってるんだけど　→ 　　

2006.03.28

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『ヒント』

あなたの部屋に隠したものあの調子じゃ今日もきっと見つからないだろうな　→ 　　

2006.03.28

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『どんどん』

なにも考えられなくなっていくあたしってこんなに頭悪かったかなあなたが考えてくれるのであたしは馬鹿のままでいても大丈夫なのね　→ 　　

2006.03.28

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『恋愛中』

こんな時間に大変だね期待したはじめての喧嘩らしき行為は私の不安をあなたが消しにかけつける申し訳のないものだった　→ 　　

2006.03.28

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『幻』

あまりにも寒かったので都合のよい夢を見てしまったようです　→ 　　

2006.03.28

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『おやすみなさい』

明日もさらにもっと好きにならないといけないので今日のところはこれで寝ておくか　→ 　　

2006.03.27

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『おつかれさま』

あたしのお守りは大変だね（その為に日々鍛えているのか）　→ 　　

2006.03.27

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『見逃す』

緊張のあまり肝心な場面のことをよく覚えていないこのままわけのわからないまま様子をみて落ち着いてからあなたに聞けばいいか　→ 　　

2006.03.27

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『これからは一緒に』

雑で上滑りなあたしの人生重症患者に呼びかけるようにあなたが大声で言い聞かせるわかってるよそんなに繰り返さなくてももう一人ではどっちに行けばいいのかわからないもの　→ 　　

2006.03.27

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『くさり』

わかりやすく形になった結晶が一瞬であたしを黙らせる　→ 　　

2006.03.27

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『はやくこないかな』

約束は守られないと思うので罰として一日抱っこの刑ね今から楽しみだ　→ 　　

2006.03.26

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『明け方の顔』

あの時こうだったって言えるからいいじゃない寂しさに震えながら平気なふりをして手をふる日が昇る前に消えて行くあなたが果てしなく男前に見えた　→ 　　

2006.03.26

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『うららか』

あたしも今日は休みたかったどこか静かでどこかうららかなこの春の日に　→ 　　

2006.03.26

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『思い出』

思い出を残すだけならあなたが言うように一刻も早く終わらせるべきなのかもしれない　→ 　　

2006.03.26

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『遠い』

うちひしがれて眠る午後目が覚めた時この痛みが溶けてなくなってればいいけれど　→ 　　

2006.03.26

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『逃亡者』

最後に逃げるのなら今にしてほしい残された者のしんどさをあなたは知らない　→ 　　

2006.03.25

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『期待してたのに』

この体調で会えばついに喧嘩になるんじゃないかと　→ 　　

2006.03.25

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『すごいこと』

この状態がすごいあたしにとっては机の上に山とつまれたお菓子よりも充分に　→ 　　

2006.03.25

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『今』

また言って嘘じゃないって今言って何回でも言って　→ 　　

2006.03.25

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『意地でも』

優しいあなたの腕の中夢みたいなんて絶対に言ってやらない　→ 　　

2006.03.25

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『あなたがくれるもの』

もらった愛情の量で決まるなら私はすごく綺麗ですごく優しい人になれるこの世の誰よりも　→ 　　

2006.03.24

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『おべんとう』

つくってあげようか今だともれなくお花見弁当風だよ　→ 　　

2006.03.24

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『綱渡り』

不安定なロープの上をあなたと二人で進んでいるどちらが踏み外しても駄目なので慎重に慎重に　→ 　　

2006.03.24

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『正直に』

そういうふうにしか出来ない間違っているかもしれないしあきらかに損をするのだろうけどあたしはこうしかできないしそんな自分がわりと好き　→ 　　

2006.03.24

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『グレープフルーツと猫』

違うのよグレープフルーツが好きなわけじゃないわダイエットだから食べてるだけ毎日毎日続けてるからって誤解しないでほしいそれから猫のことなんだけどあたしは猫が嫌いだから触れないんじゃなくてアレルギーで目がかゆくなるから近寄れないだけなの「こんなにかわいいのに。」なんて言わないでよかわいいと思ってますよ充分に今日のグレープフルーツなんでこんなに種多いのせめて甘いといいのになスプーンの先で種を次々にはずしてからひとくち含むとそれはとびきり甘くて少しいびつな球体をした黄色い果物は"種が多いからってすっぱいなんて誤解しないでよ"と言っているように見えた　→ 　　

2006.03.24

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