「ハードラック」薬丸岳
【送料無料】ハードラック価格:1,680円(税込、送料別)【内容情報】(「BOOK」データベースより)人生をやり直したかったのだ。ネットカフェ難民相沢仁は、闇の提示板で募った仲間と軽井沢の金持ちの屋敷に押し入った。だが物色中、仁は何者かに頭を殴られて昏倒。ようやく独り逃げた彼は報道で、屋敷が全焼し、三人の他殺体が発見されたと知る。家人には危害を加えないはずが、おれは仲間にはめられた。三人殺しでは死刑は確実。正体も知らぬ仲間を、仁は自力で見つけねばならなくなった…。★★★★今年、二冊目の図書館本。「重たいのはちょっと…」と散々、敬遠しておきながら読んじゃいました!薬丸さんの小説って、重たいテーマなんだけど時世を扱う作風が好きなんです。今回は、ネット難民・闇社会を描いてます。闇社会って。入り込んでしまったら、いったい何処まで落ちていくんだろう?そして、どれだけ広い社会なんだろう?主人公がどんどん闇社会に関わってしまう様が、綱渡り的で怖かったです。主人公・仁は嵌められて殺人犯に仕立て上げられてしまうんですが。自らの無実を証明するため、犯人探しを始めます。この辺りは「主人公=探偵」という事で、推理小説としても充分、楽しめます。仁の絶体絶命のピンチに助けてくれるのが…意外な人物だったり。しかし、その人物でさえ「敵か・味方か?」…周辺の誰もが、信じられない雰囲気が常に漂ってます。仁を嵌めた黒幕ですが。薬丸さんは毎回、どんでん返しの凄さが際立つ作家さんと思ってましたが。今回は…不発に終った感じ。黒幕が割りと呆気なく目星ついてしまい「嫌。これはほんの序の口で、もう一回、何らかのどんでん返しが…」と読み進めたけど、そのまま、スッーー…と終ってしまいました。なので。あまり、どんでん返しに拘らず、主人公の恐怖感を味わいながら犯人探しをするには適した小説だと思いました。