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カテゴリ:子宮筋腫・更年期障害・子宮がん・女性外来
きょうの健康(2007/1/29放送)より
我慢しないで更年期障害「不安をなくそう」 更年期というのは女性の生殖機能である卵巣の機能が低下して 女性ホルモンの分泌が急激に減少していく時期をさす。 10歳くらいの初潮頃より女性ホルモンのエストロゲンが 急激に増え 20~30代の成熟期 40代前半から減り始め 50代後半の閉経の頃 急激に減る。 閉経を挟んだ前後5年で10年くらいを更年期と考える。 ホルモンのバランスが急激に崩れるので 心身ともに様々な症状が現れ その症状を更年期障害と呼ぶ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 更年期を迎えた半数以上に何らかの症状を経験すると言われている。 人によって現れ方は様々で 大きく身体的に起こる症状と 精神的に起こる症状に分けられる。 <更年期の症状> 「身体症状」 ・発汗 ・のぼせ ・冷え・動悸・息切れ ・肩こり・腰痛・頭痛・吐き気 など 「精神症状」 ・落ち込み・憂鬱 ・イライラ・無気力 ・不安・集中力や思考力の低下 ・不眠・不安定 など こういった症状は 日によって現れるものや 強さが変わるという特徴がある。 200以上の症状があると言われている。 もちろん なんともない人もいる。 中には 更年期障害と気がつかないで ストレスのせいとか 年のせいと思っている人もいる。 中には 仕事ができない 家事ができない 外に出られない といような非常に生活が変わってしまう人もいる。 <更年期障害の原因> 女性ホルモンの低下が根本にある + ストレス と 性格 もある ストレス⇒介護・家庭・経済・職場(環境的なもの 性格 ⇒几帳面・完璧主義(精神的なもの 症状は続くが 多くは身体が慣れていって 症状が落ち着くと考えられる。 <女性ホルモン低下の影響> ・骨量低下 ・コレステロールの増加 ・脳機能の低下 ・泌尿生殖器の萎縮 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <更年期症状のチェック> 症状ー症状の程度⇒強ー中ー弱ー無 1)顔がほてる⇒10-6-3-0 2)汗をかきやすい⇒10-6-3-0 3)腰や手足が冷えやすい⇒14-9-5-0 4)息切れ・動悸がする⇒12-8-4-0 5)寝つきが悪い、眠りが浅い⇒14-9-5-0 6)怒りやすく、イライラする⇒12-8-4-0 7)くよくよしたり、憂鬱になる⇒7-5-3-0 8)頭痛、めまい、吐き気がよくある⇒7-5-3-0 9)疲れやすい⇒7-4-2-0 10)肩こり、腰痛、手足の痛みがある⇒7-5-3-0 合計点と評価 0~25点⇒異常なし 26~50点⇒食事、運動に注意 51点以上⇒更年期外来や女性外来を受診して相談する 点数が高くなくても なんらかの症状があって 辛いと感じたら我慢しないで医療機関を受診しましょう ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 診断のための検査 ・問診が重要⇒更年期障害は自覚症状が中心の病気のため ・女性ホルモンの測定 ・他の病気の有無⇒心臓や甲状腺など 更年期障害の症状は一時的なものであって落ち着いてくるということだが しかし 人によっては症状が非常に辛いこともあり 積極的に治療していくのは意味があることなのか? 更年期障害の治療をすると 更年期を先送りにしていると 治療をやめたときにまた戻ってくるのではないかと 考えている人もいるが それは違う! 更年期障害が辛い時は治療をする。 更年期が終われば落ち着くので 先送りしているのではない。 短い期間であっても治療をすることで暮らし生活も変わってくる。 更年期障害は女性の生活の質を落とすので これから後人生は長いので その時点で生活の質を落とさないで そのために治療は行うったほうがよい。 ポイントは「症状 我慢しないで受診」 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 きょうの健康(2007/1/30放送) 我慢しないで更年期障害「賢く選ぶ薬物療法」 女性ホルモンの変化と症状 30代からどんどん血中エストロゲン濃度が減少 初期の頃は 月経異常が始まる。 50歳(閉経)の前後5年頃より ほてり、発汗、動悸、不眠、不安、頭痛など 閉経して60歳代あたりから 骨粗しょう症、動脈硬化・・・ 更年期障害の治療法にはどんなものがあるのか? 薬を使う薬物療法を中心に 食事療法 心と身体をリラックスさせる運動療法などがある。 中でもホルモン補充療法は 不足したホルモンを直接 補うという原因の治療ができるので効果が高く 正しく使うと症状を緩和することができる。 ◎∞――――――――――――――――――――――――――――――∞◎ <薬物療法> ・ホルモン補充療法 今までたくさんあったホルモンが足りないので少し補いましょうという療法。 更年期障害の原因が女性ホルモンの低下が根本なのでそれの原因療法。 ・漢方薬 日本人は漢方薬が特に好きで 漢方薬を使う人は多い。 ホルモンが低下していないのに更年期障害のような症状がある人にもよい。 長い間使うことも可能。たくさんの種類がある。 ・抗うつ薬 うつが比較的強めの人が使う。 自律神経の調節に使う場合もある。 ◎∞――――――――――――――――――――――――――――――∞◎ <ホルモン補充療法> 「周期的投与法」 エストロゲンを毎日使う。 プロゲステロンを月に10日~12日使う。 本来はエストロゲンが治療になるが これだけを使っていると 子宮内膜が増殖して子宮体ガンになる可能性があるので予防のために 副作用防止のためにプロゲステロンを使う。 プロゲステロンを飲み終わった時点で生理が始まる。 もしくは生理が始まるとエストロゲンを休む(飲まない)方法もある。 「連続的投与法」 エストロゲン、プロゲステロンを毎日 同じように使う。 不正出血が起こることがある。 「単独法」 エストロゲンの単独投与。 子宮を摘出してしまった人。 ホルモン補充療法の効果 ・のぼせ・発汗の解消 ・動悸・肩こりの解消 ・落ち込み・憂鬱の解消 人によっては1週間位で効果が出る。 だいたい1月後には評価が出る。 ホルモン補充療法の薬は経口薬が中心だが エストロゲンは貼り薬もある。 肌色の丸い直径3cmほどの大きさ。 2日に1回でよい。お腹や腰に貼る。 貼り薬のメリットは 肝臓を通らず直接血中に入るので肝臓の負担がない。 血栓の副作用も無いのではないかと考えられる。 ただし長い間貼るので痒くなるという欠点はある。 ホルモン補充療法の副作用 ・乳がん アメリカで話題になったが 日本はもともと乳がんが少ない。 1万人のうちホルモンを使っていない人は8人 ホルモンを使っている人は11人 3人増えるという計算になる。 使っている間は定期的にしっかり検査をする。 これは長く使った場合なので 短期(数年)であれば問題ないと言われている。 ・虚血性心疾患や動脈血栓そく栓症 エストロゲンには血液を固まらせる作用がある。 もともとこれは欧米人に多い。 民族的な理由と使う年代が若い日本人には ほとんど心配が無いと言われている。 ホルモン補充療法を勧められる人 ・エストロゲンの低下している人 ・性腺刺激ホルモンの上昇している人 ・更年期症状が強い人 ホルモン補充療法を行ってはいけない人 ・乳がんの人 ・血栓を患っている人 ・糖尿病や重症の高血圧の人 ・高度の肥満・胆石の人は注意必要 子宮筋腫や子宮内膜症の人は更年期になるとよくなってくるのに 更年期の治療を行ってしまうと病気が進行してしまう。 しかし 軽い場合は心配ない。 ◎∞――――――――――――――――――――――――――――――∞◎ <更年期障害に使われる漢方薬> 体格・体力・症状によって変えられていく。 ・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 色白で華奢な人。筋力がなくなよっとした人。 ・加味逍遥酸(かみしょうようさん) 精神的なイライラなどの症状が強い人。 ・桂枝ふくりょう丸(けいしふくりょうがん) 体格ががっちりして赤ら顔の人。 ホルモン補充療法と合わせて飲んでいくことも可能。 使ってはいけない人にも使えるものがあり 比較的長く使えることがある。 そして 漢方薬はこの3つだけではなく たくさんの種類があるので自分にあった物を使うと効果がある。 <その他の薬物療法> ・抗うつ薬 ・抗不安薬 ・睡眠薬 ・自律神経調整薬 更年期障害は他の病気と比べると 治療するかしないか 何を使うか いつ使うか 比較的自分の選択の余地がある病気なので 納得した上で 自分に合った よく効くものを選ぶ必要がある。 大変迷うが3ヶ月くらいをめどに試してみるとよい。 変化が無いものは効果がないので それで決めていく。 医師と相談しながら自分で決めていく。 「納得する治療法を選ぶ!」のがポイント お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.02.03 20:54:59
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