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カテゴリ:本当は怖い家庭の医学
本当は怖い家庭の医学(診察日:11月13日)より
『本当は怖い便秘と寝言~閉ざされた想い~』 A・Eさん(女性)/62歳 会社員 還暦を過ぎてから、老後の楽しみにと俳句を始めたA・Eさん。 新しい友人も増え、充実した毎日を送っていましたが、 ある日、この2、3日お通じがないことに気付きます。 数日後、夜中にうなされるような寝言を言っていたと 夫から聞かされたA・Eさん。 便秘も寝言もよくあることと特に気にしていませんでしたが、 その2つの症状こそ、深刻な病の重要なサインでした。 その後も様々な異変が続いたのです。 (1)便秘 (2)寝言 (3)指の震え (4)手の震え (5)震えが止まらない 手の震えくらいで病院にいくなんて… 年をとれば誰にでもある症状…と病院にいきませんでした。 (6)バランスが取れない 階段を転げ落ちてしまい病院に運ばれました。 診断 ⇒ パーキンソン病 <なぜ、便秘と寝言からパーキンソン病に?> 「パーキンソン病」とは、脳内の神経伝達物質ドーパミンが異常に減少し、 運動機能に障害が起きてしまう病。 自分の意思で体をコントロールできなくなり、症状が進行すると、 歩けなくなったり、寝たきりになる事もある深刻な病です。 現在、パーキンソン病は、厚生労働省が認可している難病の一つ。 国内の患者数はおよそ15万人。50代以上での発症が多く見られ、 65歳以上に限ると、100人に1人がこの病にかかっていると言われています。 パーキンソン病の最も典型的な初期症状は、 A・Eさんにも現れた、指や手の震え。 実はこの震え方こそ、パーキンソン病の最大の特徴なのです。 パーキンソン病の初期段階では、震えは安静時のみに起こりますが、 何か作業を始めると震えは止まってしまいます。 そのため、大した事はないと放って置く人が多いのです。 しかし、その間も症状は進行。次第に手の震えが止まらなくなってしまい、 さらには足にまで運動障害を引き起こし、彼女の様に 階段から落ちて骨折するなどの事故を招いてしまう事もあるのです。 では、この難病は、身体の震えでしか気付くことはできないのでしょうか? 実は最近の研究で、パーキンソン病には、その前触れとなる 前駆症状がある事が明らかとなってきました。 それがA・Eさんを悩ませた、あの便秘と、うなされるような寝言です。 パーキンソン病は、ドーパミンが減少する前に、 まず脳幹という部分の下の辺りに、何らかの異変が起きると言われています。 すると、脳幹にある排便や睡眠を調節する神経に障害が起き、 便秘や寝言が出ると考えられているのです。 便秘や寝言といった症状がある人に、もし震えが起き始めたら、 パーキンソン病を疑うことが大切なのです。 パーキンソン病は、未だに完治の方法が見つかっていない病。 しかし、早期に発見し、的確な治療を受ければ、 薬によって震えなどの症状を抑える事は可能なのです。 あなたは最近 便秘気味ではありませんか? 寝言を言うようになってはいませんか? そして何より じっとしていると手が震えませんか? パーキンソン病は脳のCTやMRIを使っても診断できない。 カラダの動き等を実際にチェックする診察が重要。 今すぐできるパーキンソン病チェック 代表的な検査を3つ行い 1つでもクリアできなかったら パーキンソン病をはじめとして 脳梗塞、脳出血、脳腫瘍など脳の重篤な異変の恐れあり。 検査1)動作チェック「急速交互変換運動検査」 ・両手のひらをひざの上におく ・できるだけ早く手首を回転させる ・手のひらが元の状態に戻って1回とカウント 5秒間に左右8回以上できればクリアー パーキンソン病を発症すると決まった動きを すばやくスムーズに行うことができなくなってしまう。 左右数が違ったとしても 通常利き腕のほうが早くできるので問題ない。 30代までの若い人なら10回以上が平均。 検査2)反射の慣れチェック「マイアーソン検査」 ・患者の眉間を医師に指でタッチされる ・指が触れた時にまばたきしないようにする 検査を始めてからまばたきの回数が4回以内ならクリア。 パーキンソン病を発症すると 指が触れると反射的にまばたきをしてしまう。 検査3)からだのバランスチェック「後方突進現象検査」 ・リラックスした状態で立つ ・後ろから両肩を強く引っ張る ・その時何歩でバランスを保てるかをチェック 2歩以内でバランスを保てればクリアー。 転倒の危険がるので医師の立会いのもとで行う。 パーキンソン病を発症すると 動作が緩慢になりとっさの行動が取れなくなってしまう。 繰り返し検査を行いできなかった場合は神経内科を受診をおススメ。 貧乏ゆすりは? 貧乏ゆすりだけで手足のこわばりや手の震えがなければ心配ない。 緊張した時の手の震えは? 神経の高ぶりで一時的におきるものなので心配ない。 ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ 『パーキンソン病の最新治療』 T・Kさん(女性)/48歳 15年前にパーキンソン病を発病し、 足の震えと手のこわばりなどに苦しめられてきたT・Kさん。 薬による治療を続けたものの、次第に薬の効果が薄れてきて、 日常生活に支障をきたすようになってきたのです。 このまま、どんどん病気が進行していくのか・・・ と絶望の淵に立っていたのですが、1年前、片山容一教授が行なう パーキンソン病の最新治療法・DBS手術のことを知ったT・Kさん。 今回手術を受ける決心をして、日本大学医学部付属板橋病院を訪れました。 (1)足の震え (2)手のこわばり パーキンソン病 ⇒ DBS手術を受ける <パーキンソン病の最新治療「DBS手術」とは?> T・Kさんの治療にあたるのは、パーキンソン病の最新治療の スペシャリスト、日本大学医学部脳神経外科の片山容一教授。 これまでに700名以上のパーキンソン病の患者さん達を、 その震えの苦しみから救ってきました。 そんな片山先生が行う「DBS手術」とは、 脳の視床下核と呼ばれる部分に細い電極を埋め込み、 電気信号を送る事で、運動異常をコントロールする手術法。 脳に埋め込まれる電極は頭の2ヶ所から挿入され、 胸に埋め込んだパルス発生器から、電流が流れる仕組みになっています。 この発生器は、電池を5年ごとに交換すれば、半永久的に効果が持続するのです。 T・Kさんの手術は、2007年9月27日午前9時15分に開始。 DBS手術は、患者さんにも震えの状態を確認してもらいながら 手術が進行するので、麻酔は頭部の局所麻酔だけで行なわれます。 まずは、フレームと呼ばれる器具を頭に装着し、固定します。 続いて頭部の左右に開けた穴から、仮の3本の電極を挿入。 目標は、わずか8ミリの大きさの視床下核。 そこから発生する微量の電気信号を電極から読み取り、 神経細胞の活動を確認します。 この活動の最も活発なポイントが震えを止めるポイントになるのです。 次にその最良のポイントに脳深部刺激電極を挿入し、電気を流します。 最後に電気の発生器を両側の胸に埋め込みます。 午後5時20分、9時間に及ぶ大手術が終了しました。 手術から4日後。ひどい震えから開放され、元気になったT・Kさん。 表情も、手術前とは見違える程明るくなりました。 パーキソン病の最新治療「DBS手術」医師たちの努力と最新の技術が、 T・Kさんを苦しみから解放してくれたのです。 脳に穴を開けて痛くない? 脳には感覚がないので痛みは感じない。 どれくらいの電気が流れている? 1~2ボルトなので手で触っても何も感じない。 携帯やパソコンなど家庭用の電化製品を近くで使用しても大丈夫。 最新・健康モーツァルト音楽療法Part1 CD 【脳神経系疾患の予防(老人性痴呆症、パーキンソン病、難聴など)】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.11.14 21:42:19
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