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カテゴリ:子宮筋腫・更年期障害・子宮がん・女性外来
本当は怖い家庭の医学(6月17日 放送)より
女性ホルモン徹底解明スペシャル! 「本当は怖い月経前のイライラ~操られた心~」 F・Sさん(女性)/29歳(発症当時) 出版社勤務 出版社に勤めるF・Sさんは、この春から、念願の編集部に異動。 不慣れな仕事に苦労しながらも充実した日々を送っていましたが、 ある日、生理前になると妙にイライラ度が増していることに気付きました。 1週間後、生理が終わると、あのイライラは消え、 気分の良さが戻ってきたF・Sさん。 ところが、その後も生理前になると、体がだるくなり、 眠気やイライラも高まる異変が続いたのです。 そんなある日 身体のだるさで生理が近いことを感じていた頃 無理をして会社に出たものの 仕事に身が入らず失敗の連続。 やがて無気力感が身体を覆い会社を無断欠勤するまでに。 翌日になっても何もする気が起きずうつ状態に。 家に引きこもって2日目の夜 夫が見たのは憔悴しきったF・Sさんの姿。 翌日 心配した夫に付き添われ総合病院の婦人科を受診した。 (1)月経前にイライラする (2)月経前の倦怠感 (3)うつ状態 病名 ⇒ 月経前症候群 <なぜ、生理前のイライラから月経前症候群に?> 「月経前症候群」とは、月経前に現れる 「イライラする」「体がだるい」「眠い」といった 様々な症状の総称で、女性の約8割が経験している状態のこと。 では、なぜ、多くの女性に月経前、これらの症状が起きるのでしょうか? その原因は、女性ホルモンの急激な変動。 そもそも女性ホルモンには、プロゲステロンとエストロゲンという2種類があります。 この2つのホルモンが、バランスよく増えたり減ったりすることで、 女性はその機能を保っているのです。 この2つの女性ホルモンの分泌量には、ひと月の間に変動があります。 エストロゲンは、卵巣を刺激して排卵の準備をするホルモンです。 つまり月経の終わり頃から排卵前の周期で分泌が高まります。 一方、プロゲステロンは、子宮の内膜を妊娠しやすい状態に保ち、 受精卵を着床しやすくする働きがあります。 だから排卵後の周期に多く分泌されるのです。 月経前症候群は、この2つの女性ホルモンの急激な変動に、 体がついて行けなくなった結果、月経前に様々な症状を引き起こすのです。 プロゲステロンの分泌が高まると、妊娠した場合に備え、 体はエネルギー源である糖分を子宮などに蓄えようとし、体全体の糖分が低下します。すると、脳が「糖分が低下している」ことを 「アドレナリン」という物質を分泌して警告します。 このアドレナリンは、人を興奮させ、攻撃意欲を高める作用もあるため、 やけにイライラするようになったのです。 一方、エストロゲンには、精神を安定させる脳内物質の働きを高める作用があります。 そのため、エストロゲンが減少する月経前には、脳内物質の働きも弱まり、 気力が失われてしまいがちになるのです。 しかし、なぜF・Sさんは、うつ状態になるまで悪化してしまったのでしょうか? それは…ストレス。 新しい部署への異動という環境の変化から来るストレスで、 知らず知らずのうちに状態は悪化。 さらに、仕事上のミスで、自分を責めてしまったことがきっかけで、 うつ状態にまで陥ってしまったのです。 彼女のように症状を悪化させないためには、 自分の月経周期を正しく知ることが大切です。 特に気にかけていない女性も多いようですが、 月経周期をちゃんと知ってさえいれば、事前に心構えができ、 症状を予防できると考えられています。 事実、この月経前症候群で病院を受診した患者さんの多くは、 その周期を知るだけで、驚くほど症状が改善されているのですから。 女性の皆さん 月経前になるとイライラしませんか? 妙に身体がだるくなりませんか? そして何より 自分の月経周期 ちゃんとわかっていますか? ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ <名医が出題!知っておくべき正しい月経の知識テスト> 自分の月経周期を知っていれば 月経前症候群の症状が出ることを予測し対処できます。 また、月経周期の異常に潜むホルモン異常なども見つけやすくなります。 月経前症候群の症状を放置し悪化させないためにも、 さらには、他の排卵障害などの月経異常を早期発見するためにも、 月経についての正しい知識を持つことが大切なのです。 <正しい月経の知識テスト> 問1) 月経の時に出る血液、経血はどこから出ているのでしょうか? A.卵巣 B.子宮 C.膣 問2) 月経周期の正確な数え方は次のうちどれでしょうか? A.月経が終わった日から、次の月経が始まる前日まで B.月経が終わった日から、次の月経が終わる日まで C.月経が始まった日から、次の月経が始まる前日まで 問3) 正常な月経周期とは、次のうちどれでしょうか? A.28日間 B.18~31日間 C.25~38日間 問4) 「排卵の時期に出るおりもの」はどういう状態が正常だと思いますか? A.少し黄緑色で臭いがある B.ヨーグルトの様に白く水っぽい C.卵白のように透明で粘り気がある 問5~問10) 基礎体温に関する問題 ★基礎体温とは1日の中で最も(問.5 温度に関すること )体温のこと そのため、(問.6 1日のうちのいつ? )に測るのが大切 ★月経が始まってから2週間程は(問.7 温度に関すること)なり、 その後、2週間は(問.8 温度に関すること)なります。 その温度差が(問.9 )度あれば正常と言われています。 ★体温計を使って(問.10 身体の場所)で測るのが基礎体温の正しい測り方。 1問10点で計算します。 100点満点中 70点未満の方はレッドゾーン ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ <回答> 問1) B.子宮 不要になった子宮の内膜が剥がれて出てくるのが月経。 その時に出るのが経血。 問2) C.月経が始まった日から、次の月経が始まる前日まで 問3) C.25~38日間 正常な月経の周期とは、一般的には28日型、30日型といわれているが、 25日~38日位までであれば正常の範囲内。 24日以内と周期が短いものを頻発月経、39日以上あくものを稀発月経と呼ぶ。 ◆頻発月経の場合・・・ 生理だと思っていても、実は不正出血だったということもあり、 子宮筋腫や子宮ガンなどの病気も考えられ注意が必要。 ◆稀発月経の場合・・・ 排卵がスムーズに起こっていないことのサインと考えられ、 卵巣機能の低下が考えられる。 また、無理なダイエットや激しいスポーツにより、 ホルモンのバランスが崩れた場合にも起こるので注意が必要。 問4) C.卵白のように透明で粘り気がある 排卵前にはエストロゲンが多量に分泌され その影響で卵白のようなおりものになる。 この排卵期のおりものには「受精を助ける」働きがある。 普段は酸性に保たれている膣内が、排卵期にはアルカリ性に傾き、 アルカリ性を好む精子が侵入しやすい環境に変わる。 もし緑がかかったオリモノの場合は 何らかの感染症にかかっている恐れがある。 問5) 低い 問6) 朝起きた時 基礎体温とは身体が最低限のエネルギーしか使っていないときの体温で、 寝ている時の最も体温が低くなった状態のことを言う。 その状態に一番近いのが、朝、目覚めた時なので、朝起きた時に測るのがいい。 問7) 低く 問8) 高く 問9) 0.3度 健康な成人女性の基礎体温は、月経が始まってから 2週間ほどエストロゲンの分泌が多い低温期になり、 その後の2週間ほどはプロゲステロンが多い高温期になる。 この低温期と高温期の分かれ目の前後に、「排卵」がある。 0.3度以上の体温差がある場合、排卵がきちんと起こっていると判断する。 ◆この温度が変化する周期を正確に知っておくと月経の時期、排卵の時期、 月経前症候群の症状が現れる時期も正確にわかるようになる。 問10) 口の中 基礎体温は身体の内部に近い体温を測定するため、口の中で測る。 このとき、婦人体温計という目盛りの単位が0.01度まである専用の体温計を使う。 測り方は、舌の裏の中央にあるスジに体温計の先をあてて、 舌で軽く閉じて測定する。 ■楽天「婦人体温計」で検索 ■「体温計」売れ筋ランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.06.20 21:12:35
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