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カテゴリ:本当は怖い家庭の医学
本当は怖い家庭の医学(診察日:7月22日 )より
「本当は怖い出不精~思いやりの落とし穴~ K・Yさん(女性)/74歳(発症当時) 無職 3年前に夫を亡くして以来、田舎で一人頑張ってきたK・Yさんは、 東京の長男一家と同居するようになってから生活が一変。 買い物や家事はすべて嫁が面倒をみてくれる上、 持病の関節痛もあって殆ど外出しないように。 食生活では 肉類などしっかり噛まなければいけないものは 無意識に敬遠するようになリ 柔らかいものばかり食べるようになっていました。 そんな中、ちょっとした段差でつまずいたのを機に、 転んで寝たきりになるのを恐れ、 ますます部屋に閉じこもりがちになったK・Yさん。 上京したばかりで知り合いもいないし 1人で散歩してもつまらない これといった趣味もない。 同居を始めて3ヶ月経った頃 電話を取ろうと立ち上がった時 突然の立ちくらみ。 それ以降 何度となく立ちくらみに襲われるように… 足元がおぼつかない上に今度は立ちくらみ こうしてますます閉じこもりがちになってしまいました。 同居を始めて半年 ついにその時がやってきました。 キッカケは風邪でした。これが悪夢の引き金でした。 風邪をこじらせて寝込むこと1週間 トイレに行こうと起き上がろうとしたものの 起き上がれなくなっていました。 (1)ちょっとした段差でつまずく (2)立ちくらみ (3)起き上がれない 病名 ⇒ 廃用症候群(はいようしょうこうぐん) <なぜ、出不精から廃用症候群に?> 「廃用症候群」とは、足腰の筋肉が衰えることで、内臓や脳などの機能も低下、 最悪の場合、寝たきりになってしまうこともある恐ろしい病気です。 ではなぜK・Yさんは、自分で立てなくなる程、 筋力の低下を招いてしまったのでしょうか? その最大の原因は、家から殆ど出ることがなくなってしまった、 あの「閉じこもり」にありました。 「閉じこもり」とは、週に1回以下しか外出しない生活状態のこと。 元々、膝が悪く出不精だったK・Yさんでしたが、 何でもやってくれる息子夫婦の気遣いと引越しによる新たな環境が、 彼女をますます「閉じこもり」にさせ、足腰の筋力を著しく弱らせてしまったのです。 事実、高齢者を2年間追跡調査した報告でも、 閉じこもりの人の歩行障害のリスクは、そうでない人の4倍という結果が出ています。 さらに彼女の筋力低下にはもう一つ、意外な要因がありました。 「噛む力の低下」です。 詳しいメカニズムはわかっていませんが、あごの筋肉が減り、噛む力が衰えると、 足腰の筋肉が減り、足腰の筋肉が減ると、今度はあごの筋肉が減る。 2つの筋肉は、そんな密接な関係にあることが統計的に証明されているのです。 実はK・Yさんが好んで食べていた野菜の煮物などに必要な噛む力は、 肉類に比べると、わずか9分の1程度。 つまり柔らかい食べ物に偏った食生活が、あごの筋力低下を招き、 ひいては足腰の筋力低下につながったと考えられるのです。 さらに肉類を食べないと、タンパク質やコレステロールも不足。 体は減り続ける筋肉を補うことが出来ず、 彼女は、ちょっとした段差でもつまずくようになり、 心臓の血圧調節機能が低下することで、 「立ちくらみ」に襲われるようになったのです。 そんなK・Yさんに、とどめを刺したのが風邪でした。 下半身の筋肉は、ベッドなどで安静にしていると急激に低下します。 その低下率は、1週間の安静で20%。2週間で40%、 3週間では、なんと60%も低下するといいます。 こうして彼女は、ついに立ちあがる筋力すら失ってしまったのです。 その後、懸命にリハビリを重ね、何とか歩けるようになったK・Yさん。 今では、自ら積極的に外出し、元気な毎日を送っています。 高齢者にとって大切なのは、日々の外出と食生活。 肉類などもバランスよく食べ、 毎日しっかり出歩くことが、健康長寿のもとなのです。 あなたは最近硬い食べ物が苦手になっていませんか? よく つまずくことはありませんか? そして何より 閉じこもりがちになってはいませんか? 閉じこもりが意味するものは「歩かない生活」 歩かないことこそ 廃用症候群の最大の危険因子。 今回のホラーチェックは「歩数検査」 1日の歩数を計測 通常は10分間歩くと 1000歩、6~700メートル程度の歩行 65歳以上の高齢者の場合 1日の歩数が4000歩未満だと「閉じこもり予備軍」 <1日の目標歩数> 成人 男性 9200歩 女性 8300歩 70歳以上 男性 6700歩 女性 5900歩 骨折などの経験で痛み等がある場合は 医師に相談の上 無理ない範囲で歩くことが大切。 ■楽天「歩数計」で検索 ■「歩数計」売れ筋ランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.07.24 21:11:59
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