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カテゴリ:子宮筋腫・更年期障害・子宮がん・女性外来
本当は怖い家庭の医学(診察日:8月5日)
女性が恥ずかしくて受診しにくい病スペシャル 「女性が恥ずかしくて受診しにくい病<1>」 I・Sさん(女性)/36歳(発症当時) OL 結婚10年目にして子づくりを決意したものの、 なかなか妊娠の機会に恵まれないI・Sさん。 職場の先輩に相談したところ、産婦人科で不妊の原因を 調べてもらうようアドバイスされますが、 内診台の上で脚を開くことに抵抗があり病院に行くのを敬遠していました。 さらにその頃「子宮がん検診のお知らせ」が送られてきましたが、 こちらも診察されるのが恥ずかしくて行かずじまい。 そうして1年が過ぎたある日、 ピンク色のおりものが出ていることに気付いたI・Sさん。 すぐに生理が始まったので気にしていませんでした。 おりものは生理が終わっても出続けたばかりか、 はっきりとした血の色に近くなっているようでした。 急に言い知れぬ不安に襲われて不妊の原因もこれにあるのかと 思ったのですが やはり婦人科を受診する気にはなれませんでした。 ところがその日の夜 不妊のことをいろいろ調べた夫から 「二人で病院に行ってみよう」と言われ ようやく病院に行く決心がつきました。しかし… (1)ピンク色のおりもの (2)不正出血 病名 ⇒ 子宮頸癌ガン(しきゅうけいがん) <なぜ、おりものから子宮頸ガンに?> 子宮頸ガンとは、子宮の下の方、子宮頸部にできるガンのこと。 比較的無症状のうちに進行し、全身に転移して 最悪の場合、死に至ることもある病。 死亡者数は年間およそ2400人にものぼります。 子宮頸ガンは、子宮の上部にできる子宮体ガンと合わせて、 「子宮ガン」と呼ばれています。しかし両者は似て非なるもの。 子宮体ガンは、50代以降に多い病ですが、 子宮頸ガンは、最近20代、30代など若い女性に急増している病。 その発症原因も、女性ホルモンが関係する子宮体ガンに対して、 子宮頸ガンの場合はウィルス感染。 「ヒトパピローマウィルス」というウィルスが、大きく関わっているのです。 このウィルス自体は、女性の2人に1人が一生に一度は感染する と言われる、ごく身近なウィルス。性交渉によって感染するため、 経験のある人は誰もが感染の可能性があります。 しかし、感染した人全てが、ガンになる訳ではありません。 ガンまで進行する人はごくわずか。感染してもおよそ9割の人は 身体の免疫機能によって、ウィルスを撃退してしまうのです。 ところが残りの1割の人は、ウィルスが撃退できず、感染し続ける状態に。 そしてそのうちの1割の人が、異形成と呼ばれる前ガン状態に発展。 とはいえ、この段階でもまだ大丈夫。 徐々に正常な細胞に戻ることがあるのです。 ところが、中には正常な細胞に戻らない人も。 そしてガンという後戻りできない段階に突入してしまいます。 I・Sさんの場合、発見が遅れてしまったために、ガンは2cm程度にまで成長。 そこから直接出血し始めていました。 あのピンク色のおりものや不正出血は、 ガン細胞からの出血によって起きたものだったのです。 結果、I・Sさんは子宮の全摘出という辛い選択を余儀なくされてしまいました。 発見のチャンスは、子宮ガン検診にありました。 I・Sさんの場合、検診の案内が届いたあの時、 病変部は、まだ異形成か、ガンでも初期の段階だったと考えられます。 子宮ガン検診では、ガンへ発展する前の、 細胞の異変を高い精度で発見することが可能。 定期的に受診さえしていれば、たとえガン化しても、 早いうちに患部だけを一部切り取り、子宮を温存することも出来るのです。 しかし、I・Sさんのように産婦人科の検診に抵抗感を感じ、 受診しない人が多いのも事実。 実際に子宮頸ガンの受診率を海外と比較すると、欧米の70~80%に対し、 日本は23.7%。まだまだ受診率が低い状況です。 子宮頸ガンは、検診さえしっかり受けていれば、 ほぼ100%防ぐことができる病。 ガンの中でも、唯一予防可能なガンなのです。 あなたは不正出血をすることはありませんか? 子宮がん検診を受けていますか? そして何より 恥ずかしさから婦人科を遠ざけていませんか? ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ あなたの子宮を総チェック!子宮がん問診 子宮ガンには、「子宮頸ガン(子宮の入り口付近にできるガン)」と 「子宮体ガン(子宮の奥の内膜にできるガン」の2種類がある。 この2つのガンになっている可能性があるかどうか、問診でチェック。 問診 (1) 喫煙の習慣がある (2) 子宮ガン検診を受けたことが無い (3) 性交後に出血することがある (4) おりものに悪臭が伴う (5) おりものに血が混じることがある (6) 月経以外に出血することがある (7) 出産経験がない (8) 肥満気味である (9) 50歳以上である ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ (1)~(6)→「子宮頸ガン」の問診 (5)~(9)→「子宮体ガン」の問診 (5)(6)は共通項目 それぞれの病で3個以上「はい」があった場合レッドゾーン (3)~(6)は【レッド質問】 で 1つでも「はい」があったらレッドゾーン ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ おりもののニオイは人と比較することができないが おとものは正常な場合 ほとんど臭わない。 ガンがあると魚が混じったような耐え難い臭いが伴う。 また細菌が入って感染し膣炎になった場合もおろものに臭いが伴う。 膣から菌が検出された場合 薬による治療が必要。 おりものの量、臭い、痛みが気になる場合は婦人科を受診しましょう。 子宮けいガンは症状(性交後の出血等)が 出てからでも治療可能の場合もある。 ただしできる限り 無症状のうちに定期的な検診で ガンを予防することが大切。 子宮けいガン検診はどの位の割合でうけたほうがいい? 若い方は1年に1度。 高齢で性交渉の回数が減り 今まで問題のない方は間隔をあけても大丈夫。 ヒトパピローマイウィルスの感染は予防法は? 予防接種がある。 ヒトパピローマイウィルスの感染を予防するワクチンがある。 欧米では子宮けいがん予防ワクチンが使用されている。 日本では現在認可申請中。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.08.06 22:13:01
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