ネプクリニック開業(2009/9/8放送)より
180度変わる医学常識 今夜スッキリ解決スペシャル
石岡第一病院 傷の治療センター センター長 夏井医師
「すり傷を消毒・乾燥させるのは よくない」
太陽に乾かしたというのはかなり昔の話。
床ずれは1980年代までは太陽に当てて乾かしていた。
それで治らなかった。
そこですり傷を乾かしたら治らないことが判明した。
乾燥しなければすぐに治った。
消毒すると痛いが 何で痛いのか?
ばい菌と人間の体を比べると
人間の体よりもばい菌のほうが頑丈。
消毒によりばい菌よりも人間の皮膚が影響を受けていることも。
消毒液は最近よりも先に自然治癒力を持った皮膚の細胞を殺してしまう。
それは細菌と人間の細胞に違いがあるからだ。
細菌は細胞膜の周りにさらに頑丈な細胞壁という壁があるが
人間の細胞には壁がない。
消毒液で細菌を殺そうとして一緒に皮膚の細胞まで殺している。
傷口に砂などが入っていたら 水で洗い流せばいい。
以前は 手術した後 毎日消毒していた。
今は手術したら傷口にパック(ラップ)を張るだけ。
現状と新常識の徹底検証
番組スタッフの腕のすり傷で実験してみた。
傷口を乾燥させた場合と湿らせた場合の違いを調べる。
傷口をマイクロスコープで見ると傷口の表面は体液で濡れている。
傷口の半分は自然乾燥。
もう半分はウエットな状態を保つ。
ウエットな状態に保つのはプラスモイストという
汗を吸収しながら適度な湿度を保つシートを使う。
いつもどおりに生活しお風呂も絆創膏を張って入る。
2日後
自然乾燥はかさぶたになり 半分はウエットな状態。
かさぶたのほうはまだ傷口が目立つが
ウエットなほうは薄い膜を張ったように皮膚が治りかけ。
5日後
ハッキリ見た目にも違いがでた。
自然乾燥させていたほうは数日前からあまり変がない。
ウエットなほうは皮膚が滑らかなまま自然治癒。
これからはすり傷は乾燥させずにウエットに!
やけどをした場合も同じなの?
やけどした時に水道水に入れるが
入れているときは痛くないが あげると痛い。
やけどの時にラップを巻くと痛みがとれる。
つまりやけどの痛みは空気に触れる痛み。
空気を遮断すると痛みがなくなる。
日焼けして痛い時も…
ラップにワセリンを塗ったものを張ると痛みがとれる。
ラップの処置の注意点
汗がたまり蒸れて肌がかぶれる場合がある。
1日2回取り替えることが必要です!
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