|
カテゴリ:髪・美肌・顔面診断・小顔・紫外線・皮膚
みんなの家庭の医学(放送日:2010年8月3日より)
この夏こそ気をつけたい!虫刺されスペシャル 集団感染に注意!ヒトの皮膚に棲みつく虫 <実際の症例> Y・Tさん(55歳・女性)は、 今から3年前の夏、勤務していた老人福祉施設で、 入居者Sさんの右腕に湿疹のような赤いポツポツを見つけました。 とはいえ、本人はさほどかゆそうではなかったため、 しばらく様子をみることに。 しかし、Sさんの赤いポツポツが さらに広がっていたため、さすがに気になり内科を受診。 すると、お年寄りによくある湿疹という診断であったため、 かゆみ止めを塗って対処しました。 それから1週間、塗り薬が効いたのかポツポツは目立たなくなっていました。 ところが、最初の異変から3週間経った頃、Sさんの腕のポツポツは、再び悪化。 それどころか、左腕や上半身にまで広がっていたのです。 そして、指と指の間がカサカサになっていたり、 曲がりくねった線のような痕が何本かついていました。 さらに、なんと、他の入居者の腕にも、同じ赤いポツポツが見つかったのです。 これはただ事ではないと、すぐさま患者を皮膚科に連れて行ったY・Tさん。 すると医師は、思ってもいなかった病名を告げました。 集団検診を行った結果 入居者6名、職員5名 感染の疑いありでした。 <病名>疥癬(かいせん) 肌に起こる様々な異変の総称で、原因となる虫は、ヒゼンダニ。 ヒゼンダニは、人の皮膚に巣食う寄生虫。 体長0.4mmほどの極めて小さな虫で、 皮膚の上を歩いても、肉眼ではほとんど確認することができない。 紀元前から人間の身体だけを頼りに生き延びてきた虫で、 皮膚の角質層に潜り込み、繁殖していく。 ヒゼンダニとは? 一般的なイエダニとは違い、ヒゼンダニは人の血を吸いません。 しかし、角質層に侵入したヒゼンダニに対して、 アレルギー反応が起きることで、赤いポツポツと強烈なかゆみが発生。 さらに、ヒゼンダニのメスは、角質層にトンネルを掘り、 次々と卵を産みつけていきます。 これこそが「疥癬トンネル」と呼ばれる、特有の症状。 手に現れた曲がりくねった線のようなものはまさに、 ヒゼンダニのスイートホームだったのです! 実は、若く免疫力の高い人の場合、感染しても自然に治ることが少なくありません。 ところが高齢者などの免疫力の低い人は治りにくく、重症化の危険まで。 通常の「疥癬」はそう簡単には感染しませんが、 重症化した「疥癬」は角化型と呼ばれ、 皮膚がボロボロになるだけでなく感染力が飛躍的に上がります。 高齢化社会を迎えつつある今、疥癬患者が急増。 12万人以上がすでに感染していると考えられています。 今回 集団感染したヒゼンダニはどこからやってきたのでしょうか? 思い当たる節がありました。 2007年 初夏の頃(3ヶ月前) 3日間だけ滞在するショートステイに一人の男性が訪れました。 この男性の腕には湿疹のような赤いポツポツがあり 手はひどくカサカサし皮がポロポロ落ちる状態でした。 おうちの方の話によると皮膚科を受診しており 湿疹という診断でお薬を持参しての来院でした。 実はこのお年寄りが重症の角化型疥癬を患っていたと考えられます。 そして共有スペースのテーブルに剥がれ落ちた角質が… 他の入居者が剥がれ落ちた角質に触れたことで ヒゼンダニが他の入居者に次々と感染 集団感染に至ったと考えられます。 Yさんの老人福祉施設では感染者全員が疥癬を完治しました。 疥癬は、症状が他の虫刺されとそっくりなため、専門医でも診断が非常に難しい病。 だからこそ、赤いポツポツが1週間以上続き、腕やお腹に広がったり、 疥癬トンネルのような症状が現れた場合は、この病を疑うことが大切です。 疥癬は簡単にうつる? 重症化した角質型疥癬は角質に触れただけでも感染する。 どの部分に症状がでやすい? 指の間 手首 脇 陰部等 症状が集中しやすいのが疥癬の特徴 初期症状はアセモ等湿疹の症状に似ている 専門医が診ても判別が難しいほど 家庭内で同じ様な症状が出ていれば疥癬の可能性を疑うべき 対処法は? 皮膚科の専門医を受診し 生活習慣等を細かく伝える 感染源を特定するため 塗り薬や内服薬を使うことでヒゼンダニの繁殖を抑えられる メディカル・チェック 「虫刺され痕検査」 ゲスト患者の全身の皮膚をくまなくチェック 虫に刺された痕を調べた 蚊に刺された痕が何ヶ月も残っている 蚊に刺されて掻きすぎると色素沈着を起こす 皮膚の細胞が壊れメラニン顆粒が散らばって起きる 蚊に刺されて痒みが強いとき 爪で十字をつけるのは? 痒みを痛みに変えるのは皮膚に傷とつけてしまうため 治りづらくなる場合もある 蚊に刺されやすい血液型はある? O型が刺されやすいというデータはある 実際に蚊が刺す時の特徴は 肌の乾燥度 体温 二酸化炭素の排出等に左右される 血液型だけで刺されやすいかどうかは決められない 今でも日本脳炎は蚊に刺されたらなる? 日本脳炎はコガタアカイエカで媒介する病 高熱を発し脳にダメージを与える 日本では年間数例しか発症していないが 東南アジアではまだ多いので要注意 ネコノミ・トコジラミの対処法 痕が残るためできるだけかかずに市販の痒み止めを患部に塗る 痒みが消えない 患部が広範囲の時は皮膚科の専門医を受診する お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.08.14 18:58:08
コメント(0) | コメントを書く
[髪・美肌・顔面診断・小顔・紫外線・皮膚] カテゴリの最新記事
|