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カテゴリ:子宮筋腫・更年期障害・子宮がん・女性外来
みんなの家庭の医学(放送日:2010年8月24日)より
切らずに治せる!患者に負担の少ない最新手術スペシャル 気楽に日帰り!子宮筋腫の新しい手術法 子宮筋腫は子宮に良性の腫瘍ができる病。 35歳以上の4人に1人が子宮筋腫を持っていると言われている。 良性のためガンのように死に至ることはないが 筋腫ができる場所や大きさによっては 過多月経など様々な症状が現れる。 44歳のTさんの場合 4年間筋腫による症状に悩まされ続けてきた。 月経時の出血はすごい量でコップ3杯くらい。 タンポンとナプキンを併用し手も2時間が限界だった。 どうにかならないものか4年前 産婦人科を受診。 すると医師は再発の心配のない子宮の全摘出手術を勧めたという。 ガンとか命に関わる病気ならともかく貧血と過多月経となると そこまで『切ろう』とは思わなかった。 全摘出手術以外にも筋腫の一部をとる核手術など選択肢があったが いつずれも3日から10日の入院は必要。 仕事が忙しく休みが取れないTさんは手術に踏みきれなかった。 子宮筋腫の手術の入院期間 全摘出手術 7~10日 核手術 7~10日 腹腔鏡下手術 4~5日 子宮動脈塞栓術3~4日 そんな彼女が知人に紹介されたのが新しい手術法 昨年末に厚生労働省が認可したばかりのなんと「切らない手術」 それも、日帰りできるという画期的なもの。 手術当日のTさんは切らない手術だけに安心感があるようで なんと“帰りに遊んで帰ろう”と思っているほどで 娘さんも同行していました。 正午に板橋中央総合病院に到着。 病棟の個室に通されて着替えなどの準備を行います。 ちなみにこの日 Tさんが持参したのは お出かけ用のバックだけで化粧直しの道具 お財布・ハンカチ・CD程度でした。 CDは先生に好きなCDを何枚か持参するように言われていました。 午後1時 準備が整い連れて来られたのは 画像の検査を行うMRI室。 実は MRI室で手術は行われる。 ポイントはMRIの台に組み込まれた最新の医療機器。 その名は FUS。 患者がうつぶせに寝ると台に組み込まれた超音波の発生装置が 虫眼鏡で光を集めるようにビームを照射。 60度から90度の熱を筋腫だけにあて壊死させる。 壊死した部分は徐々に周囲の組織に吸収され半分以下に縮小。 子宮内膜もほぼ正常に戻り過多月経も改善する。 通常壊死させられるのは筋腫の60%ほど 全て取り除くことはできないため再発のリスクはあるが 身体に傷をつけず症状は改善させることができる。 それこそがTさんが望んだ手術でした。 手には医師との連絡用コールスイッチが持たされます。 頭にはヘッドフォンが 医師がCDをかけました。 手術はおよそ3時間。 Tさんが持ってきたCDは長時間過ごすための必需品だった。 ただしベットにうつぶせになったら 照射ポイントがずれるため動くことはできません。 ストッパーでしかっりと固定されている。 他の臓器に影響を与えずどうやって子宮筋腫を治療するのか? 今回手術を担当するのは産婦人科の森田先生と放射線科の伊藤先生。 FUSは産婦人科と放射線科の二人三脚で コンピューターを駆使し筋腫だけを攻撃する手術なのです。 <新しい子宮筋腫の手術・FUS法> 【手術の流れ】 1)MRI画像に線を引き、 ビームを当ててはいけない場所をコンピューターに記憶させる。 2)子宮筋腫自体を線で囲い、コンピューターが照射するのに必要な場所を算出。 3)ビームの角度を微調しながら、赤いマークがグリーンになったら照射OK。 1つの丸につき、時間はおよそ2分。 4)照射が始まり、壊死させるポイントの温度が上昇。 患者さんが痛みや熱さを感じれば、温度を下げ調節。照射を繰り返していく。 5)1つのポイントの照射が終わる度に、 筋腫の壊死した部分が青い丸で表示される。 午後4時50分手術終了。 今回のTさんの照射では子宮筋腫の71%を壊死させた。 手術後とは思えない軽い足取りでMRI室から出て来ました。 後は帰りの支度をするだけ… Tさんは寝てしまったのであっという間に時間が過ぎたという。 普通の寝起きのように体調はとてもいいと言う。 Tさんは日帰りで そのままお食事に お酒まで飲んでいましたー <子宮筋腫メディカル・チェック> 1)月経の出血量が多い 2)貧血がある 3)下腹部が張ってきた 4)トイレが近い 5)便秘気味である 6)腰痛がある 2つ以上該当するとレッドカルテ 将来 子宮筋腫の手術を受ける可能性が高い人 FUSは誰でも受けられる? 全員が受けられるわけではない。 子宮筋腫の数が4個以上 1個の筋腫が10センチ以上の場合は受けられない。 筋腫の位置が悪い場合も受けられない。 妊娠を希望している場合はFUSを行わない施設が多い。 手術費用は? 保険適用外のため約50万円~70万円かかる。 妊娠中も子宮筋腫になる? 小さな筋腫が大きくなることがある。 女性ホルモンの分泌が多くなると子宮筋腫は大きくなる。 逆に閉経後の50代後半になると子宮筋腫は小さくなる。 50歳になったら安心? 生理の多い方はいるので安心はできない。 日本人の平均閉経年齢は51~52歳。 中には50代半ばまで生理のある方もいるので注意が必要。 レッドカルテの場合は 超音波検査やMRI検査など精密検査を1度受けましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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