カテゴリ:本
幻冬社文庫。
東京の旅行代理店で働く咲子は、故郷の徳島で一人で暮らす母・龍子が末期癌であと数ヶ月の命と知らされる。ちゃきちゃきの江戸っ子で、気風のいい母は、「神田のお龍」として、沢山の人々から慕われてきた。徳島に滞在し、母を看取ろうと決心した矢先、咲子は、母が自分に言わずに「献体」を申し込んでいたことを知る。それはなぜなのか?やがて咲子は、母が残した箱から、まだ会ったことのない父のことと、母の想いを知っていく―。 ・・・という内容。 最近、松嶋奈々子さん主演で映画化されていたので気になっていたのですが、職場の後輩が「原作を読みましたが、良かったです」とのことだったので、読んでみました。 タイトルの眉山は作品の舞台となっている徳島のシンボル的な山の名前。 物語は主人公の咲子のお母さんの慰霊式から始まる。 そこから、数ヶ月前のまだ闘病が始まったばかりの辺りに戻り、話が進んでいくので、まず、この気風の良いちゃきちゃきなお母さんが最終的にはお亡くなりになっちゃうんだということが分かります。 母親と正反対の性格の、ちょっとのんびりとした世間知らずな娘が、女手ひとつで育ててくれたお母さんの生涯というものに触れていく、という内容なのですが、すべてのシーンに於いてしみじみと涙が滲んでくるような話で、良い話でした。 作品の中で、徳島の阿波踊りについての表現が随所に出てくれんだけど、この表現が、やっぱりミュージシャンであるさだまさし氏のすごい所だと思います。 阿波踊りは観たことが無いので、観て見たいと思わされました。 映画は観ていないので分かりませんが、お母さん役の宮本信子さんは良いとして、ワタシの「咲子」は、松嶋奈々子さんよりももっと幼くてぼーっとしたイメージ。(松嶋奈々子さんの方が、もっとハキハキしてる感じ) 同時に、登場と共にお母さんに一喝される青年医師の寺澤も、もっと若い人のイメージ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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