カテゴリ:本
新潮文庫刊。
君はだめになんかなっていない。ひとりぼっちじゃない。それを忘れないで。 少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。どこにでもいる少年。転校生。言いたいことがいつも言えずに、悔しかった。思ったことを何でも話せる友だちが欲しかった。そんな友だちは夢の中の世界にしかいないことを知っていたけど。ある年の聖夜に出会ったふしぎな「きよしこ」は少年に言った。伝わるよ、きっと──。大切なことを言えなかったすべての人に捧げたい珠玉の少年小説。 (新潮社のサイトより) ダリオさんが買ったようで、家の本棚にあったので読みました。 作者は「自分によく似た子」のお話として、このお話を書き始めています。 主人公の小学生の男の子・きよしは吃音です。 お父さんの転勤が多く、その度に自己紹介をして、新しい環境に入っていかなくてはいけないのですが、残念ながら「きよし」の「き」はとても苦手な発音。 緊張すればするほど、どもっちゃうのです。 男の子は子供ながら、いや、子供だからこそ、苦労して葛藤して、半ば諦めながら、健気に生きていきます。 男の子が小学生のころから大学入試のころまでの事が短編で書かれています。 こんな本を読むと「かわいそう」と思いがちなのですが、彼等、吃音の子たちが欲しているのは、「同情」や「慰め」よりも、「理解」だということが分かりました。 彼等が話すのを、ゆっくり聞いてあげる心構えを持ちたいと思いました。 お話自体は優しい文章なので、子供(小学生高学年くらい)からでも読めます。 こんな本を読んでいたら、人の気持ちの考えられる優しい子になれるかもしれません。 ぜひ、少年少女に読んで欲しい本だと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009年01月16日 14時00分57秒
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