カテゴリ:本
新潮社。新潮文庫刊。
わたしはひどいことをしました。神さまはわたしたちをおゆるしになるでしょうか――。 コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引き受けることで熱帯魚を飼うのを許された。夜、水槽のある部屋で、おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような表情でコウコと話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が目にしたものは――なぜ、こんなむごいことに。コウコの嘆きが、おばあちゃんの胸奥に眠る少女時代の切ない記憶を呼び起こす……。 おばあちゃんの視点でおばあちゃんが『さわちゃん』と呼ばれた女学生だった頃の話。 それに、孫のコウコの視点での現在の話。 2つの話が交互に進んでいきます。 それぞれは関係無い様に思えますが、最後には巧く合わさり合います。 二人には不思議な調和が有り、お互いがその存在によって癒されて行きます。 キーワードはタイトルどおり『エンジェル』。 天使の彫刻、エンジェルフィッシュ、天使のようなおばあちゃん、などなど。 天使を描きながら、さりげなく人の心の裏側の暗い部分が浮き彫りになってきます。 でも、せつなさ、優しさがちりばめられていて、決して後味は悪くありません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010年03月29日 21時03分31秒
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