ソウル王国
韓国は、「ソウル」と「その他の地域」の2つに分けられている。大学も「ソウルの大学」と「その他の地域の大学」に2分される。日本とは全然違う。格差社会であり、ソウルと地方では、何から何まで、全部違~~~う。「ソウルに所在する大学を出た」人は、成功者であり、「ソウルに所在する会社に勤務している」人は、憧れの的。韓国の高校生の合言葉は、「イン ソウル」ソウルに所在する大学に行けるかどうか、が、人生の分け目。勝ち組になるか、負け組になるかの分け目。それが、いろいろな弊害を産んでいる。まずは、受験生の立場からいうと、推薦入学という随時受験の倍率が、ただ事ではない。住民自治センターの日本語クラスのチョーさんの息子さんは今、高3なのだが、ソウルに所在する全ての大学に、願書を出した。どこかの大学に引っかかってくれれば、という思いらしい。とにかく、ソウル圏の大学なら、どこでもいいと言う。そういう人が多いため、定員3人募集のところに、願書を出す学生が1,000人を超えた、という大学、学部もある。願書を出すのにかかる費用は、1校につき、7~10万ウォン。10校に願書を出せば、100万近いお金がかかるが、どこの父兄も、そんなのお構い無しに、何十校と、願書を出している。入試の面接の日になると、大学付近の交通がマヒ状態になる。なにしろ、3人しかとらない大学に、面接を受けるために1,000人の受験生、プラス、付き添いの父兄が押し寄せるのだ。1,000人のうち、3人しか合格できないので、ほとんどの学生は不合格。その波が、天安あたりにも押し寄せる。ソウルの高校生の多くが、滑り止めや本命の大学として、電車などで通える圏内の天安あたりの大学にも、併願する。天安の大学も、どこも、低いところで倍率7倍、高いところは50倍くらいになる。天安の高校生の多くは、願書を出せるところがない。チョーさんが、テンパりながら、「センセーも来年は我が身、ですよ~」と、不気味なことを言う。あぁ、我が家は、高望みはしてないんだけれど、成績上位者の皆さんが、こぞって願書を何十枚と出すのには、困っている。中下位圏の学生が願書を出せないじゃないの~汗;