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テーマ:スローライフ(924)
カテゴリ:スピリチュアル日記
ある夏の日、桃を食べた 夏休みのおばあちゃん家で、たくさん食べた。 小さい私は大の桃好き。 そうして、ああ、おいしかった・・・ と、思ったとき、ふと、手に残った種を見た。 大きいな~桃の種って。。
そうだ!おばあちゃん、これ庭に蒔いていい? おばあちゃんは、桃の種を綺麗に洗ってくれた。
そうして、一緒に、桃の種を蒔きに庭に出た。 この辺りがいいかな・・・ そうして、丁寧に土をかけ、水をやった。 大きくなりますように・・・
夏休み中おばあちゃん家に居たときは、毎日水をやった。 でもまだ芽は出なかった。(そんなすぐには出ないよ・・・) そうして、水をやりながら、いつも物干し竿の脇から 水色の空を眺めながら、庭でひとときを過ごした。
夏休みが終わって、おばあちゃん家を離れるとき、 毎日お水あげてね!といって、あとは、おばあちゃんにたくし、 私はまたいつもの生活に戻り、桃の種のことも忘れていった。
そうして、また次の夏が来て、おばあちゃんの家にいった。 ちょっと、大きくなっていた小さな小さな木 まだまだ何かわからない程小さかった 芽が出て大きくなってきたことに 心から驚いて、嬉しかった。
毎年、少しずつ、桃の木は大きくなった。 私も大きくなった。
ある時、おじいちゃんがお空に帰る日がやってきた。 おばあちゃんと一緒におじいちゃんを見送った。 その頃、桃の木は、私の目の高さくらいまで大きくなっていた。 まだまだ細く、花も実もなっていない。
それから、数年が経ち、 私は結婚し、ますますおばあちゃん家から遠くなった。 そうして、何年も訪れていない、ある日、 おばあちゃんが家をでて、病院へ入ることになり、 家には誰もいなくなった。
そういえば、桃の木はどうなったかな・・・ ある日私は思いだした。 もう、10年以上、桃の木を見ていない。 母に聞いてみた。 すると、庭にそういえば、梅みたいなのが 咲いてたし、実がなってたよ。 ほ、ほんと!? 嬉しい・・・・本当に実がなったんだ・・・ あれね、私がおばあちゃんと植えたんだよ~ 本当にすごいね~
そうして、喜んだ5日後、 家が取り壊されてしまった。
おばあちゃんは、今は病気で何も憶えていない。 元気だけど、赤ちゃんにもどっていくような感じ。 あの頃のあの桃の木。 おばあちゃんの記憶には残っていないかもしれないけど、 きっと見えない心のどこかに刻み込まれている。
一緒に大きくなった私にとって、 この桃の種は、私の中で、大木になった。 そして、甘い桃の実をつけた。
今、私も子どもがいる。 子どもに桃の種を残してあげたいと思った。 心の種を・・・
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Last updated
2006.04.24 21:55:45
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