名物駅弁「峠の釜飯」
いつも長野県に行くときには、関越自動車道、上信越自動車道を利用します。これらの自動車道ができる前は、東京からクルマで6時間もかかりましたが、いまでは、のんびり休み休み走っても3時間で行くことができます。電車なら長野新幹線もできて、東京駅から長野まで1時間、信越本線の急行なら3時間でした。45年ほど前、上野駅からジーゼル機関車で行くと、群馬県の横川駅で急峻な碓氷峠を越えるために機関車を連結します。碓氷峠を越えれば長野県の軽井沢ですが、そこまで登るにはアブト式という、ギヤが刻まれたレールに歯車をかませて登っていきます。急坂にバックしないようなシステムになっているわけですね。そのときに横川駅でしばらく停車しますが、決まって買ったのが「峠の釜飯」という駅弁です。その後、クルマで行くようになり国道18号線(中仙道)の横川に大きなドライブインがあり、本家と元祖が並んで「峠の釜飯」を販売していました。やがて上信越自動車道が開通。横川にサービスエリアができ、下り線で高崎の名物駅弁「だるま弁当」(確か高崎の近くの「だるま寺」にちなんで作られた弁当だと思います)、上り線で「おぎのや」の「峠の釜飯」が販売されるようになりました。上は横川SAです。シルエットになっているのは奇岩怪石の山容を見せる妙義山。非常に混雑しているのは、みなさん「峠の釜飯」を買うのを目的にしているからですね。店内に入るとこんな展示物がありました。釜飯も生まれてから50年になるんですね。確か45年前は250円~290円くらいで買えたと思いますが今は900円。しっかりと味がついた味付けご飯に煮付けた鶏肉、クリ、タケノコ、シイタケ、アンズの実、ウズラの卵などが入っています。昔に比べれば、お釜のサイズがやや小さくなったような気もしますが、味は昔と変わりがないような気がします。このお釜は、お茶碗に1,5杯ほどのご飯を炊くことができるために、持って帰るお客さんが多いようですね。地方に行ったときには、その地方の産物を使った駅弁を食べるのを楽しみにしていますが、今まで印象に残っている駅弁に北陸本線の「カニめし」、山形県は米沢駅の「牛角煮弁当」、京都駅の「精進弁当」、函本線、森駅の「いかめし」などがあります。駅弁は旅の雰囲気を高めてくれるアイテムとして欠かせないような気がします。