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カテゴリ:研究者のつぶやき
先日、太陽系の縁辺で、どうして、太陽系境界から星間空間(interstellar space/medium)への遷移領域で、内側からtermination shock、heliosheath、heliopauseの順番になっているのだろう?と疑問を呈したわけですが、見つけたScienceの記事からバックナンバーを辿って、答えを見出しました!
おさらいをすると、太陽と地球磁気圏の間では、太陽側から(地球磁気圏内に向かって)、bow shock、magnetosheath、magnetopauseの並びになっています。 で、答えですが、 (1) 太陽系も(総体として)星間空間及び媒質間を超音速(supersonic)で移動している、もしくは、太陽系に対して星間風(interstellar wind)が超音速で吹いている場合は、bow shockの形成はあり得るだろう。これは、まさに太陽風と地球磁気圏の関係と同じです。 (2) termination shockは、星間媒質によって、超音速(太陽風)が減速され、亜音速(subsonic)になって結果、星間媒質と”混ざる”過程である。急激な減速も擾乱的な遷移領域を作るので、shock領域には違いないわけです。 地球磁気圏内にも、超音速になる極風(polar wind)が無いわけではないのですが、文字通り、極域という限られた領域からしか吹き出さないし、吹き出した粒子風は地球磁場内に閉じ込められたまま、地球磁気圏内で循環する(と思われていますが、あまりよく分かってないのが実状です。今、この辺のことを含めた研究をやっています。)だけなので、地球近傍にはtermination shockは出来ない、というわけです。 それにしても、ボイジャー1号が太陽系境界領域に入っていったのが2004年。ボイジャー2号はちょっと遅れてだったけどそれでも数年前。 この後、ボイジャー両機は星間空間に出た後、近い将来どこかで太陽系外知的生命体とかに出会うのでしょうかねぇ~。個人的に凄く楽しみなのですが・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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