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カテゴリ:妄想
ある日、神様がぼくの前に現れた。
そして、ある約束をしたんだ。 数日後。 ママがボクを病院へ連れていくって、キャリーバッグを持って持ってる!! やだなあ。病院嫌いなんだってば!! 茶の間のボクの毛布に座って、まったりしたかったんだけど、ママはボクを病院に行くよ~、お薬もらって帰るだけだよ、怖くないよ、って。 けど、ボクは嘘だ!絶対チク!って痛いことされるんだって知ってるから、ボクはトコトコ部屋の中を逃げた。だけどまんまとママにつかまって病院に連れていかれたんだ。 嫌だよ~。ママ、病院嫌だよ~!!って、車の中でもすっごくアピールしたんだけど、ママは、 「大丈夫、大丈夫。ちょっと検査して、お薬もらうだけだから、我慢してね?」って言いながら、ボクのことを撫でてくれた。 病院に着くと、ボクは急に気分が悪くなった。 バッグから出たいよ、ママ、開けてよ?って、にゃ~にゃ~お願いして、顏だけ出させてもらった。 けど、落ち着かなくて、無理やり手を出してみた。 ん?出られそうだ。 今度は足も出してみた。やった!出られる!! ぶうくん、ほかにも猫さんいるんだから、出たらダメだよ?って、ママに抑えられた。けど、ママ。ボク気分悪いの。ねえ、出して? ボクはまたバッグに入れられたんだけど、気分が悪くてたまらなくなって、籠の中でひっくりかえった。 ママの悲鳴が聞こえた。 ぶうくん?ぶうくん!?大丈夫? すみません、うちの子が急にひっくりかえって血を吐いたんですけど、急いで見てもらえませんか? ボクは白い服を着たおねえさんに抱えられて一人で中に連れて行かれた。 べろに何かつけられて、口から酸素を送られた。 しばらくして、白い服を着たおねえさんの一人が、ママにこう言った。 とても危険な状態です。間に合わないかもしれません。処置をしますか?それとも… できること、なんでもしてあげてください!助けて下さい、お願いします!! ママは泣きながら言った。泣きながらっていうか、途中からは、もうなんて言ってるのか、ボクにもよく聞き取れないくらい泣いてた。 レントゲンを撮ります。そういって、ボクは別のお部屋に連れて行かれた。ママ、ボク大丈夫だから。泣かないでよ… レントゲンを撮ってしばらくして、ボクは心臓停止です、って言われた。それを聞いたママは、 お願いです!そっちに行ってはダメですか?もうダメかもしれないなら、一人で逝かせたくないです。 そういって、ママはボクのお顔の前に来てくれた。 ボクは、心臓マッサージされながら、かろうじて生きていた。 肺に溜まっていたという血をチクってするやつで抜かれながら、ボクはどうにか生きていた。 ママは、ずっとボクのお顔を触ってくれた。ぶうくん、大丈夫。ぶうくん、頑張って、って。 ママ、大丈夫だよ?ボク約束したから。だから泣かないで? ああ。でも、ママ。ボクちょっとしんどいよ。もう心臓動かないよ… ママ。ママ。。大丈夫だから… ボクはそのまま意識もなくなり、どこにいるのかわからなくなった。 ママの悲鳴と叫び声が聞こえた気がする。 数日前。 神様ってひとが現れてボクにこう言ったんだ。 「ねえ、わたし神様。実は、君にお知らせがあるんだ。 君、どう頑張っても、あと10数年しかママさんとはいられないんだよ。知ってる?」 知らないよ。なんで?あと10数年ってどのくらいかわかんないけど、短いのは嫌だよ。 「実はね、君のママに、子供ができるんだけど、今なら君がその一番の候補なんだよね。どうする?」 何それ?どういうこと? 「君がママの子供になったら、あと60年くらいは一緒にいられるってこと。どうかな?」 60年?そっちの方がいい!ボク、どうしたらいいの? 「そっちがいいんだね?じゃあ、そうしよう。一回君はママとお別れしなきゃいけないよ?けど、それはしばらくの間だから。あ、それとね。君、今の記憶なくなっちゃうけど大丈夫かな?」 記憶が?それはちょっと嫌だなあ。けど、ママは無くならないんでしょ?ママに忘れられるのは嫌だよ! 大丈夫。君のママは君を忘れないし、君のことに気づいてくれるよ。 「ボクはどうなるの?どうしたらママの子供になれるの?」 それは、まかせてくれたらいいよ。 そして、ボクは戻ってきた。ママは、いつもボクのことを可愛い私のベイビー!って言ってキスしてくれてたけど、ボク、本当にママの子供になれるんだよ。 だから、毎日泣かないで。ボクのお墓を見て泣かないで。 と。いうことが最近あったと思うのですが。 残念ながら、やはり、私の中で赤ちゃんは育つことができませんでした。 妊娠はできるのにね…なんで育ててあげられないんだろう。 と、いうことで。ぶうくん、もう少し待っててね? 神様が嘘ついたんじゃないの。ママがちょっとダメだったみたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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