カテゴリ:Midnight
1823(文政6)年、シーボルトが初めて日本にやってきたときのこと。
シーボルトは長崎の出島に着くやいなや、役人たちと会うことになったのだが、 その時その場にいた通詞がシーボルトのオランダ語の発音がおかしいと騒ぎ出した。 ドイツ人であったシーボルトのオランダ語は、かなり流ちょうだったろうが 微妙な違いは消すことができなかったのだろう。 通詞たちはオランダ語の読み書きはできないが、会話はしょっちゅうしているので オランダ語の発音にはかなり敏感だ。事実、シーボルト以前にもイギリス人(?)が 日本を調査しようと出島に来たことがあったが、通詞にオランダ人でないことを 見破られて強制送還となったことがあった。 通詞たちに疑いのまなざしを向けられたシーボルトは、どのようにしてこの苦境を脱したのだろうか。 シーボルトは、余裕の笑みを浮かべながらなのか脂汗を額に滲ませながらなのかは 記録に残っていないが、このように言ったそうだ。 「私はオランダの山岳地方出身で、ひどい田舎のために言葉に訛りがある」 通詞たちはこのシーボルトの弁明聞いて、納得したのか一抹の疑いを残したままなのかは 記録に残ってないが、とりあえずシーボルトが出島に逗留することを認めた。 それにしても「この世界は神が造りたもうたが、オランダはオランダ人が造った」と言われ、 国土の4分の1が海面下にあり高い山など全くないオランダの、山岳地方出身とは よく言ったものだと思う。 キチンと調べたわけではないが、これが記録に残る日本人が聞いた外国人のジョークの 最初のものではないだろうか。 以上、授業の際のネタ帳からでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[Midnight] カテゴリの最新記事
|
|