横浜トリエンナーレのパフォーマンス(その日のチケットがあれば、無料でみれる)として、2005年の初演から話題になり世界中で上演されている「ピチェ・クランチェンと私」を観てきました。
パフォーマンスといっても、ふたりの対話そのもので、愉快で興味深いものでした。
タイの伝統舞踊とフランスのコンテンポラリーアーティスト、東、西、旧、新というそれぞれの方法や考えをわかりやすーく教えてくれる教材のようでもあります。
○ピチェ・クランチェンと私
タイを代表する古典舞踊の名手ピチェ・クランチェンと、フランスの振付家ジェローム・ベルのコラボレーションによる、二人の身体表現と会話で構成された作品。
(同時通訳有)
日時:2008年11月1日(土)18:30-/11月2日(日)12:00-
会場:赤レンガ倉庫1号館3階ホール
<ピチェ・クランチェンと私> ご入場について
11月1日(土)は17:00より、2日(日)は10:30より、赤レンガ倉庫1号館3階ホール受付にて、整理番号付き入場券を配布いたします。「横浜トリエンナーレ2008」チケット1枚につき、1名様分の入場券をお渡しいたします。
*開場は開演の15分前。入場券の整理番号順にご入場いただきます。
*上演時間は105分です。
*客席数に限りがございます(80席を予定)。入場券の予定枚数が終了しました場合は、なにとぞご了承ください。
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偶然、会場でであった手塚夏子は、このピチェ・クランチェンとジェローム・ベルと、まさにおとといまで、インドネシアのアジアダンス会議でいっしょだったとか。
一方やはり会場には横浜トリエンナーレサポーター広報部の人たちがいたので、「夏子といっしょに楽屋にいってゲリラ・インタビューしてみる?」と聞いて、飛び込んじゃいました。
赤レンガ倉庫のヨコトリ担当者が偶然ふたりとも知り合いだったので、はじめに聞いたときには、「今朝日本についたばかりで、けっこう疲れているから無理かも」と舞台の雰囲気とはちがって、かなりやばいムードなのかと思いきや、、「わたし、フィリップ・ラルーのともだちでーす。ちょっとインタビューさせてもらえないですかー?」というと、「どうぞどうぞ!」と自分から椅子にこしかけてくれた。
だいたい、ジェロームが、舞台と同じように、ノリがよく、ピチェのほうが、保守的な感じなんだけど、ジェロームが「いいじゃーん」みたいにいってめちゃくちゃおしゃべりするので、結局、20分くらいインタビューできました。
絶対に無理っぽかった写真も、「最後に1枚いい?」といったら、「どうぞどうぞ!」
ピチェは苦笑していたんだけど、ジェロームが「僕が君の顔を隠すから大丈夫!」っていって、結果、おもしろい写真がとれたかも。
*写真や詳細記事は、横浜トリエンナーレのフリーペーパーでみてくださいねー。
わたしの記憶で内容を要約すると
・はじめは、お互いにお互いを関心ももっていなかったんだけど、なにかでふたりでトークする機会があり、それを見ていたベルギーのキュレーターから、「おもしろいから、ブリュッセルでやって」といわれて、疑心暗鬼ではじめたのが、すごく受けたので、そのまま世界中をツアーしている。
3年間で、すでに170回くらい公演をしている。
・これは、シナリオはないが、即興ともいえない。
だいたい同じ内容を毎回少しずつ変化をつけて上演している。
たとえば、今回でいえば、「14年間(戦争をしている)」という部分が、はじめての付け加えたところだ。
なので、毎回、公演の長さもちがう。
観客の反応が悪いと短くなり、一番短かったときは、スイスの1時間。
一番長かったのは、2時間10分。
(どこだか忘れたというジェロームに対して、ピチェが「フランスだよ」)
ちなみに本日は1時間40分といってました。
日本の観客は、同時通訳による反応の遅れはあったものの、
想像以上に反応があったといって喜んでいました。
*シナリオを書かないから「エコロジーなんだ」ともいってました…
・コーンというタイの伝統舞踊のダンサーであるピチェにとって、この公演は「難しくないのか?」と聞いたけど、「分けて考えているし、特に難しくない」
ジェロームにいたっては、「この公演をやってから、一度も「金返せ」といわれたこともないし、以前「金返せ」といった人でさえも、この公演はほめてくれる。」
これは、聞けなかったけど、お互いにとって、お互いの活動をプロモーションする機会としても意識しているのではないか、とも思いました。
*公演中に、ピチェは、「コーンは、あるときを境に西洋化を進める政府に否定をされ、今は観光コースのひとつとしてしか扱われていないので、タイの若い人たちは興味をもたない」といい、ジェロームは、「現代美術はリサーチして、まったく新しいことをするのに価値があるので、バレエなどプロフェッショナルなスキルを必要とするような観客の予想するものを提供してしまったら、現代美術ではない。だから、予想を裏切られたから金を返せといわれても返金する必要はないのだ。」という。
□タイ文部省認定舞踊学校「タイ舞踊について」
□日タイ文化交流センター「タイ舞踊のご紹介」
*タイ舞踊一日体験コースもある!
・コスチュームは、ピチェは動くので多少踊りやすい服装を意識しているかもしれないが、まったくの普段着。
他人を演じるわけではないので、打ち合わせなんかしたことがない。
わたしが、「だってジェロームのスニーカー、穴あいてるもんね」というと、「そうなんだよねー。買い物している暇がなくて。よし、横浜では、トリエンナーレを見て、買い物をするぞ!」
ちなみに、三渓園のKISSで、物議をかもしているティノ・セーガルは、ジェロームの仲間だそうです。
公演中にもあったジェロームの「レッツ・ダンス」(20人のパフォーマーが勢ぞろいして、デヴィッド・ボウイのレッツダンスに合わせててきとうに踊り、その後、観客ひとりひとりを見るというパフォーマンス)にも、ティノ・セーガル自身が、出演したことあるそうです。
KISSもみたことあるっていってましたが、「三渓園は絶対みるべき!」と薦めておきました。
スニーカーも買えないほどハードスケジュールの二人は「バスで30分」と聞いたらめげていましたが、「日本人はセックスしていると思って拒絶している」といったら、かなり興味津々でした。
□theatre note「29, 2006MIAF: Pichet Klunchun and Myself 」
*オーストラリア、メルボルンでの公演についてかかれています。
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○2008年11月2日(日)横浜トリエンナーレ「フランス・デー」
ナショナルデーの情報はほとんどネットにありません。
メイン会場にもチラシを見受けられませんでしたが、イエノイエにはチラシがありました。
以下、会場はすべて赤レンガ倉庫の3階です
12:00~「ピチェ・クランチェンと私」
15:00~ クレール=メラニー・シニュベール トリオコンセール
Claire-Mélanie SINNHUBER TORIO CONCERT
演 奏 ヴァイオリン 富山ゆりえ /ヴィオラ 東義直 /チェロ 長明康郎
15:30~イザベル・デュトワ( ヴォイスパフォーマンス) +田中悠美子(三味線)
16:30~パネルディスカッション
「国際的であるか否か」アーティストの海外進出をめぐる考察
18:30~ 実験音楽 アンヌ=ジェームス・シャトン+アンディ・ムーア
サウンド・ポエットのアンヌ=ジェームス・シャトンは、ヴィラ九条山のレジデント。 Al Dante社より音響詩の本を複数出版。オランダのロックグループ The Ex とアルバム、ドイツ人作曲家 Carsten Nicolaï とCD/LPを発売。現在、イギリス人ギタリスト Andy Moor とデュオ・アルバムを制作中。
19:00~ショートフィルム「日本の寺院」ジャン=シャルル・フィトゥシ
20:00~テレビの24時間(フランスのテレビ番組セレクト)
12:00~18:00は、当日のヨコトリチケットがあれば無料。
18:30~の実験音楽+19:00~ショートフィルム上映+20:00~テレビの24時間の上映は、すべて、ヨコトリ終了後なので、ヨコトリチケットなしのまったくの無料だそうです。
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