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カテゴリ:すごモノ!
夕方、ひさしぶりに、時間を忘れて本を読んだ。 仕事の資料以外で読書をするのは、 たぶん今年初めてではないだろうか。 ちょうど朝、近所の図書館が 本のリサイクルをやっているのに出くわし、 野球と山登りのドキュメント本を8冊くらいもらってきていたのだ。 野球の本をなんとなく読み始めた。 その中で、あるピッチャーが 「どうすれば、右打者の外角のキラキラ光る線が見えるようになるだろうか?」 と言っていた。 最初、「いったいなんだそれは?」という感じだった。 しかし、その理屈は分からないことはない。 たしかに、線を基準にすれば、微妙な配球は思いのままになるだろう。 このことばは、私にとって、イチローが高校生の頃言ったという 「ピッチャーの足元を抜くヒットならいつでも打てますよ」 よりインパクトが大きい。 しかも、その線はなぜキラキラしているのだろう。 野村監督なら若い頃でも「キラキラした~」なんて間違えても言わないはず。 なぜこのピッチャーは、自分の投球術を「キラキラ境界線」という表現で より上の次元へ持っていこうとしたのか? まったく科学的には説明できないけど、 僕はそういった「念ずれば通ず」みたいなものは存在すると思う。 基本的に、人って気分屋さんだと思うから。 夢とか恋愛とか理想とか何かがあれば燃えられるのである。 そして無茶もきく。 だから、彼にとって、このキラキラは 見えそうで見えないチラリズムの先に存在する希望だったのではないかと思う。 そしてキラキラ境界線を求め3年目の春、ついに彼はそんな目が持ててしまった。 「右打者の外角に、くっきりとキラキラと光る線が見えた!」 と言い、結果、その年23勝8敗という好成績を残した。 28番という完全数の背番号を背負った 江夏豊とキラキラ境界線のS47年の出来事だ。 そんなロマンチストな一面があったからこそ、「博士の愛した数式」で 博士は彼の退団を悲しんでいたのではないかと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Feb 26, 2006 10:46:25 PM
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