旅の空はうわの空 ～空感工房 ～

わたしはスピード狂だ。
（最近、そんな言い方が残っているのかどうか知らないが）
とにかくかっ飛ばすのが大好き。
スローライフなんてどこ吹く風である。
こけて吹っ飛ぼうがなんだろうが、昔からそういう性分である。
まあ自転車オンリーなのだが。
山頂から道路をだーっと下りつつ、しかもこぐのが大好き。
職場が坂のかなり上にあったから、毎日そこを自転車でくだって帰るうちに
うちのマウンテンバイク君では６４キロまでは出すことができた。


そんなわたしが自転車をちんたらこぐことに開眼した！
場所は、瀬戸内のしまなみ海道。

以前、春の南房総をうちのマウンテンバイクで走っていたとき、
「時速２０キロくらいがたのしそうだなあ～」
と、軽くこいでも３０キロは自然に出てしまう平坦な道で思っていた。
２０キロ、、、お散歩ペースだ。
まわりをのんびり見ながら走りたいなあと思った。
そして、２０インチの折りたたみ自転車ならそれができるのでは？
と思って購入したが、あまり達成感はなかった。
しかし今回、２６インチのママチャリ、しかもレンタサイクルで
新たな次元に突入した！
ちんたらが無茶たのしいのだ！

てきとーに鼻歌でも歌いながら、
…いや、鼻歌レベルを超えカラオケボックスレベルのボリュームだったか、、、
とにかく人がいなくだだっ広いので、歌いたくなる。
しかも、なぜか校歌！
小中高の校歌は「さざなみ」「せとうち」といった単語をちりばめた
のんびりした曲調なので、風景にかちっとはまるのだ。
しばらく歌いながら走る。
すると、すこし元気がほしくなる。残念ながら高校までの校歌はあまり覇気がない。
そこで登場するのが、大学の校歌だ。
やや軍歌チックな曲調が気合いを入れろとわたしを煽る。
そういえば、大学の校歌なんて歌った場は体育会某部活の年間の定例会だけだ。
なんとなく当時を思い出して、背筋が伸びてくる。
ビール注ぐときは、ちゃんとラベルを上に！（笑）な感じだ。

そして山あり谷あり海あり、お日様あり。
たいしてすすんでないけど、なんだか妙におもしろい。

このしまなみ海道、実は昨年マウンテンバイクにキャンプ道具を積んで
渡りきっているのだ。
その時はまるでノルマをこなすかのような走りだった。
あれはいったいなんだったんだろう。

今回は距離にすると、その５分の１くらいしか走っていないけど、
心から楽しめたのだ。


次はゆったり手漕ぎボートに挑もう。