旅の空はうわの空 ～空感工房 ～

月曜の夜、旅のバカに徹して徹夜作業をしていたら、風邪を引いた。
「バカは風邪を引かない」ということばをちょっと疑いたくなった。
しかーし、やらなきゃいけないこともたーんとある。
来週は取材もあるし、困ったなあ、あれこれ片付けとかないといけないぞ。
まあ、医者に行った。

…風邪を治すためではなく、仕事で。

今回はマスクして自転車に乗って出かけた。
でも、マスクなんかしてると
病人は、はた目にまず陽気には見えないので、
悪そうな人っぽくて困る。
　　　　（あくまで「っぽくて」と断定）

特に夕方なんてたまったものではない。
しかし、風邪が悪化するのはまた困る。
でも、悪人っぽいのはやだなと思いながら、しばらく走る。
あっちへこっちへ病院に５軒行った。ラストひとつだ。

しばらく後、東京タワーの横を通る。
最近、夜にオレンジ色に輝く東京タワーを見ると、
ほろりとしそうなのはなんでだろう？
ドラマは見てないので、その影響ではないと思われる。
なんだか綺麗なのだ。
怪しげな、だけど静謐な綺麗さ。
それを四方八方からしばらく眺めることができる。

走っていると、
２人組みの２０歳前後の女性が何組も
閉まった店の軒先に丸まって寒い風を避けているような
地域もある。
みんなお金持ってそうなのに、なにやってんだろ？
しかも、なんでみんな２人組み？よくわからん。

追い抜いてはいけないような気のする
仲の良さそうな老夫婦にもよく会う。

サラリーマン３人組というのもよくある組み合わせ。
これまたなんでだろ？

いつも夕暮れ時に店の前にぼっと立っているキムチ屋のおやじ。
なにしてるんだろ。
（実は哲学者とか？）


６軒全部終了。急におなかが減った。
なにか食べて帰るかなあ。
…あちゃー、きょうはご飯をセットしてきてた！！

やむなく、
この前買ったばかりのオーディオプレーヤーで
アップテンポな曲を聴き、
限界を超えている食欲をだましつつ
なんとか家に戻ったのであった。

そうやってるうちに、風邪はよくなった。
一応、すべて事実ですが、
これを真似ても、たぶん風邪はよくならないと思われます。

はい。