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中国茶・台湾茶と旅行 あるきちのお茶・旅行日記(旧館)

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2010.01.24
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カテゴリ:中国茶入門編
予定を少し変更して、1つ1つの資格プログラムについてもう少し掘り下げて紹介したいと思います。
3つの国家資格のうち、特に茶芸師と評茶員について、ご紹介します。
#茶葉加工工は、国内にそんなにニーズはないと思うんですよね。茶農家さんとかぐらいじゃないでしょうか。

まずは人気の茶芸師から。

<茶芸師のプログラムについて>


茶芸師は、茶館で働く従業員の能力認定を目的とした国家資格です。

各ランクの資格と茶館の従業員の関係をざっくりと表すとすると、

初級 ・・・ 一般社員
中級 ・・・ 中堅社員
高級 ・・・ 主任
技師 ・・・ 店長
高級技師 ・・・ 複数店舗を束ねるマネージャー


というイメージですかね。

労働資格なので、厳密には実務経験があることが資格の要件になっています。
とはいっても、日本の団体経由の場合は、推薦を得るという形でこの部分はOKだったりします(もちろん、上に行けば行くほど、推薦を得にくくなりますが)。

上級資格になってくるとスタッフの指導をどうするか、とかマネージャーとして茶館の経営ができるか、なんてのも資格認定の要件に入ってきます。
このへんは、日本人のお茶好きさんが受講するとなると、やや「いらないなぁ」と思う部分でしょうね。


さて、初級~中級茶芸師では、茶芸師の第一段階として、

茶館の従業員として、お茶をきちんと淹れ、接客ができるかどうか

を問われます。

この要件に応えるために、初級および中級茶芸師のプログラムでは、一通りのお茶の淹れ方とそのポイント、礼儀作法を学ぶことができます。
このあたりが、茶芸師の資格が日本でも人気のある理由なのかもしれません。


・・・とはいえ、初級~中級茶芸師の講座で教える、お茶の淹れ方のポイントなんてのは、

実は大したことではない

と思います。

実際、茶器を温めろとか茶葉の量とか、水温とか茶器の選び方(ガラス?磁器?茶壺?)ぐらいのものです。
多少まともな中国茶の先生なら、普通に教えられるレベルの話です。
#勘違いしちゃいけませんが、地元産のお茶以外飲んだことがない中国人というのは、想像以上にたくさんいるのです。そんな人たちにも教えるプログラムですから。下手をすると、日本人の方が色々な中国茶を飲んでいたりします(^^;)

美味しいお茶の淹れ方というのは、各人が自分で色々お湯の温度や湯の差し方などを、あれこれやってみて見つける必要があります。試行錯誤の時間が要りますから、短期間の集中講座に求めるのは酷でしょう。


むしろ、中級までのプログラムの主眼は、

中国の茶芸の”型”を習得すること

だと思います。

初級~中級は規定の演技(入場から退場まで)をきちんとこなすことが要求されるのですが、その過程で、手の動かし方や立ち振る舞いを徹底的に修正されます。
茶芸では何気なくしているように見える動作にも”意味”があるので、その動作を無意識にできるようになるまで叩き込まれるのです。

養成講座は大体1週間ぐらいの短期決戦。
お茶の淹れ方の手順を数種類覚えるだけでも大変だと思うのですが、そちらに気を取られると、所作について先生から厳しい指摘が飛んできます。

・・・まあ、少し予習しないとパニックになるようですね(^^;)
大体、受講生は「ものすごい大変だった」と口を揃えて言います。

短期間の講座とはいえ、やはりこれをくぐり抜けてきた方の茶芸というのは、一本、ピンと筋が通っている所作だと感じます。見よう見真似でやっている茶芸とは、全然違うレベルのように感じます。
#もちろん、好みはあると思いますけど。

そして、高級になると、規定の演技に加えて自由演技が出てきたり、お花の生け方を習ったり、茶館の経営ということについても学ぶことになります。
大体、ここまでできると一人前の茶芸師という扱いなんだろうと思います。


守・破・離という表現に置き換えれば、

  • 中級ぐらいまでは”守”

  • 高級が”守”と”破”の両方

  • 茶芸技師以上は、”破”や”離”


になるのではないかと。


茶芸技師に進むと、今度は教える側の立場になってきますので、茶芸の教授法も学びます。
実際、中国の茶芸師取得のための講座で教える人は茶芸技師以上の資格でなければならないと、中国の国家標準で規定されています。
#一部は高級茶芸師でも可。

でも、ここまで行っている人は、日本人では少ないですね。
論文も書かされたりしますので、茶芸を本当に究めたい、という方や将来的に指導する立場を目指すのであれば、日本人でも取る価値はあるのかもしれません。

何人か茶芸技師をお持ちの方々を知っていますが、台湾の茶藝コンクールに出場して優秀な成績を収めている人もいます。
日頃から研鑽を積んでいる方は、日本でも中国でも台湾でも通用するんだろうと思います。


中国は昔から、唐で重用された阿倍仲麻呂のように、優秀な人間は国籍問わず引き上げるという土壌がありますから、国際的に活躍する方向性を目指すのも悪くないと思います。
あくまで現地のものなので、現地の考え方を尊重することは必要ですが、そこに日本人の美意識を加えて、新しい世界を開いていくことはできると思います。
上手くやっていけば、お互いの茶文化の発展につながると思うのです。


「中国の国家資格を教えるのには興味がない」という方であれば、程々のところで切り上げて、台湾の茶藝や独自のお茶の淹れ方などを追求していくのもありではないかと思います。
中国の国家標準的茶芸はあくまで茶芸の1つの形でしかありませんから、これにこだわりすぎる必要はないと思います。


総合的に見ると、茶芸の1つの型を短期間で学べるという点では、時間はあまりないけど、茶芸をきちんと勉強してみたいという日本人にはピッタリなのかもしれません。
逆に言うと、取っただけでは大した実力にはなりません(←失礼)ので、その後、資格にふさわしい実力を身につけるように、練習を欠かさないことが大切だと思います。


次、評茶員のプログラムについてご紹介します。

続く。


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やっぱり長くなりそうだ・・・orz





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Last updated  2010.01.25 06:52:15
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