花粉症に効くお茶を考える(1)-凍頂烏龍茶騒動を振り返る
そろそろシーズンが終わりそうなのですが、このタイミングで敢えてこのお話を。確か2003年だったと思います。某局の人気テレビ番組で「凍頂烏龍茶に含まれるメチル化カテキンという成分が花粉症に効く!」という話題が取り上げられ、凍頂烏龍茶が一時期、大変なブームになったことがあります。が、当時は、・(現在に比べると)研究初期段階で根拠となるデータが充実していなかったこと・そもそも、本当はメチル化カテキンの含有量が多い「べにふうき」を推したかったのだが、生産量が少なかった。そのため、次善策として凍頂烏龍茶が取り上げられたという側面があったこと・お店などの流通サイドで十分な知識や情報が行き渡っておらず、きちんとした売り場展開もできぬまま、完全に機会ロスを起こしたこと・ブームに目をつけ「凍頂烏龍茶という名前なら何でも良いだろう・・・」と茶の知識を正確に持ち合わせていないような人々が、粗悪なお茶を持ち込み、特売したことなどから、結果的に、「効かなかった」「大して美味しくない」というマイナスの印象を持った人たちを量産しただけに終わったというのが私の見立てです。そう言い切ってしまうのは、「花粉症に効くからと飲み始めたんだけど、美味しくて今では中国茶(台湾茶)の大ファンよ♪」という方に、今まで1人もお目にかかったことがないので。多分そういうことなんだろうと思います。健康の切り口だけでは、お茶の”ファン”は増やせない、と。あれから10年以上が経過しました。この間、お茶の健康に与える影響については随分と研究が進みました。しかしながら「凍頂烏龍茶は花粉症に効くのでしょうか?」という質問を受けたときに、相変わらず当時の情報をベースに回答する方が多いように感じます。この10年ほどの間に、日本でも臨床研究がどんどん積み上がっていますし、中国や台湾でもメチル化カテキンに関して研究した論文はいくつか発表されています。このあたりの情報は手薄よねぇ、と感じております。・・・というわけで、これから何回か「花粉症に効くお茶」について、日本と中国・台湾の論文などを見ながら、改めて考えてみたいと思います。ただ、この手の健康に関するテーマは果てしなく広がる可能性もあるので、以下の条件を付します。1.いわゆるチャノキ(カメリア・シネンシス)から作られるお茶の話に限定する→中国茶だと、メジャーなものでは「(バラ科の)甜茶」なども効果有りとされます。が、茶外茶までやると収拾が付かなくなりますので、割愛します。ちなみに私は毎年、甜茶の粉末カプセルで花粉症対策をしておりました。私にはよく効いてます(※個人の感想です)。2.メチル化カテキンの話に絞る→黒茶などを飲むことで腸内細菌の働きが良くなり花粉症が楽になった!という話も聞きます。が、これに関しては十分なエビデンスが揃わない&即効性が期待できないので、今回は割愛します。メチル化カテキンは、飲んですぐ効果が現れるので、検証しやすいのです。3.あくまで個人の感想です→「花粉症に効くお茶」というタイトルにしていますが、これは「個人の感想」です。花粉症歴20年ほどのあるきちが色々飲んで”人体実験”をしてみた結果について「効く」とか「効かない」と言っているに過ぎません。お茶は薬では無いので。できるだけお茶の詳しい知識や化学的な素養がなくてもわかるように書いてみたいなと思います。続く。<目次>(1)凍頂烏龍茶騒動を振り返る(2)カテキンの話(3)メチル化カテキンの話(4)中国・台湾の研究(5)淹れ方・飲み方は?(6)実際に試してみた(飲料&飴編)(7)実際に試してみた(粉末&リーフ編)(8)まとめにほんブログ村関心のある人は多いはずですよねぇ↓今回のバイブル↓【送料無料】茶の機能新版 [ 衛藤英男 ]価格:7,560円(税込、送料込)a