『28』 入笠山逍遙・1泊2日・28時間のたび <01>
(これは10時から16時におきたこと) BGMはこれ!!信州は富士見高原・入笠山へ行ってきました。24日10時に出発の予定でしたが、急な連絡が入り、しゅっぱなから1時間ほど遅れることに。前日に調べた乗り継ぎは使えないものの、とりあえず、それぞれの駅まで行けばなんとかなるだろう。見切り出発です。 菊名駅からJRに。まぁ、夕方6時までに宿へ着けばよいだけ、まさしく、急ぐ旅ではありません。特急券は買わずに、普通乗車券のみを購入。できるだけのんびり、普通電車で車窓の景色をたのしもうと。途中下車のできるキップを手にするのも、約20年ぶり、ちょっと得した気分。遠出ということばがよぎり、肩がかるくなります。JR横浜線で八王子へ向かいます。秋の晴天。新横浜より西側の横浜線に乗るのも、やっぱり20年ぶり。仕事・通学・お買物、郊外電車のお昼の、みなれた情景。鴨居駅をすぎたところに田んぼが残っていることにおどろき、相原や南八王子の駅前がにぎやかになっているのにびっくり。途中、町田の手前で、お寺さんがみえます。何百とあるお墓のひとつひとつに、黄色や白のお花が上げられてる。そう、今はお彼岸だったことを思い出します。宗教に関心が低いといわれつつも、日本もまだまだ。途中、A駅を通過するときに、なつかしい人の顔も思い出します。 八王子に到着、約10分ほどの待ち合わせで高尾ゆきに乗り換え。この電車の中もまた、子連れ・背広姿・おばーちゃんのグループ、郊外電車の風情でした。高尾駅は、初めて降りる駅。ここで20分ほどの待ち時間。平日のお昼だというのに、おばあちゃん・おじいちゃんが多いのはお寺さんがあるためでしょうか。あ、やっぱり、お彼岸ですね。せっかくの待ち時間、おトイレをすませ、サンドイッチとコーヒーを購入。 ここからの電車は、なにやら古めかしい車両。座席も対面シートになり、旅情をかもします。ローカル線、、、ではありませんね。ここからは中央”本線”です。車内には、旅行や法事を思わせるたび姿の方が半分。仕事またはお買物・通院をおもわせる普段な方が半分。あれ、学生がいないけど・・・。まだ、授業中なのでしょう。ふた駅、み駅と進むうちに、仕事姿のかたはみえなくなり、旅行姿のご夫婦は、車窓の景色をたのしみつつ、はじめての信濃路におもいをはせて。夏休みの女子大生ふうの4人組は、級友のウワサ話をさかなに、お菓子をポリポリ。大月までのみちのりは、度々トンネルをくぐる谷あいのルート。ぬけて猿橋の岩壁は、まさに奇観。甲府盆地にはいると、果樹園がめだつ風景。田んぼはすくなく、川も細め。中流域のおももち。山梨学院のグランドも見えました。甲府駅では、停車時間内に鳩が社内に入ってきて、「ドアが閉まってはたいへん」と、中年の男性がドアへ追っていかれました。このあたりから、通学生の姿がちらほら。「この子らは、<本線>を使って通学するんだなぁ」と、へんなところに関心。甲府盆地では果樹が名産、平らな場所だからといって、稲作が盛んになるというわけではないのですね。たしか一昨年、東北新幹線の車窓から、見た水田風景のなか、ゴールデンウィークなのに田へ出ているおじさん、おばさんには、頭の下がる思い。おいしいお米をありがとうございます。稲作をせずに、果樹をつくるのには、きっとなにかの理由があるのでしょう。 意に反して、韮崎をこえるあたりから、谷スジ、山スジのあいまに、山田が見えてきました。等高線をなぞるように、丸みのある不整形な田んぼ。平地で果樹をつくり、山あいで稲をつくる。なにか、理由があるはずですが、自分にはわからないところ。ダメでもともと、携帯のカメラで撮ってはみるのですが、オートフォーカスのタイムラグで、思うようには収まりません。 さて、小淵沢駅に到着。目的駅まであと2駅というところで、乗継まちが50分。まぁ、いきあたりばったりで来ているのですから、そんなものでしょう。どうやって、この暇を埋めるべきか・・・。そう、今回は雨具の用意がない。雨具を買おう!駅からほど近いお店で900円の雨合羽を購入。山用のポンチョなど、ほしいところでしたが、自転車通学用のビニール合羽の上下になってしまいました。ついでに軍手1組30円も購入。山々を背景に駅舎を撮影。駅前のゲートがセイタカのっぽなのは、山を見せるための工夫なのでしょう。立ち食いソバをたべてもまだしばらく、時間があまる。このすきをうめるべく、ホームにてにわか鉄っちゃんになる。小海線の車両、遠くへ追いやられるトイレ、駅の売店、なんでもかんでも、撮ってやろう。 ホームにいても山が近い。高校生がふえてきた。ここらの子は、普通に見える。ピアスもシャドウもついていない。が、さすがに人物をファインダーに入れる度胸はない。一人だけ、佐久長生のジャージを着た子がいるけど、佐久にはまだ遠いはず。 小淵沢から富士見への鉄道沿線は、ところどころに見える田んぼが黄色く色づき、とても美しく・・・。このつよい黄色は、平地ではみたことがない色。思わず、にわか前田真三さんになる。さて、27年ぶりの富士見駅には昔のおもかげはあるものの、やはり近代化されていました。16時30分までにゴンドラ乗り場(麓駅)までタクシーで移動しなければならないが・・・、タクシーがいない。タクシー乗り場の窓口の中の係員さんに状況を尋ねると、彼は係員ではなく、タクシー待合いの小屋の中のお客さんであった。自分の順番は2番目か。連休空けのためか、駅前のお店はシャッターがしまっているところが多い。だれかにタクシーのことを尋ねようにも、誰もいない。しかたない。補助食料と酒と水を買おう。路を教えてもらい酒屋さんへ到着。ウイスキーの小瓶をさがすが見当たらず、白角の通常ボトルを購入。南アルプス天然水の2リットルもあわせて購入。これで、約3kgほど、荷物の重量が増える。無謀。酒屋さんの奥さんに、タクシーをまつのと、歩き始めるのと、どちらがよいか相談すると、「歩くんだと、30~40分はかかるけどね」と、冷静なご意見をいただく。もし上までタクシーでいくといくらかかるかをきくと、「さぁね、タクシーでは行ったことないけど」と、冷静なご意見をいただく。「今日はゴンドラは、動いているの」と逆にきかれ、「今朝電話しました」と答えつつも、相談の相手をまちがえたかなぁと、黙考。タクシー待合にたどりつき、ふと気づくとタクシー会社の電話番号が看板に書かれている。まっていても仕方ない。電話してみる。「今日はではらってるんですよ」 (ドキ!)「4時30分のゴンドラで上へ登りたいのですが・・・」「それには間に合いますよ」もし、間に合わなかったら、上までタクシーかな。とりあえず、カバンの中から山用の靴を出し、履き替えていると、タクシーが着く。くつ紐が途中だが、そのまま車中の人となる。(これは10時から16時におきたこと)