2兆円って、どのくらい?(2)
さて、実は、2兆円の大きさについては、自分が苦心する必要はないはずなのだ。官公庁は予算の適正については、常に検討される。「人件費がコレだけ、通信費がコレだけ、実際に受け取る人が何人で、何時から初めて、何時で終わって、その合計で、2兆0076億8704万7563円になります。」というような、1円単位で計算した詳細な予算書が作成されるはずなんです。本来、総理大臣が「2兆円を使いたい」というときには、そこまではいかなくても、概概算くらいはできているはず。定額給付金という名前を決めるころには、概算もできているはず。逆に、詳細に計算したら、1兆7000億円で済みました、とか、ぜんぜん足りなくて、諸経費入れると2兆2000億はかかりますよ、とか、なるかもしれない。麻生さんに2兆円の根拠を糺すことが、はじめの1歩。名前の決まった今の段階では、諸費用の見込みも立っているはず。それを教えてあげないで、各自治体に任せます、ではズルイです。お金だけは自治体に渡すからね、「人件費も、通信費も、市町村で考えなさい」というのは、やっぱりマルナゲにあたる行為と思う。地方自治体が、自分たちの判断で事業を起すのが自治。うちは道路より病院が必要、うちはダムより学校が必要、それぞれが自分の判断で動くことが自治。総理が「こういうことをやりたいので、頑張ってください」といって、起案しているようでは自治は遠い。「地方自治ってそういうもんでしょう」は、さりげなく問題発言である。鳩山(弟)総務大臣の立場は・・・、まぁ、総理を啓蒙する以外には手がない。さて、この2兆円の巨費をつかう今回の定額給付金。失敗に終わったときはどうなるのだろう。机上の空論ではあるが、あえて以下のような計算をしてみる。 内閣総理大臣 俸給月額 2,071,000円 年に直して約2500万円。2兆円は総理年収80000年分に相等。逆立ちしてもシリヌグイのできない金額である。和牛商法でも、エビ養殖商法でも、「どうせ返せないことがわかると、毒をくらわば皿までも」とひらきなおって、被害額が数桁ふえてしまうようだ。一国の総理大臣の心根に、そんな山師的刹那的な一面があるとは思いたくない。取れない責任であれば、「石橋を叩きささいな音にも耳を澄ます」の姿勢を示されるべきであろう。金額の大きさのわりには綿密さが見えないのは、先に2兆円という枠を囲ってしまったせいではいのか。福祉効果が主題なのか、経済効果が主題なのか、視点がぼやけるのは2兎にゆれるから。本当に効果の上がる金額がどれほどなのか、総理大臣が責任を取れないほどの巨額であれば、経済専門家なり消費者庁なり社会福祉関係者なりの、関係各所の広範な確認を得た上で進むべき問題のはずである。すくなくとも、閣内の一致をみないようでは、議論が尽くされたとは言えない。自分には、総理の思いつきを護持しようとする、総理側近の独断先行にしか見えていない。つい)国が担当する道路特定財源は3兆4000億円。工事の先延ばし。すべての道路工事を中止して、8ヵ月後に再開すれば、とりあえず穴埋めはできるという抜け道も考えられるわけだが・・。。福祉の効果はあっても、土木建設業界での経済活動が停止するので、経済効果はなくなってしまう。1兎であれば、シンプルなんだけどなぁ。 <今日はあさがお戦隊グレイが担当しました。>