否定された仮説
仮説)「トイレの神さま」や「ゲゲゲの女房」など、超常なテーマに注目があつまった2010年は、日本人が、現実に失望した年であった。下線を付した部分には、重大なカンチガイがあります。カンチガイを指摘し、その理由を述べなさい。「トイレの神様」は、トイレの神様のお話をしてくれた「おばあちゃん」を題材にしているが、おばあちゃんに超常な力があるわけではない。「ゲゲゲの女房」にしても、「ゲゲゲの鬼太郎」を代表作にもつマンガ家・水木しげる氏の女房というだけで、女房氏がリモコンゲタを操ったり、毛針を飛ばしたりできるわけではない。したがって、この2作品をもってして、「超常なテーマ」とすることは、カンチガイである。前半がカンチガイしているために、結論も間違っている。「失望した年」として結論づけるのではなく、「失望のなかに一縷の望みを見いだした年」として位置づけるべきだと思う。「トイレの神さま」や「ゲゲゲの女房」など、日常生活のなかにある「ぬくもり」をテーマにした作品に注目があつまった2010年は、日本人が、大きな失望の中に、一縷の望みを見いだした年であった。が、政治の混乱により、2011年はその望みさえも、失うかもしれない。という、悲観的な観測を持ってしまうのは、自分の心の楚々としたはかなさだけが原因かしら。。。